時事通信社が、2023年6月6日の23時11分付で「アストラッド・ジルベルトさん死去 代表作に『イパネマの娘』」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2023060601245&g=int)として報じていました。
「イパネマの娘」は、あのスヌーピーが登場する漫画「ピーナツ」でもネタにされたほど(ライナスが地理か何かの試験の話題としてイパネマを取り上げています)の有名な曲で、ボサノバと言えばこの曲が代表と言えるでしょう。私も幼少時からこの曲を知っていました。アントニオ・カルロス・ジョビンが作曲したもので、アストラッド・ジルベルトとスタン・ゲッツ(テナー・サックス)の共演盤で有名になったと言えるでしょう。
一方、私自身は、まだ中学生であった時に、トロンボーン奏者の向井滋春さんとの共演をレコードで聴きました。「SO&SO」というタイトルのレコードです。1980年代前半と言えば、ジャズ・フュージョン系が流行した時代ですが、向井さんはラテン系の曲などもかなり多く演奏していました。そのため、「SO&SO」が発表されたこと自体に驚きはしなかったのですが、「Chanpagne & Cavier」、「Nos Dois」および「Hold Me」でアストラッド・ジルベルトさんが歌っていたことで「なるほど」と思ったのです。ちなみに、LPならA面の3曲目となるNos Doisはポルトガル語の歌詞、その他の曲は英語の歌詞となっています。
「SO&SO」に参加しているミュージシャンも錚々たる人たちで、例えばベースはアンソニー・ジャクソン、ドラムはオマー・ハキム、ピアノ奏者の1人がエリアーヌ・エリアス、などとなっています。
報道を目にしてすぐに思い出したのが「イパネマの娘」ではなく「SO&SO」であったというのは、育った時代のためなのか、私個人の音楽環境のためなのか。もっとも、「SO&SO」は、私よりも母が気に入っていましたし、その母は、向井滋春モーニングフライト「ライヴ97」(六本木ピットインでの録音)に収録されている「リカード」をかなり気に入っていました。