ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

低調なのは当然のことだと思いますが

2024年08月08日 13時00分00秒 | 日記・エッセイ・コラム

 今日(2024年8月8日)付の朝日新聞朝刊28面14版に「オフピーク定期券『目標の半分』」という記事が掲載されていました。

 以前から思っていたことではありますが、記事を読んだ瞬間に「当たり前のことだろう」と思いました。

 オフピーク定期券というのは、上記記事の表現を借りるならば「平日朝の混雑時間帯を避けて通勤すると定期代が割引される」というものです。もう少し具体的な内容を紹介すると、これまた上記記事の表現を借りるならば「午前6時前から午前9時過ぎまでの間に駅ごとに設定されたピーク時間帯(90分間)を除いて利用でき、通常の通勤定期より10%割安になる。ピーク時間帯に改札を通過した場合は通常料金がチャージ額から差し引かれる」というものです。

 2023年3月から始められたのですが、購入率は約8.5%程度しかありません。当たり前です。「ピーク時間帯に改札を通過した場合は通常料金がチャージ額から差し引かれる」ことがわかっているならば、誰がこんな定期券を買うというのでしょう。今でも、多くの職場の勤務開始時間を考えれば、朝ラッシュ時に乗客が多くなるのは当たり前のことですし、仮に朝ラッシュ時を避けられるように仕事を始められる職場であるとしても、場合によっては朝ラッシュ時に電車に乗るしかない場合もあるでしょう。それならば、オフピーク定期券など購入しません。

 また、JR東日本のサイトを見ると、オフピーク定期運賃はJR東日本の路線のみに適用されます。首都圏の通勤客であれば、JR東日本の路線以外の、例えば東京メトロの路線を利用する人も多いでしょう。つまり、複数の鉄道会社を利用する場合には魅力が半減してしまいます。まあ、これは仕方のないところではあります。

 オフピーク定期券をやるよりも、COVID-19の前に東急電鉄が行っていた、朝の7時より前に駅の改札口に入ると後で渋そばやニコタマカフェの割引券などをくれるサービスのほうがありがたいでしょう。たしか、ポイントサービスへの加入が条件であったと記憶していますが、私は時折利用していました。JR東日本にもポイントサービスはありますから、これを上手く使えばよいのではないでしょうか。

 そう言えば、オフピークの回数券というものは何年も前からありました。今では回数券そのものが販売されなくなっているのですが、これもどれだけの売上高があったのでしょうか。あまり普及していなかったのかもしれませんが、よくわかりません。

 JR東日本は、今後、「定期代の5%をポイント還元するてこ入れ策をスタート」して、「10月からは企業へのアピールを狙い、割引率を15%に拡大する」とのことですが、「ピーク時間帯に改札を通過した場合は通常料金がチャージ額から差し引かれる」というものをやめない限り、購入率はよくならないでしょう。

 もう一つ記しておくと、オフピーク定期券は、首都圏の16路線、約280駅を対象としており、SuicaやモバイルSuicaの利用が前提であるようです(Pasmoなどはダメなのかはわかりません)。対象となっている路線は次の通りです(五十音順。JR東日本のサイトの通りとします)。

 ・五日市線:全駅

 ・宇都宮線:東北本線の上野駅から大宮駅まで

 ・青梅線:全駅

 ・京浜東北線(東京以南)・根岸線:全駅

 ・京浜東北線(東京以北)・根岸線:全駅

 ・京葉線:東京駅から千葉みなと駅まで

 ・埼京線:新宿駅から大宮駅まで

 ・常磐線快速:上野駅から取手駅まで

 ・常磐線各駅停車:北千住駅から取手駅まで

 ・総武線快速:東京駅から千葉駅まで

 ・総武線各駅停車:御茶ノ水駅から千葉駅まで

 ・高崎線:上野駅から大宮駅まで

 ・中央線快速:東京駅から高尾駅まで

 ・中央線各駅停車:秋葉原駅から三鷹駅まで(秋葉原駅から御茶ノ水駅までは総武本線のはずですが……)

 ・鶴見線:全駅(支線を含む)

 ・東海道線:東京駅から大船駅まで

 ・南武線:全駅(支線を含む)

 ・武蔵野線:全駅

 ・山手線:全駅

 ・横須賀線;全駅(東京駅から久里浜駅まで)

 ・横浜線:全駅


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