ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

日暮里・舎人ライナーの終点、見沼代親水公園駅

2015年02月06日 01時00分20秒 | まち歩き

 〔今回は、「待合室」の第532回(2013年7月11日から21日まで)として掲載した記事の再掲載です。誤字脱字を除いて修正していません。なお、写真撮影日は2013年5月12日です。〕

 或る日、唐突に妻が言いました。

 「日暮里・舎人ライナーに乗りたい!」

 最初は、何の脈絡があったのか理解できず、「実は隠れ鉄なのか?」などと思ったのですが、話を聞いてみると違うようです。仕事の関係で、妻も時折、都営地下鉄を利用します。その電車の中の広告を見て、欲が出たようです。たしかに乗ってみたくなるような写真でした。私が撮影したものではありませんから、当然、ここに示すことはできませんが、絶妙なアングルのために電車があたかも空中を走っているかのように見えるのです。実のところ、私はあまり気乗りがせず、「都電荒川線のほうが面白いよ」と言ったのですが、あまりに妻が繰り返すので、晴れた日曜日に出かけ、乗ることとしました。

 起点の日暮里は荒川区にあります。この街を歩いてみるのも面白いのですが、急かされて日暮里・舎人ライナーの小型車両に乗りました。荒川線との乗換駅である熊野前を過ぎると、足立区に入り、足立小台駅に着きます。しばらくすると、終点の見沼代親水公園駅です。ここから少し北へ足を運べば埼玉県で、東京都23区域では最北の駅ということになります(ついでに記せば、東京都で最北の駅はJR青梅線の古里(こり)です)。

 全駅が高架で、ホームドアが設置されているため、人身事故が起こる心配はまずないのですが、車両などを撮影するには難しいので、上のようなものしか撮影できません。ちなみに、この路線では無人運転が行われています。

 日暮里から見沼代親水公園までの全線を乗り終えて、妻は「広告にだまされた」と言いました。それはどうかとも思いましたが。

 日暮里・舎人ライナーが開業したのは2008年3月30日(日曜日)で、都営三田線を利用している私は、片岡鶴太郎さん、栃東大裕さん、谷川真理さん、雛形あきこさんが登場した広告を飽きるほど見ていました。沿線には、ほぼ同じ区間の都営バス(里48系統)が走っていたものの、いわゆる鉄道空白地帯に近く、東武伊勢崎線に近いような遠いようなという感じであり、JR東北本線(京浜東北線など)からも東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道線からも離れています。観光路線でもなければ都市間連絡鉄道でもなく、足立区西部のための地域路線である、と表現してもよいでしょう。その意味において、都営三田線の巣鴨~西高島平と似たような性格を有しています。

 私が最初に日暮里・舎人ライナーを利用したのは2008年10月31日(金曜日)です。その日に初めてJR日暮里駅を利用しましたが、変な構造の駅で、京成への乗り換えはともあれ、日暮里・舎人ライナーの駅に出るのは面倒でした。12月に再度利用し、その際に京成の日暮里駅を初めて利用しました。ここからスカイライナーに乗って成田空港へ行き、さらに北京へ飛んだのです。

 正直に記すならば、初めて日暮里・舎人ライナーに乗った際には面白いのかつまらないのかわからない印象しかなかったのです。いや、それは車窓の話で、乗り心地について記すならば新交通システムが持つ独特の悪さに辟易しました。横揺れと縦揺れが混ざったような揺れ方なのです。

 私は、これまで、神戸市のポートライナーと六甲ライナー、大阪市の南港ポートタウン線を利用しましたし、後に東京のゆりかもめ、そして西武山口線にも乗りましたが、普通の鉄道かバスのほうが良いと思われました。なぜかと言えば、日暮里・舎人ライナーなどの新交通システムはコンクリートで舗装された道路の上に敷かれたガイドレールに沿って走るので、道路の凹凸を簡単に拾うのです。線路よりも舗装のほうが、微調整などをきかせにくい訳です。しかも、バスとは違う構造なので、余計に道路の凹凸を拾いやすいようです。似たようなことは、札幌市営地下鉄の全線についても言えるでしょう。

 東京都は八王子市にある多摩都市モノレールの大塚・帝京大学駅を彷彿とさせるような構造です。日暮里・舎人ライナーは、道路の上を走るということからか、鉄道ではなく、軌道として営業しています。「鉄道と軌道は同じではないか」と思われるかもしれませんが、日本では違うことになっています。大雑把に言えば、鉄道は鉄道事業法の適用の下にあり、道路の上を走らないのが原則であるのに対し、軌道は軌道法の適用の下にあり、道路の上を走るのが原則です。元々、軌道は路面電車が想定されていたのですが、大阪市営地下鉄の全線は軌道ですし、新交通システムやモノレールの多くも軌道とされています。これには複雑な背景があるので、ここでは説明などをいたしません。

 見沼代親水公園駅の西側に小さなバスターミナルがあり、都内は勿論、埼玉県に向かう路線バスが発着しています。前回、私は東武バスに乗って同じ足立区にある竹ノ塚駅に出ましたが、今回は同じ東武の小型バスに乗り、草加駅西口に出ることとしました。


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