ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

本駒込一丁目を歩く

2014年11月02日 16時24分56秒 | まち歩き

 (今回は、2013年8月8日から15日まで「待合室」第535回として掲載した記事です。写真撮影日は2013年7月27日です。なお、一部を大幅に修正しています。)

 このブログに、2013年6月23日付で「本駒込駅の近くで」という記事を掲載し、駒込土物店(つちものだな)跡を紹介しました。今回はその続編と言うべき内容で、文京区本駒込一丁目の住宅地を歩きます。

 2012年度より、東洋大学大学院法学研究科の客員教授として行政法の講義および演習を担当しております。そのため、白山、本駒込、向丘といった所を歩く訳です。東洋大学は白山五丁目にあり、最も近い駅は都営三田線の白山駅です。しかし、田園都市線沿線にお住まいの方であれば、永田町で南北線に乗り換え、本駒込で降りるという手もあります。こちらのほうが、神保町で三田線に乗り換えるよりも電車賃が安くなります。本駒込経由では少しばかり時間がかかるかもしれませんが、それほどの差はありません。地図で確認していただければわかりますが、白山駅から本駒込駅までは数百メートルしか離れていません(本駒込駅の案内にも白山駅は登場します。逆も同じです)。

 また、白山駅は山の下にあるのに対し、東洋大学は山の上にありますから、かなり急な坂を登ります。これに対し、本駒込駅は山の上にあるので、東洋大学まではなだらかな下り坂を歩くこととなります。どちらが楽であるかはすぐにおわかりでしょう。

 本駒込駅を降り、駒本小学校前交差点を左に曲がると、白山上交差点に向かう細い道があります。これをしばらく歩き、八百屋の角を右に曲がります。東洋大学へ向かうための近道です。すぐに緩やかな下りとなり、児童公園の三つ角を直進すると、右に龍光寺、左に閑静な住宅地となります。この辺りが、私の気に入っている所なのです。国道17号線(旧白山通り)の裏道なのですが、とてもそうとは思えないような静かな道です(もっとも、旧白山通りもそれほど自動車の通行量は多くないのですが)。

 奥のほうに見える高い建物が、本駒込駅のおおよその場所を教えてくれます。駅は本郷通りの駒本小学校前交差点と向丘二丁目交差点との間にありますが、銀行やマンションなどの名称を見ると、白山になっていたり本駒込になっていたりでバラバラです。おそらく、本駒込駅周辺も含めて白山と大きく括られているのでしょう。商店街もつながっています。ちなみに、白山駅の開業は1972年、本駒込駅の開業は1996年です。

 この辺りの掲示板には浅嘉町会という文字が刻まれています。同町会のサイトによると、本駒込一丁目および三丁目と向丘二丁目は、1966年まで駒込浅嘉町という町名だったそうで、現在でも町会の名称として「浅嘉」が残っているのです。

 住居表示制度の導入のためか、東京から随分と多くの地名が消えました。現在でも町内会・自治会の名称として、あるいは小学校などの名称として残されているものがありますが、そうなることもなく消滅したものもあるでしょう。以前から、私は渋谷区から常盤松という地名がなくなり、その大部分が「東」という町名になったことを嘆かわしく思っているのですが、最近では六本木からも三河台という名前が聞かれなくなりつつあります(三河台中学校がなくなったため)。南青山にあった高樹町は、首都高速道路のインターチェンジの名称としては残っていますが、それ以外はどうでしょうか。

「左折をすれば旧白山通りに出られる」と思ったら、所々で行き止まりとなっている道を見かけます。公道か私道かはわかりません。

 そろそろ、左折して東洋大学の前に出る道に入ろうとしています。そのための、細い道同士の交差点に立っている訳です。奥へ真っ直ぐ進めば龍光寺の裏のほうに出られるようですが、まだ歩いたことがありません。地図を見る限りでは、結局、先程の児童公園に出るようで、私が今まで歩いてきた道に戻ってしまうことになります。以前も記しましたが、白山駅・本駒込駅の周辺はとにかく寺院が多く、駒込土物店跡は天栄寺への入口にありますし、本駒込一丁目に限定しても、龍光寺、天栄寺の他に潮泉寺、徳性寺、仙龍寺、養昌寺があります。

 こちらのほうも、奥まであるいたことがありません。道幅はいっそう狭くなり、一見すると行き止まりかと思えるのですが、そうではなさそうです。しかし、軽自動車でなければ、とてもではないとしても運転しにくそうな道で、迷い込んだらとんでもない目に遭いそうです。渋谷区の常盤松小学校付近から区立中央図書館にかけて、軽自動車以外では通行が困難な道路があり、渋谷区役所による案内表示も置かれていますが、ここ文京区の本駒込一丁目にそのような案内があるのでしょうか。少なくとも、この道路にはありません。進むとどのようなことになるのか、という好奇心は湧きます。

 さて、交差点を左折することとしましょう。すぐに旧白山通りが見えてきます。都営三田線はその地下を走っているのです。旧白山通りの手前側が本駒込一丁目、向こう側が白山五丁目で、奥に見えるのは東洋大学白山校舎の8号館です。2012年の秋に完成しており、2003年の1月から8号館で大学院の講義・演習を担当しています。入口の左側では、現在の総長、塩川正十郎氏の胸像が我々を迎えてくれるはずです。


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