2025年2月19日付の朝日新聞夕刊にも記事が掲載されていましたが、自由が丘駅前の不二屋書店が2月20日を最後に閉店しました。私も、小学生時代以来、自由が丘に行くと寄っていた書店であるだけに、この機会に行っておこうと思い、行きました。
自由が丘駅の正面口を出て、小さなバスターミナルの向かい側にあります。2階建ての書店で、同じく自由が丘に本社を構えるミシマ社のコーナーもありました。街の書店としては大きいほうであるかもしれません。ちなみに、撮影した日にはミシマ社の本を3冊買いました。
元々は世田谷区奥沢にて開店したとのことで、戦後に自由が丘駅前に移転しました。それ以来、交番の代わりになるとすら言われるほど有名な場所でもあり、後に開店した三省堂書店自由が丘店や青山ブックセンター自由が丘店よりも長く続いてきました。それだけに、惜しいことでもあります。
これで、自由が丘の書店というと、ブックファースト自由が丘店と、古書店である西村文生堂のみとなります。古書店と言えば、南改札のほうに、1948年にオープンしたという東京書房がありましたが、現在は宮崎台駅付近にてインターネットでの販売店として営業しています(会社の本店としての登記は自由が丘のままであるようです)。
不二屋書店の入口にこのようなビラが貼られていました。102年という長い歴史が閉じられるのです。東横線の上り各駅停車に乗れば次の駅である都立大学駅のそばの八雲堂書店、また上り各駅停車に乗れば次の駅である学芸大学駅のそばの恭文堂書店の名もあげられており、同じ「街の書店」としてのエールも書かれてました。私も同じ気持ちになります。
朝日新聞夕刊の記事には東急東横線沿線に絞った形で書店の減少が書かれていましたが、勿論、東横線に限った話ではありません。例えば南武線の沿線でも、書店は減少しています。そして、これは全国的に長く続く現象なのです。神田神保町の古書店の減少を、私自身、1980年代後半から見続けています。
書店があるとしても、大抵はチェーン店であり、不二屋書店のような「街の書店」を見かけなくなりました。そればかりか、駅前に書店がないというところも珍しくありません。インターネットで本を買うこともありますが、やはり、店に並んでいるものを見て「こんなものがある」、「面白そうだ」と思って買うことの楽しさを忘れることはできません。
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