関東地区の年末年始のテレビCMで、佐野厄除け大師と並んでおなじみの日光山輪王寺。
天平神護二年(766)に、勝道上人によって開山されたと伝えられていますが、これは日光山全体のものと考えられ、
堂宇としての日光山輪王寺の創建について詳細は不明となっています。
ただし平安時代には空海(弘法大師)や円仁(慈覚大師)の来山が記録されており
円仁によって天台宗寺院としての歴史が始まったと考えられます。
当初は満願寺の寺号が嵯峨天皇から下賜され、戦国時代に一時期衰退したものの
江戸時代初期に神君家康公の側近でもあった天海が貫主に就いたことで隆盛し
明暦元年(1655)、後水尾天皇の院宣により輪王寺の寺号が下賜されました。
合わせて門跡寺院(皇族・公家が住職に就いている寺院)となり、江戸の輪王寺および寛永寺住職と
天台座主を兼務し、世襲ではないものの「輪王寺宮」と呼ばれました。
最後の輪王寺宮は還俗して北白川宮能久親王(竹田恒泰氏の高祖父)となりました。