東京駅丸の内北口、新丸ビル前に設置された、「鉄道の父」井上勝の銅像。
正式には【正二位勲一等子爵井上勝君像】という銅像で、大正三年(1914)東京駅(中央停車場)開業にあたって
本山白雲の原型作製によって建立されたものが、皇居を向く形で設置されました。
初代の像は戦時中の金属供出によって撤去され、没後50年を機に朝倉文夫の制作によって昭和三十四年(1959)に再建、
その後、地下工事などで撤去されたり駅正面に再設置されたりしながら、平成十九年(2007)に東京駅復元工事で再撤去され
復元完了後の平成二十九年に初代設置場所近くの現在地に、駅中央正面を見る形で再設置されました。
井上勝は出生名を卯八と言い、一時期野村家に養子に出され野村弥吉(彌吉)を名乗っていた
英国留学組の、いわゆる長州ファイブと呼ばれる日本近代化の立役者の一人です。
新橋(汐留)・横浜(桜木町)間の鉄道開業前から、日本の鉄道建設に貢献したことにより
「鉄道の父」と呼ばれています。
墓所は開業当初から敷設されている東海道線の品川・大井町間の線路際の東海寺大山墓地で
行き交う電車を見守りながら永遠の眠りについています。