京成線町屋駅の改札を出て右側から出ると、目の前の信号機の右側に【藍染川通り】という標札が建てられています。
京成線の線路に沿って伸びたこの通りには、かつて藍染川という川が流れていました。
川、と言っても実際には人工開削によって造られた排水路で、豊島区の染井あたりを源流にして文京区を流れる谷田川から分流し
隅田川に通水し、根津や谷中あたりの水害を抑える目的で大正四年(1915)に着工し、同七年に竣工した、いわば下水とも言える流路です。
おそらく藍染川の名は、谷田川の別名をそのまま持ってきたものと思われます。
また下水と言っても、今と異なり化学物質や油脂などの流下もなく、染物に使われた後や下肥が流れる程度で
魚釣りなどもできるくらいの水質だったと言われています。
暗渠となった現在も、地下には下水幹線が流れ、隅田川脇の三河島水再生センターへ繋がっています。