臺風が去つた。
碧やら紫やらの色をした
誰そ彼の西の空に
臺風の名残の雲が
鮭色に照らされてゐる。
待つてましたとばかりに
店の主人達は
縁側に出て将棋を打つ。
そしてどこからともなく
蚊取りの馨がただよつてくるのである。
こうなつてくると
夏が近いのだなあ、と思ふ。
碧やら紫やらの色をした
誰そ彼の西の空に
臺風の名残の雲が
鮭色に照らされてゐる。
待つてましたとばかりに
店の主人達は
縁側に出て将棋を打つ。
そしてどこからともなく
蚊取りの馨がただよつてくるのである。
こうなつてくると
夏が近いのだなあ、と思ふ。