隅田川の東、いわゆる墨東(濹東)の寺島村(寺嶋村、現在の墨田区東向島)は
江戸時代まで江戸近郊農村で、盛んに茄子(なす)が栽培されていました。
鶏卵ほどの大きさで、皮が厚く実が締まって甘みの濃いナスで
江戸時代には蔓細千成茄子とも呼ばれていたそうです。
東京市中の拡大で水田や畑は失われ、遊郭が出来て寺島ナスは途絶えましたが
平成二十年(2008)に第一寺島小学校の創立130周年記念事業の一環として
保存されていた種をもとに三鷹市のナス農家の協力によって
幻の江戸東京野菜・寺島ナスが復活しました。