みいちゃんといっしょ

みいちゃんとみいちゃんのパパの日記

「坂の上の雲」が再放送されています。

2015年03月06日 | 日記

 2009年から2011年まで、3年にわたってNHKが放送した「坂の上の雲」が現在 BS2 (プレミアム)で日曜日の正午から再放送されています。
 残念ながら去年の10月から放送が開始されており、全26回のうち既に22回が放送済みです。

NHKスペシャルドラマ 坂の上の雲 1 少年の国

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 私は正月番組を検索しているときに、再放送予定を発見したので、辛うじて第15回から録画ができました。

 しかし、NHKも、もっと徹底して再放送の周知をすればいいのにと思いました(普段テレビを見ないので、やっていたのかもしれませんが)。

 「花燃ゆ」なんて、最終回までの内容や台詞が分かるような低能な番宣をしつこく打って、いいかげん辟易として、逆にもう絶対見ないと決めたぐらいでしたから。
 そうしたら、案の定、視聴率低いみたいですね。「過ぎたるは、なお及ばざるが如し」とは正にこのことです。こういうことが読めないNHKの製作サイドの頭の悪さが知れます。

 きっと、「坂の上の雲」は、あまり番宣打たないで、また見逃した人は、オンデマンドやブルーレイで金を取ろうという算段だと思います。 

 まあ、NHK自体は以上のように大っ嫌いな放送局なのですが、この「坂の上の雲」は、最高に面白いです。 

 「坂の上の雲」は、ご存じ、司馬遼太郎が10年の歳月をかけ、明治という時代に立ち向かった四国・松山出身の連合艦隊作戦担当参謀・秋山真之、日本騎兵の父・秋山好古兄弟と正岡子規たちの青春群像を描いた長編小説です。

 左巻きのNHKにしては、戦争の悲惨さばかりを強調せず、なぜ日本が日清・日露戦争に巻き込まれていったのか、「少年の国・明治」の人々が如何に国の近代化に取り組んでいったかを丁寧に描いています。

 主人公の秋山真之については、その人物を知らなくとも、聞いたことのある逸話がたくさんあります。ドラマには、その他にも明治という時代を感じさせるエピソードがちりばめられています。

 まず、ドラマをみて驚いたのが、慶應生まれの人ですから、幼名があって、親や近しい人は大きくなっても、幼名を愛称として呼んでいるのです。

 真之の幼名は「淳五郎」で「淳さん」と呼ばれています。そして、この幼名の「淳五郎」と本名の「真之」は、後漢の文人張衡の『思玄賦』からの一節「何道真之淳粋兮(ナンゾ道真ノ純粋タル、なんと道徳の神髄は純粋なものであろう)」に基づくと言われているそうです。

 明治の人の教養の高さがうかがえます。子どものことも考えず、恥ずかしくもなくDQN(キラキラなんてかっこいいものじゃないですよね)ネームをつける現代の親と随分、教養に差があります。

 更に、正岡子規とは幼少時代よりの友人であり、東京帝国大学進学を目指し東京へ行き、受験準備のために入った共立学校(現在の開成高校)の同級生としても交遊があったというのも面白いです。

 その後、大学予備門(のちの一高、現在の東京大学教養学部)に入学したが、兄の好古に学費を頼っていたため、卒業後は文学を志して帝国大学文学部に進む子規とは道を異にし、海軍兵学校に進むことになります。

 貧乏な下級武士の子でも、志があれば、教養を積み、人生の道を切り開いていけるという、すごい時代だったと思います。四則計算もままならないのに、目的もないまま大学に入れてしまう現代はどうなっているのでしょうか。

 そして、だれでも一度は聞いたことのある2つの逸話。

 一つは、ロシア・バルチック艦隊との日本海海戦に際し、大本営に打電した一文。「敵艦見ゆとの警報に接し、連合艦隊はただちに出動これを撃滅せんとす。本日天気晴朗なれども波高し」。「本日天気晴朗なれども波高し」は、秋山真之が書き加えたものとされています。

 これには諸説あるようですが、秋山真之は簡潔な言葉で多くの内容を語る達人だったようで、この短文にも、「艦隊の士気・気分は上々であるが、前途は困難なものになるであろう」という気持ちや、「海が荒れて機雷が使えないため、砲戦主体で戦う意思」を示したもの、「天気がよく視界も鮮明であるため射撃にとっては好条件であり、波が高ければこちらのほうが揺れに強いためなお射撃精度に差をつけることができる。したがって勝利疑うところ無し。」という意味が込められていたなど、とにかく、伝説の人物らしいエピソードです。

 そして、もうひとつが、「聯合艦隊解散之辞」です。
 日露戦争終戦後、戦時編成の連合艦隊を解散し、平時編成に戻すこととなり、解散式が1905年12月21日に行われた。その解散式において連合艦隊司令長官・東郷平八郎により聯合艦隊解散之辞が読まれることとなったが、文面の起草は参謀秋山真之と言われています。

 これが、名文で、アメリカ合衆国大統領セオドア・ルーズベルトはこの訓示に感銘を受け、その英訳文を軍の将兵に配布しています。原文は横須賀の記念艦三笠に所蔵されているそうで、こんど行ったら是非見たいと思います。

 そして、この文章の終わり方が面白くて、普通なら「では、そういうことで皆さんの検討を祈る」と結びたいところですが、「古人曰く勝て兜の緒を締めよと。」で終わっています。
 形式にとらわれない秋山真之の性格が現れているようで、これも伝説の人らしい感じがします。更に、これをそのまま読んだ東郷平八郎の人物も伺える「名文」ということでしょう。

 明後日、日曜日の放送はいよいよ日本海海戦に入っていきます。これだけ見ても面白いですから、ぜひ時間のある方は必見です。


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