先日、ラッキ-なことに、日野原重明先生のご講演を拝聴する機会に恵まれた。
それは、申し込み期限はとうに過ぎていたが、「空席があれば当日受付する」
とのパンフレットの片隅にある言葉に一縷の望みをかけて出かけていった結果
だったから、本当に嬉しかった。
日頃、御年102才のご高齢であるにもかかわらず、現役のドクタ-であり、
執筆に、講演に、国内外を問わず活躍されているお姿を尊敬の念を持って
拝見していた。
まさか自分の生涯で先生にお目にかかれる機会が来るなどとは思っても
いなかった。
だから、講演の40分間はとても貴重な時間となった。
先生はお話の間40分、ずっと立っておられて、一度も椅子に腰かけることが
なかった。
以前、雑誌で先生の特集があり、その中で「私は3階でも4階でも、
エレベ-タ-は使わずに、自分の足で歩いて登っている」と言われていたことを
思い出した。
その時、私は運動不足のせいで、3階まで登ると息は切れるし、足はフラフラに
なるし、先生から見れば孫みたいな歳なのに、情けない状態だった。
それ以降は出来るだけ自分の足で登ることを心がけるようにして、現在に至っている。
それにしても、先生のその努力が、40分間立ちづくしの講演をこなせる体力に
つながっているのだと感心し、益々尊敬の念を強くしたのであった。
また、ご講演の演題は「自分をどう耕し、どう生きがいを持って生きるか」
であったが、その中で、特に強調して言われたのが、
「いくつになっても新しいことに挑戦せよ」ということだった。
このフレ-ズは、いつでもどこでも誰かがいっているありふれた言葉であるが、
102才の先生が言われるからこそ重みを持って胸に響くのであった。
そして、最近のエピソ-ドだが、ニュ-ヨ-クに行かれた時に、
高所恐怖症にもかかわらず、それを克服しようと、ヘリコプタ-に乗って
みようとされたそうだ。
102才でアメリカまでいくこと自体がすごいことなのに、その上ヘリコプタ-に
乗ろうなんて本当に驚きである。
電話で申し込んだが、年を聞かれたので、「102才」と答えると、高齢だから
駄目だと断られたそうだ。
しかし、先生はどうしても乗りたくて、何度も電話をして、とうとう「99才」
ということで受け付けてもらったというのだ。
日本では考えられないことだろう。
本当は102才のお年寄りを、「99才でOK!」というのは、おおらかなアメリカ人気質と
感心してしまうが、それより何より、そのお年で「何が何でも乗る」という、
その好奇心と挑戦する気持ちに、ただただびっくりさせられてしまったのである。
もう年だから・・・・、もう・・・・だから、ついつい言いたくなる現実。
でも先生のお言葉を伺って、自分にもできる!と勇気凛凛、戴いたのでありました。
<プロフィ-ル>
聖路加国際メディカルセンター理事長
一般財団法人ライフ・プランニング・センタ-理事長
日本音楽療法学会理事長
1999年文化功労者、2005年文化勲章受章
著書は「生き方上手」「死をどう生きたか」など300冊以上
2000年 新老人の会を発足し会長に就任
2014-04-10
* * *
2月8日から始まった思い出深い記事再掲載の最終回です。
日野原重明先生は現在104歳になられましたが、今でも精力的に活動されておられます。
「考えただけではしないことと同じ」のお言葉を胸に、私もこれからの人生に向かって行きたいと思います。
思い出深い記事再掲載12回にお付き合い頂き、有難うございました。
2016-02-20
それは、申し込み期限はとうに過ぎていたが、「空席があれば当日受付する」
とのパンフレットの片隅にある言葉に一縷の望みをかけて出かけていった結果
だったから、本当に嬉しかった。
日頃、御年102才のご高齢であるにもかかわらず、現役のドクタ-であり、
執筆に、講演に、国内外を問わず活躍されているお姿を尊敬の念を持って
拝見していた。
まさか自分の生涯で先生にお目にかかれる機会が来るなどとは思っても
いなかった。
だから、講演の40分間はとても貴重な時間となった。
先生はお話の間40分、ずっと立っておられて、一度も椅子に腰かけることが
なかった。
以前、雑誌で先生の特集があり、その中で「私は3階でも4階でも、
エレベ-タ-は使わずに、自分の足で歩いて登っている」と言われていたことを
思い出した。
その時、私は運動不足のせいで、3階まで登ると息は切れるし、足はフラフラに
なるし、先生から見れば孫みたいな歳なのに、情けない状態だった。
それ以降は出来るだけ自分の足で登ることを心がけるようにして、現在に至っている。
それにしても、先生のその努力が、40分間立ちづくしの講演をこなせる体力に
つながっているのだと感心し、益々尊敬の念を強くしたのであった。
また、ご講演の演題は「自分をどう耕し、どう生きがいを持って生きるか」
であったが、その中で、特に強調して言われたのが、
「いくつになっても新しいことに挑戦せよ」ということだった。
このフレ-ズは、いつでもどこでも誰かがいっているありふれた言葉であるが、
102才の先生が言われるからこそ重みを持って胸に響くのであった。
そして、最近のエピソ-ドだが、ニュ-ヨ-クに行かれた時に、
高所恐怖症にもかかわらず、それを克服しようと、ヘリコプタ-に乗って
みようとされたそうだ。
102才でアメリカまでいくこと自体がすごいことなのに、その上ヘリコプタ-に
乗ろうなんて本当に驚きである。
電話で申し込んだが、年を聞かれたので、「102才」と答えると、高齢だから
駄目だと断られたそうだ。
しかし、先生はどうしても乗りたくて、何度も電話をして、とうとう「99才」
ということで受け付けてもらったというのだ。
日本では考えられないことだろう。
本当は102才のお年寄りを、「99才でOK!」というのは、おおらかなアメリカ人気質と
感心してしまうが、それより何より、そのお年で「何が何でも乗る」という、
その好奇心と挑戦する気持ちに、ただただびっくりさせられてしまったのである。
もう年だから・・・・、もう・・・・だから、ついつい言いたくなる現実。
でも先生のお言葉を伺って、自分にもできる!と勇気凛凛、戴いたのでありました。
<プロフィ-ル>
聖路加国際メディカルセンター理事長
一般財団法人ライフ・プランニング・センタ-理事長
日本音楽療法学会理事長
1999年文化功労者、2005年文化勲章受章
著書は「生き方上手」「死をどう生きたか」など300冊以上
2000年 新老人の会を発足し会長に就任
2014-04-10
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2月8日から始まった思い出深い記事再掲載の最終回です。
日野原重明先生は現在104歳になられましたが、今でも精力的に活動されておられます。
「考えただけではしないことと同じ」のお言葉を胸に、私もこれからの人生に向かって行きたいと思います。
思い出深い記事再掲載12回にお付き合い頂き、有難うございました。
2016-02-20