カンボジア経済

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流動性カバレッジ規制 運用開始

2016年09月07日 | 経済
 2015年12月23日、中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)は、流動性カバレッジ比率に関する政令を施行しました。流動性カバレッジ比率規制は、国際的な銀行の健全性を維持するための規制である「バーゼルⅢ」で導入されたもので、適格流動資産(現金、国債等の高品質流動資産)の、30日間のストレス期間に必要となる流動性に対する比率を一定以上に保つことを求める規制です。 NBCでは、カンボジアでもこの規制を導入することとし、バーゼルⅢよりは遅れるものの、2016年9月1日までに流動性カバレッジ比率を60%とし、2017年9月1日70%、2018年9月1日80%、2019年6月1日90%と順次引き上げ、2020年1月1日までに100%以上とすると定めています。対象となる金融機関は、預金を受け入れている銀行及び機関(マイクロファイナンス機関等)となります。
 9月1日、流動性カバレッジ比率を60%以上とする規制の適用が開始されました。ACLEDA銀行、カナディア銀行、ANZロイヤル銀行等の大手商業銀行は、この規制の適用前に流動性カバレッジ比率を60%以上まで問題なく引き上げたとしています。また、カンボジアマイクロファイナンス協会によれば、預金受入れを認可されているマイクロファイナンス機関も規制に対応したとしています。ただ、一部の小規模金融機関では、流動性の確保に苦労しているところもあるのでないかとの声もある模様です。
 民間向け信用供与が大きく伸びているカンボジアでは、銀行セクターの健全性を維持するための様々な規制を地道に導入・実施していくことが重要と見られます。



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