カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

ILO カンボジア縫製業報告書

2016年09月08日 | 経済
 9月1日、国際労働機関(ILO)は、カンボジア縫製業・製靴業報告第4号(2016年8月)を発行しました。この報告は、カンボジアの縫製業の現状を、豊富な統計と現地情報を基に分析したものです。
 今回の報告では、輸出価格についての詳細な分析がなされています。カンボジアからの縫製品の輸出価格は、米国、EU、日本いずれにおいても低下を続けています。特に対米輸出では、2006年から2015年までに24.7%も低下しています。輸出国別でみると、中国、タイ、インドネシア、ベトナム、バングラデシュ等と厳しい競争を繰り広げてきましたが、2016年第1四半期には、カンボジアがこれらの諸国の中で最も低い価格となっています。
 労働生産性についても分析されていますが、平均付加価値(金額/人・年)で見ると、カンボジア(2012年)は1848ドルとなっています。タイ(8178ドル)、フィリピン(4646ドル)、インドネシア(4149ドル)に適わないのは当然ですが、一般にカンボジアよりも労働生産性が高いと言われるベトナム(1741ドル)やインド(1783ドル)を上回っていることが明らかとなりました。
 2016年第1四半期(1月~3月)の縫製品・履物の輸出は、前年同期比14.5%増の18億ドル(約1870億円)となり、堅調であるとしています。輸出先は、EUが最大で45%、米国が24%、日本・カナダ等のその他が31%となっています。
 2016年上半期の縫製業・製靴業の新規投資承認は、37件、合計9億9500万ドル(約1030億円)となっています。工場数は、2015年末の699工場から2016年3月末には589工場へと110工場減少しています。ILOではその理由の一つとして、商業省の査察に基づき、「一時的休業」等としていた工場を「閉鎖」に見直したためとしています。労働者数は、対前年同期比5.3%増の62万8000人に達しています。

国際労働機関の報告(Cambodian Garment and Footwear Sector Bulletin)
http://www.ilo.org/asia/whatwedo/publications/WCMS_517535/lang--en/index.htm


↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へ
にほんブログ村

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする