カンボジア経済

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産業開発政策 2017年~2018年進捗状況報告書案まとまる

2020年08月25日 | 経済
 8月14日、フン・セン首相を議長とする閣僚評議会は、カンボジア産業開発政策(2015年~2025年)の2017年~2018年の実施進捗状況報告書案を承認しました。報告書案によりますと、産業開発政策の実施は着実に進捗しているものの、残された課題やリスクもあり、関係省庁、民間セクター、開発パートナー等の協力が欠かせないとしています。
 2015年8月26日に発表されたカンボジア産業開発政策は、経済多様化、競争力強化、生産性向上を通じてカンボジアの産業開発を促進することを目標としています。2025年のGDPにおける第二次産業の比率の30%以上への引上げ、縫製品に偏った輸出品目の多様化、地場中小企業支援を三本柱として、これまでの労働集約型産業から、熟練労働者による産業へと構造転換を図るとしています。
 報告書案によりますと、GDPに占める第二次産業の比率は、2015年の27.7%から2018年には32.6%まで上昇し、既に目標を達したとしています。また、輸出額に占める縫製品の比率も2015年の71.6%から2018年には69.2%に低下しており、輸出品目の多様化が進みつつあると分析しています。
 カンボジア産業開発政策は、日本も支援して、日本を含むアジア諸国の発展の歴史を研究したうえで策定されたものです。労働集約型産業の次のステップとして、「イノベーション産業」に期待をかけています。カンボジアは、周辺に、中国・タイ・ベトナムといった強力な競争相手がいるため、これらの国と重複する産業(白物家電や自動車、鉄鋼や石油化学)は、期待薄となります。そのため、開発の王道のこれらの産業を飛ばして、IT等のイノベーション産業に進む必要があるとしています。カンボジア政府が、この政策を地道に実施し、カンボジアの産業構造の転換が着実に進んでいくことが期待されます。
(写真は、拡充中の郵政電気通信ICT研究所)


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