カンボジア経済

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ERIA 包括的アジア開発計画3.0が完成 プノンペンでシンポジウム開催へ

2022年10月28日 | 経済
 9月16日、東アジア・ASEAN経済研究センター(The Economic Research Institute for ASEAN and East Asia: ERIA)は、「アジア総合開発計画(CADP)3.0」が完成したと発表しました。11月9日に、プノンペンでシンポジウムを開催し、主にカンボジア政府関係者にお披露目する予定です。シンポジウムには、パン・ソラサック商業大臣も参加される予定です。
 この総合開発計画策定には、ERIA関係者に加え、ASEAN各国から著名なエコノミスト等が参加しました。カンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストの鈴木博もカンボジア及びハード・インフラ担当メンバーして参加しました。
 ERIAでは、アジア総合開発計画1.0を2010年に策定し、ASEAN首脳会議に提出しました。2015年にアジア総合開発計画2.0を策定し、更に2020年に同3.0を策定する予定でした。3.0については、新型コロナの影響もあって2年遅れの発表となりました。それぞれの計画でリストアップされたインフラ事業は順次完成しています。アジア総合開発計画1.0では、国際的生産ネットワークに注目し、同2.0では各国間の連結性に重点を置きました。アジア総合開発計画3.0では、IT化が進む現状に鑑み、イノベーティブ産業にも配慮した計画となっています。今回の計画では、全体で779件(うちカンボジア40件)のプロジェクトがリストアップされています。なお、計画書は、英文で500ページを超える大冊です。
 アジア総合開発計画3.0では、国際生産ネットワークの競争力を維持しつつ、デジタル化を活用していくことが重要となると指摘しています。具体的には、統合(貿易振興、連結性の向上、ハード・インフラ整備、デジタル連結性等)、イノベーション(イノベーション・システム、スキル開発、バリューチェーン、スマートシティ等)、包括性(包括的成長、中小企業、保健、食料と農業等)、持続可能性(エネルギーインフラ開発、環境と持続可能性)の4点を重視するとしています。
 カンボジアは、これまで近隣国との連結性を強化することにより、国際的サプライチェーンを活用した外資導入が成功してきました。今後は、ITを活用したイノベーティブ産業に期待が集まるところです。そのための電力や通信等の基礎インフラ整備とともに、人材育成やスタートアップ支援が重要な施策となってくるものと見られます。

東アジア・ASEAN経済研究センターのサイト
https://www.eria.org/publications/the-comprehensive-asia-development-plan-cadp-30-towards-an-integrated-innovative-inclusive-and-sustainable-economy/


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