カンボジア経済

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カンボジア証券取引所 中小企業向け市場に初の上場

2021年09月10日 | 経済
 9月6日、カンボジア証券取引所(CSX)の中小企業向け市場「成長市場(Growth Board)」に初の上場となるDBDエンジニアリング社(DBD Engineering Plc.)が上場し、取引を開始しました。「成長市場」は、中小企業振興のために、カンボジア証券取引場が開設した市場で、メイン市場よりも緩和された条件で上場することが可能です。
 初日の取引では、1株当たりの公募価格(2380リエル:約64円)を2.9%上回る2450リエルの初値を付け、終値は2440リエルでした。2日目以降の取引でも、株価は小動きとなっています。なお、上場前に実施された公募では、公募対象の全株の販売が完了しており、IPOと上場はまずまずの成功だったと見られます。今回の主幹事は、SBIロイヤル証券でした。
 DBDエンジニアリング社は、カンボジアで20年以上の事業実績を有し、機械・電気・配管・建設等の工事の有力企業の一つとのことです。イオンモール、チップモンモール、カルメット病院等の建設工事に参加した実績があるとしています。2020年の売上は、1352万ドル(約14億7000万円)で、社員数は約700名とのことです。IPO株式数は500万株で、IPO価格は2380リエル(約0.6ドル)、調達額は384.5万ドル(約4億2000万円)となっています。配当利回りについては、当初3年間は5.5%を保証するとしています。
 カンボジア証券市場は、2020年以降は新型コロナの影響もあって沈滞した状況が続きましたが、市場参加者は昨年春のACLEDA銀行の上場もあって、増加しているものと見られます。新規上場により上場企業数が増加していくことは、市場の活性化にも効果があるものと期待されます。また、中小企業の上場の成功は、カンボジアの中小企業に対し直接金融へのアクセスという新たな道を示す効果もあり、カンボジア政府が目指す地場の中小企業の振興にも繋がるものと期待されます。
(写真は、カンボジア証券取引所)

カンボジア証券取引所の発表(英文です)
http://www.csx.com.kh/news/notice/viewPost.do?MNCD=8020&postId=515#.YTg0zxlxc2w

免責事項
カンボジア総合研究所の記事は、情報提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。弊研究所は、有価証券価格や為替レート等の上昇または下落について断定的判断を提供することはありません。弊研究所は、本記事の内容に依拠してお客さまが取った行動の結果に対し責任を負うものではありません。投資にあたっては、お客さまご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。


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