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カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

UNDP 人間開発報告書2024 カンボジアは148位

2024年04月04日 | 経済
 国連開発計画(UNDP)は、「人間開発報告書」を発行していますが、その2023/2024年版が3月13日に発表されました。今回は、「行き詰まりの打開 二極化する世界における協調とは」との副題がつけられました。
 この報告書の中では、各国の「人間開発指数(HDI)」が計算され、それに基づいて各国の順位が発表されています。指数は、3つの要素、長寿で健康な生活(出生時平均余命で測定)、知識へのアクセス(成年人口の平均就学年数と入学年齢児童の予測就学年数で測定)、一定の生活水準(2017 年の購買力平価(PPP)ベースのドル価による 1 人当たり国民総所得(GNI)で測定)を指数化したものです。数字が1に近いほど、人間開発の達成度が高いことになります。
 カンボジアの2022年のHDIは、0.600で、193カ国中148位(前回147位)でした。1位は、スイス(0.967)、日本は24位(0.920)でした。
 カンボジアは、東アジア・太平洋地域平均と全世界平均(各0.766、0.739)を大きく下回っているものの、1990年(0.379)からの伸び率は58.3%と、トップクラスでした。カンボジアの平均余命は69.9年、予測就学年数は11.6年、平均就学年数は5.2年、一人当たりGNIは4291ドルでした。
 なお、UNDPでは、「世界における開発の進展にはばらつきがあり、最貧層が取り残され不平等が拡大するととともに、世界的な規模で政治的な二極化が進んでいます。その結果として行き詰まりが生じており、コレクティブ・アクションで緊急に対策を取らなければなりません」と指摘しています。

人間開発報告書2023/2024新聞発表(和文)
https://www.undp.org/ja/japan/press-releases/breaking-the-gridlock-hdr


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世界結核デー2024 カンボジアも結核撲滅に向けて

2024年04月03日 | 経済
 3月24日は、世界結核デーでした。今年のテーマは、「イエス! 私たちは結核を撲滅できる(Yes! We can end TB)」でした。カンボジアのフン・マネット首相は、式典でカンボジアにおける結核撲滅に向けた多くの関係者の努力を称賛しました。
 カンボジアは、結核対策の成功国と言われています。結核による死亡者数は、2000年の42名/10万人から2023年には23名へと45%減少しました。また、新規患者数も2000年の579名/10万人から2022年には320名へと45%減少しました。
 この減少は、カンボジアが国を挙げてDOTS戦略を進めてきたことが要因とされています。現在、結核については、特効薬があり、6ヶ月間毎日薬を飲むことで完治します。そこで、なるべく早く結核患者を発見し、毎日薬を飲んでもらうことが必要となります。結核と判定された場合、6ヶ月間の薬は無料で提供されます。毎日きちんと薬を飲むことが大切なため、DOTS(病院や保健センターまで患者さんに来てもらい、先生や看護師さんの目の前で薬を飲んでもらう方法)が採用されています。フン・マネット首相は、結核を撲滅するまで、様々な関係者の努力と協力を求めたいと述べています。
 カンボジアの結核撲滅には日本も長く協力しています。カンボジア国立結核センターは、結核に関するレファラル病院の頂点に位置し、結核の予防、発見、治療に取り組んでいます。現在のセンター(CENAT)は、2001年に日本の援助で建設され、その後も日本から多くの専門の先生方が来られ、その活動を支援しました。
 世界全体では、結核で138万人以上が死亡している(2021年)とのことです。新型コロナだけでなく、結核等の疾病についても地道な努力を継続的に積み上げていくことが必要であり、カンボジア政府をはじめとした関係各方面の継続的な対策が期待されます。
(写真は、日本の支援で建設されたカンボジア国立結核センター)

ブログ「カンボジア経済」2008年3月16日「カンボジア国立結核センター」
https://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/e/5f62a4fc246c07f4c2b301803393fe68

日本WHO協会のサイト
https://japan-who.or.jp/news-releases/2403-9/


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リエルデー 「リエル」再導入44周年記念式典

2024年04月02日 | 経済
 3月20日、カンボジアの通貨「リエル」を再導入して44年となることを記念する式典「リエルデー」の様々なイベントが、カンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)の主催で開催されました。チア・スレイ総裁のよりますと、中央銀行デジタル通貨バコンの利用に関し、2023年のリエル建て利用額は、対前年比44%の大幅増加を記録したとのことです。
 原始共産制を標榜したポル・ポト政権は、通貨を廃止し、中央銀行も爆破して破壊してしまいました。ポル・ポト政権がプノンペンを追われた直後の1980年3月20日に、通貨「リエル」が再導入されました。しかし、その後の内戦等の混乱もあって、カンボジアではドル化が進み、金融取引の8割、預金の9割以上が外貨建て(主に米ドル)となっています。
 ドル化は、カンボジアへの海外投資誘致にはプラスの効果があります。一方、中央銀行による金融政策(政策金利や通貨供給量調節等)実施が困難であること、ドルと他通貨(円、ユーロ、中国人民元、タイバーツ等)の為替変動にさらされること等のドル化のマイナス面も目立ってきています。NBCでは、脱ドル化のプラス面として、地方部での金融アクセス改善、外貨準備の強化、通貨発行益の確保、偽札の排除等も訴えています。
 NBCでは、脱ドル化を緩やかに進める方針で、公務員給与のリエル建て化、株式市場の建値のリエル使用等、リエルの使用促進を段階的に進めています。また、中央銀行デジタル通貨バコンによるリエル使用促進効果にも大きく期待しています。
(写真は、チア・スレイ総裁。NBCのフェイスブックより)

NBCのフェイスブック(クメール語)
https://web.facebook.com/nationalbankofcambodiaofficial


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カンボジア LDC卒業が決定 5年間の準備期間後の2029年に

2024年04月01日 | 経済
 国連開発政策委員会(CDP)は3月4日から8日にかけて実施した後発開発途上国(LDC)リストの3年に1度の見直しで、カンボジアのLDCからの「卒業」を勧告しました。また、LDC卒業に向けた準備期間については、通常の3年から延長し、5年が必要としました。2024年を起点として5年の準備期間を経た2029年にカンボジアはLDC卒業となります。
 また、3月19日、日本貿易振興機構(JETRO)主催のカンボジアLDC卒業セミナーがオンラインで開催されました。まず、名古屋大学のンガウ・ペンホイ氏より、卒業までのスケジュールと概要が説明されました。また、JETROプノンペン事務所の藤田奈緒氏よりカンボジアLDC卒業が日系企業に与えうる影響について、JETRO貿易投資相談課の石川雅啓氏よりカンボジアから日本輸出におけるEPA利用の流れについて説明がありました。
 現在、カンボジアを含む46カ国が後発開発途上国に分類されています。後発開発途上国と認定される基準は、一人あたり国民総所得(GNI)(3年間平均):1018米ドル以下、HAI(Human Assets Index:人的資源開発の程度を表すための指標で、栄養不足人口の割合、5歳以下乳幼児死亡率、妊産婦死亡率、中等教育就学率、成人識字率を指標化したもの):60以下、EVI(Economic Vulnerability Index:外的ショックからの経済的脆弱性を表すための指標。人口規模、地理的要素、経済構造、環境、貿易のショック、自然災害のショックから構成):36以上、の3つとなっています。
 また、後発開発途上国を卒業する基準(2024年)は、一人あたりGNI(3年間平均):1306米ドル以上、HAI:66以上、EVI:32以下となっています。カンボジアは、現在の暫定値で、GNI:1546ドル、HAI:77.7、EVI:23.3と、卒業基準を満たすレベルに改善していました。
 後発開発途上国に対しては、欧米や日本から特別特恵関税等の優遇措置が与えられています。カンボジアもこの点を活用して、縫製品や靴を先進国に無関税で輸出し、輸出を増大させてきました。
 カンボジアが後発開発途上国から卒業した場合には、こうした特恵関税の資格を失う等のネガティブな影響も大きいものと見られるため、政府として影響緩和策を検討し、着実に実施していく必要があります。具体的には、自由貿易協定の拡充や投資環境の整備等、十分な準備を行う必要があるものと見られます。また、民間企業にも二国間自由貿易協定やRCEP等に関する理解と活用が期待されます。このため、移行期間について、カンボジア政府は、通常の3年間より長い5年間への延長を求めていました。
 なお、世界銀行が定める一人当たり国民総所得(GNI)による分類(2022年)では、カンボジアは、既に低所得国(貧困国)を卒業し、低位中所得国(一人当たりGNI:1046~4095ドル)となっています。カンボジア政府としては、2030年までに高位中所得国(一人当たりGNI:4096~1万2695ドル)への移行を目標としています。
(写真は、発展が続くプノンペン中心部)

JETROのサイト
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/03/606de1ec27928704.html



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2024年04月01日 | 一般
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