カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

プノンペン経済特区 隣接地に新たな特区建設

2024年04月17日 | 経済
 3月30日、ロイヤルグループ・プノンペン経済特区社(RGPPSEZ)は、2024年の開発の概況と今後の計画について発表しました。2006年に設立されたプノンペン経済特区は、現在、製造85社と非製造業29社が入居し、4万3000人以上の労働者を雇用する工業団地となっています。
 2024年中に、トヨタ車の組立工場であるToyota Tsusho Manufacturing (Cambodia) Co., Ltd.が操業を開始する予定としています。また、フランスのファッションジュエリー生産会社であるMetal Jewelry (Cambodia) Co., Ltd.も操業を開始する予定です。
 また、プノンペン周辺での工業団地需要の増大に対応して、新たな経済特区プロジェクトを立ち上げたと発表しました。現在のプノンペン経済特区に隣接する場所に、120ヘクタールのロイヤルグループ・カンダール経済特区(RGKSEZ)を新設する準備を進めているとしています。プレクトノット川を越えて二つの経済特区を結ぶ橋梁は、現在すでに完成しています。新しい経済特区については、すでに土壌の埋め戻し作業を開始しています。基礎インフラも工事を進めており、今年中には、投資を受け入れる準備が整うとしています。
 経済特区の拡張プロジェクト以外にも、環境保護に関連するさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。屋上ソーラーパネルの増加、廃水処理プラントのアップグレード、リサイクルプラスチック廃棄物からの製品の販売、ゼロエミッション経済特区への移行等に取り組むとしています。
 プノンペン経済特区は、多くの日系企業を誘致するのに重要な役割を果たしてきました。新たな経済特区の開発等により、今後も外資誘致に大きな役割を果たすことが期待されます。
(写真は、二つの経済特区をつなぐ橋梁。RGPPSEZの発表より)

RGPPSEZの発表(英文です)
https://www.ppsez.com/en/news/2024-development-status-and-plan-of-rgppsez


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2024年の課税最低限 375ドルで変わらず

2024年04月16日 | 経済
 2024年3月11日、課税最低限に関する政令が発布されました。課税最低限は、最低賃金の上昇に合わせて1~2年毎に見直されてきましたが、2024年は、前年と同額の150万リエル(約375ドル:約5万2900円)となりました。
 2024年1月1日からの最低賃金については、労働諮問委員会での討議を経て、今年の194ドル/月から2.0%増の204ドル/月で決着しています。課税最低限は、2015年1月1日にそれまでの50万リエル(約125ドル:約1万5000円)から80万リエル(約200ドル:約2万4000円)に引き上げられ、さらに2017年1月1日から100万リエル(約250ドル:約2万8800円)、2018年1月1日から120万リエル(約300ドル:約3万3600円)、2020年1月1日から130万リエル(約325ドル:約3万5400円)、2023年1月1日から150万リエル(約375ドル:約4万9500円)に引き上げられていました。
 なお、給与税の所得区分も前年から変更はありませんでした。給与税の税率は、月額150万リエル(約375ドル)以下はゼロ、150万1リエル~200万リエル(約500ドル)5%、200万1リエル~850万リエル(約2215ドル)10%、850万1リエル~1250万リエル(約3125ドル)15%、1250万1リエル以上20%となっています。
 カンボジア政府は、農民や貧困労働者層からは税金を徴収しないとの強い方針を保持しており、今回の課税最低限設定も妥当なものと見られます。

経済財政省税務総局のフィエスブック(クメール語です)
https://web.facebook.com/cambodiataxation


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通関電子化 ライセンス発給省庁などを5月に追加接続

2024年04月15日 | 経済
 日本貿易振興機構(JETRO)によりますと、3月7日、カンボジア政府は、輸出入の際に必要なライセンス取得の手続きなどをオンライン窓口で一本化するカンボジア・ナショナル・シングル・ウィンドウ(CNSW)に8省庁・局などを追加で接続し、5月2日から新たに運用を開始すると発表しました。これまで接続されていた組織と合わせると、全体で13省庁・局などがCNSWにつながることになります。
 これまでカンボジアでは、他国と比較して物流コストが高いことが投資環境の阻害要因の一つとなっています。JETROの「2023年度海外進出日系企業実態調査」によりますと、カンボジア進出日系製造業の現地調達率は10.5%にとどまり、原材料・部品の約9割を輸入に頼っているため、製造コストを抑えるためには、物流コストの低減が課題となっていると指摘しました
 また、2024年1月1日には電子通関システム(ASYCUDA)上での輸出入通関書類の申請が可能になっています。。特に、輸入申告から荷物受け入れまでの手続きが、電子システムと書類の併用から、電子システムへの入力とオンライン支払いのみで完結できるようになり、利便性が大きく向上しました。日系物流関係者は「電子通関システムの運用は他国の運用と遜色ないレベルまで改善している」とこの動きを歓迎しています。ASYCUDAとCNSWは2016年から相互接続されていましたが、2024年5月以降は、許認可が必要な品目を輸入または輸出する際、許認可は短期間で完了することが期待されます。
 フン・マネット首相は、2028年までに通関手続きの電子化を完了させると宣言しており、長年、日本を含む各国商工会議所からの要望が多かった通関手続きの簡素化と電子化が前進することが期待されます。
(写真は、タイとの国境ストゥンボットに建設中の入国管理・税関等の施設)

日本貿易振興機構(JETRO)のサイト
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/03/98818a46bc9f3471.html?_previewDate_=null&revision=0&viewForce=1&_tmpCssPreview_=0%2Fevents%2F%2Fbiznews%2F%2Fbiznews%2F%2F%2F%2F


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2024年04月15日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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ちょっと人気の中華料理 Duck Kingdom

2024年04月14日 | 生活環境
 カナディアタワーの東側にあるレインツリービルの1階にできた中華料理「Duck Kingdom」です。ビルの北側にあり、ロシア大通りから見るとビルの裏側になるのでちょっとわかりにくい場所かもしれません。外観、インテリアともちょっとリッチな感じです。ランチタイムに行ったのですが、満員の盛況でした。メニューは、北京ダック等もあって、ちょっと豪華な感じです。広東風中華ということになるようです。野菜(カイラン)のガーリック炒めとダック・ヌードルを頼んでみました。カイランは、一口食べて、これはうまいと感じさせてくれました。ヌードルのスープ(上湯)もお上品です。また、ピータンのおかゆも美味しくてリピートしています。お客さんは周辺のオフィスにお勤めの方が多いようでした。お値段は、プノンペンとしてはちょっとお高めです。お勧めです。お試しください。

Duck Kingdom
https://www.facebook.com/duckkingdomcambodia/

お上品な上湯のダック・ヌードル


カイランのガーリック炒め。温泉卵が乗っています。


最近お気に入りのピータンのおかゆ



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自家製麺のローカルヌードル ミーコーク・オルッセイ

2024年04月13日 | 生活環境
 プノンペン北部、カナディアタワー近く108通り沿いの自家製麺のローカルヌードル屋さん「ミーコーク・オルッセイ」です。中2階もある大型のお店です。メニューは、自家製麺のヌードルが各種そろっています。今回は「特製麺(1万3000リエル:約480円)をお願いしました。麺とスープが分かれて出てくるタイプでした。麺が伸びないようにする工夫かとも思います。麺は、中細麺で、良い弾力が感じられます。スープはあっさり上品な感じです。特製なので、トッピングは、ミートボール、ワンタン、海老、お肉、つみれ等々、豪華です。お客さんは、近くのビルにお勤めの方が多いようでした。この辺りは銀行街なので、お値段はちょっと高めです。お近くにお越しの節はお試しください。

ミーコーク・オルッセイ
https://web.facebook.com/profile.php?id=100085467575620

麺とスープが分かれて供されます。トッピングはスープの中にどっさりです。


お店の中で自家製麺してます。


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日本経済研究センター カンボジアはQR決済の先進地

2024年04月12日 | 経済
 3月29日、日本経済研究センターは、「カンボジア、QR決済の先進地」と題するレポートを公表しました。著者は、富山篤アジア予測室長兼主任研究員です。
 レポートでは、カンボジアでQRコード決済が急速に広がっている現状を分析しています。けん引役の一つはABA銀行であるとしています。スマホのアプリで銀行口座と連動し、ガソリンスタンド、屋台、トゥクトゥクまで至る所で電子決済が可能になっているとしています。2021年の取引件数は前年比2.1倍の2億5000万件に上ります。
 QRコード決済の広がりと比例して2020年に導入した中央銀行デジタル通貨(CBDC)の「バコン」利用が増えているとしています。カンボジアでは、銀行口座の保有率が約2割と低いなか、手軽なQRコード決済の普及の追い風を受ける形で、バコンの利用が国民の6割にまで広がったと分析しています。中央銀行主導で共通QRコード「KHQR」が導入され、利便性が大きく向上したことも、電子支払拡大の大きな要因であるとしています。また、バコンとQRコード支払が、カンボジアの自国通貨リエルの利用促進にも一役買っていると指摘しました。
 更に、カンボジアは、近隣諸国との越境QRコード決済を推進しています。既に、ベトナム、タイ、ラオス等と国境を越えたQR決済を始めています。2025年度には、日本と東南アジア各国との間でもQRコードを相互利用する方向で検討が進められており、ボーダーレスのQR決済はさらに広がる見通しであると結論付けています。
 様々なしがらみや規制で、新たな技術の導入が進まない日本と違って、カンボジア政府は、ITやフィンテック等の分野で新技術を積極的に導入しています。すでに、モバイルバンキングや電子支払、配車サービスやデリバリー等では、カンボジアは日本を凌駕していると言ってもよい状況となっています。開発途上国が、新たな技術を一気に導入して先進国に追いつき追い越していく「リープフロッグ(蛙飛び)」の好例と言えます。レポートでは「カンボジアをはじめとする東南アジアにおけるQRコード決済の先行事例は先進国にとっても重要な参考事例となる」としています。
(写真は、プノンペンのセントラルマーケット。市場でもQRコード支払が一般的になっています。)

日本経済研究センターの発表
https://www.jcer.or.jp/research-report/20240329.html


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世界銀行 カンボジアの電動モビリティ化促進に向けて

2024年04月11日 | 経済
 3月28日、世界銀行は、「電動モビリティ化に向けた国家ロードマップへの提言」を発表しました。現在策定中の電気自動車(EV)等の電動モビリティを促進するための国家政策枠組みに提言しています。具体的には、中古が大半を占めるガソリン車とディーゼル車が主流の現状からの移行の方向性を示したいとしています。電気自動車の需要と供給の両方を増やす方法と、電気自動車充電に必要な電力の需要増加にどのように備えるかについて提言しています。
 2021年12月、カンボジアは、2050年までにカーボンニュートラルな経済を実現するという目標を掲げました。運輸部門の脱炭素化に向けた政府の戦略には、2050年までに二輪車の70%、乗用車と都市バスの40%を電動化する目標が含まれています。また、2050年までに都市の旅客輸送需要の30%を公共交通機関で賄うことも目標としています。カンボジアの経済成長に伴い、自動車の総流通台数は現在の600万台から2030年には800万台、2050年には1400万台を超えると予測されています。他方、現在、カンボジアで走行している電気自動車は1000台未満です。
 カンボジアで新たに流通する自動車を、ガソリン車やディーゼル車ではなく電気自動車にするためには、自動車の輸入・使用規制を漸進的なアプローチで改革する必要があるとしています。また、ガソリン車やディーゼル車が一定の年数を経過した場合に強制的に廃車処分とすることも、新車の需要を高め、電気自動車の市場参入を前倒しする効果が期待されるとしています。短期的には、カンボジアの電動モビリティへ化は、二輪車やトゥクトゥクが先行すると予想しています。
 電気自動車への移行は、これまで声高に言われてきましたが、電池の問題や電力供給の問題等もあって、ハイブリッド車等を活用しつつ、漸進的に進めていくことが必要というのが現在の多数意見となっているものと見られます。電力需要が急速に伸び、電気料金も簡単には下がらない状況にあるカンボジアにおいて、電動モビリティ化を急激に進めることは様々な困難を伴うものと見られます。当面は、エネルギー効率も高いハイブリッド車等を活用しつつバランスの取れた漸進的なアプローチが期待されます。

世界銀行の発表(英文です)
https://www.worldbank.org/en/news/press-release/2024/03/28/setting-up-cambodia-for-successful-transition-to-electric-mobility


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プノンペン上水道公社 年次報告書2023

2024年04月10日 | 経済
 3月27日、プノンペン上水道公社は、年次報告書2023を発表しました。内容は、プノンペン上水道公社の概要、2023年度の業績、コーポレート・ガバナンス、証券取引情報、財務諸表等となっています。
 活動実績については、プノンペン上水道公社は、プノンペンの拡大と人口増加に対応して給水量や給水面積を伸ばしています。上水供給量は、2億7905万立方メートルとなりました。これは計画の102%に当たり、供給能力ぎりぎりで需要に対応していることがわかります。こうした状況の中で、新たな浄水場として、バケン浄水場の第1期が2023年6月に完成しています。処理能力は19万5000立方メートル/日、総工費は2億4700万ドル(約350億円)です。また、2024年3月には、バケン浄水場第2期が試験運転を開始しました。同じく19万5000立方メートル/日の処理能力で、総工費は1億3440万ドル(約190億円)です。
 プノンペン上水道公社(PPWSA)の既存施設の現在の処理能力は、プンプレック浄水場(15万立方メートル/日)、チュロイチョンワ浄水場(13万立方メートル/日)、チャムカーモン浄水場(5万2000立方メートル/日)、ニロート浄水場(26万立方メートル/日)、バケン浄水場(第1期:19万5000立方メートル/日)等で、合計約83万5000立方メートルです。まもなく完工するバケン浄水場(第2期)を加えると処理能力は約103万立方メートルに拡大します。更に、バケン浄水場第3期も計画が進められています。
 水道管の敷設も拡大しており、2023年は462キロメートルを完成させて、総延長は4722キロメートルに達しています。
 財務面では、純利益は、2018年765億リエル、2019年333億リエル、2020年884億リエルから、2021年1293億リエル、2022年1082億リエル、2023年1293億リエル(約48億8000万円)となっています。一株当たり利益は2018年846.32リエル、2019年382.78リエル、2020年1015.85リエルから、2021年1486.37リエル、2022年1243.90リエル、2023年1486.37リエルとなりました。2023年の無収水率は、8.75%(前年8.5%)となっています。
 プノンペンの上水道については、北九州市水道局が長年協力してきており、「プノンペンの奇跡」と呼ばれるほどの成功を収めてきました。上水需要は今後も拡大が続くものと見られ、プノンペン上水道公社が供給量の拡大に向けて継続的に努力していくことが期待されます。
(写真は、バケン浄水場の完成予想図)

カンボジア証券取引所のサイト(英文です)
http://www.csx.com.kh/company/announce/viewPost.do?MNCD=5040&postId=1894


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カンボジア政府 2024年の国債発行1億ドルを目指す

2024年04月09日 | 経済
 カンボジア政府は、2024年度中の国債発行計画額を4400億リエル(約1億800万ドル:約163億円)としています。ドナー諸国からの借入を含めて2024年度の新規借入枠は、約20億ドルであり、国内で発行する国債が占めるシェアは5%程度に留まる見込みです。
 カンボジアでは2022年から国債の発行を開始しています。2023年は当初予算では2億ドルを発行する計画でしたが、入札不調が続き、実際の調達額は5826万ドルと計画の29.1%に留まりました。2022年度も、1兆2195億リエル(3億ドル相当)を発行する計画でしたが、実際には2000万ドル程度の調達に留まった模様です。
 国債の発行事務を行うカンボジアの中央銀行であるカンボジア国立銀行では、入札不調を受けて、国債の表面利率を引き上げています。3年債で見ると、2022年度の2.0%から順次引き上げて、2023年3月には4.2%としています。しかし、当時の米国の国債(ドル建て)の3年債の金利が4.0%前後、ABA銀行のリエル建て3年物定期預金の金利が8.0%であったことを勘案すると、リエル建て3年債の表面利率を4.2%としたのはまだまだ強気であったものと見られます。その後も米国連邦準備委員会(FRB)が金利を更に引き上げつつある状況にあったこともあり、入札不調が続きました。
 FRBの金利引き上げは最終局面にあり、今年後半以降は、引き下げに転じるものと見られます。そうした状況下で、カンボジアの国債の魅力を高めつつ、国内での資金調達を拡充していくことは、カンボジア政府にとっても将来的に対外債務の伸びを抑えるといった効果もあるものと見られます。今後ともカンボジア国立銀行等の地道な努力が期待されます。
(写真は、国債が上場されているカンボジア証券取引所)


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JETRO カンボジア 経理や技術者など専門職種に不足感

2024年04月08日 | 経済
 3月21日、日本貿易振興機構(JETRO)は、カンボジアに進出する日系企業が直面する人材確保の状況やビジネス環境についての報告書を公表しました。著者は、ジェトロ・プノンペン事務所の大西俊也経済連携促進アドバイザーです。
 報告書では、カンボジアで「人材不足の課題に直面している」と回答した日系企業の割合は40.2%で、他国・地域と比較すると、その比率は高くはないとしています。また、2022年比の雇用状況について、17.9%の企業が「改善」と回答したのに対して「悪化」は9.4%にとどまっており、他国・地域と比べても雇用状況が改善していることがうかがえるとしています。
 職種別に人材不足の深刻度合い(「とても深刻」「やや深刻」と回答した企業の合計割合)をみると、カンボジアでは一般事務職(48.8%)や工場作業員(50.0%)では5割程度でした。他方、特定の技能・スキル、職務経験などが必要とされる職種(高度人材)での人材不足の深刻度は大きく高まります。特に法務、経理、エンジニアなどの専門職種の深刻度は85.0%にのぼり、ASEAN諸国ではカンボジアが最も高かったとのことです。プログラマーなどのIT人材(71.4%)、一般管理職(67.4%)、上級管理職(62.1%)でも6割以上に上っています。
 給与に関しては、2023年の在カンボジア日系企業の月額基本給の上昇率(前年比)は5.1%でした。日系企業の賃金上昇に対する警戒心は強く、同国の投資環境上のリスクとして、人件費の上昇が毎年、上位に挙がるものの、法定最低賃金の上昇率の推移をみると、ここ数年は、物価上昇率を下回る状況が続いており、わずかな伸びにとどまっていると指摘しています。
 結論として、「中長期的に人件費が上昇することを踏まえると、人件費だけでなく、南部経済回廊の物流拠点となり得る地の利、社会・政治の安定性、投資誘致策・優遇措置など、総合的な投資環境の優位性を生かした、より高度なオペレーションが求められてくるとみられる。中長期的な視点で、カンボジア拠点の機能を高度化、多角化させるなど、人件費を重視した従来の考え方を見直す過渡期を迎えているといえるだろう。」と分析しています。

JETROのサイト
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2024/0303/706255e0eaa478fd.html


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2024年04月08日 | 一般
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コーヒーが美味しい人気のカフェ Selapak Coffee and Eatery

2024年04月07日 | 生活環境
 プノンペン南部、ロシアンマーケットの南にある大人気のカフェ「Selapak Coffee and Eatery」です。美味しいコーヒーが有名です。Selapakはアートという意味らしく、店内は緑とアートがいろいろと並んでいます。大きなガラスと吹き抜けで明るい雰囲気ですが、2階は秘密基地的な雰囲気もあります。コーヒー豆は、オリジナルブレンド、ブラジル、デカフェの3種類で、様々なタイプのコーヒーが楽しめます。今回は、ブラジルのダブルエスプレッソ、オリジナルのアイスラテ等をお願いしました。また、フード類も充実していて、今回は評判のスパゲッティカルボナーラをお願いしました。お値段はプノンペンのカフェとしては中堅です。お客さんは西洋系の方が多いようでした。ランチの後の時間帯でしたが、ほとんど満員の盛況でした。お勧めです。お試しください。

Selapak Coffee and Eatery
https://web.facebook.com/profile.php?id=100087438421661

美味しかったダブルエスプレッソとアイスラテ


評判のカルボナーラ。プレゼンも素敵です。



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メコン河の絶景カフェ Brown Coffee Koh Norea

2024年04月06日 | 生活環境
 プノンペン南東部、新しい埋め立て地のコーノレアのリバーサイドに完成した「Brown Coffee Koh Norea」です。川岸に立つ2階建てなので、前面のメコン河の絶景が楽しめます。建物はほとんどガラス張りなので、クーラーが聞いた室内から景色が楽しめます。朝日や夕日の名所でもあるようです。Brown Coffeeは、カンボジアでも勝ち組のカフェチェーンです。美味しいコーヒー、パンやスイーツ、素敵な内装で落ち着いた雰囲気を売り物にしています。Brown Coffee Koh Noreaのメニューは、他のブラウンと変わりありません。今回はランチ時だったので、チキンサルササラダ(4.5ドル)、イングリッシュマフィン(3.95ドル)、アイスカフェラテ(3.65ドル)をお願いしました。合計12.1ドル(約1800円)とリッチな金額になってしまいました。お客さんは、地元の若い方が多かったようです。コーノレアは、まだ建設途上で、原っぱが広がっていますが、このブラウンからの景色はなかなかです。お勧めです。ぜひお試しください。

Brown Coffee Koh Norea
https://www.browncoffee.com.kh/page/Location

メコン川の絶景を店内から楽しめます。


ちょっとリッチなランチ



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公共投資計画2025~2027 3年間の投資予算117億ドル

2024年04月05日 | 経済
 3月15日、閣僚評議会は2025年~2027年の3年間の公共投資計画(Public Investment Program: PIP)を承認しました。公共投資計画は、3年間のローリングプランとなっており、毎年改定されています。2025年から2027年までの今回の計画では、617件の事業に対し、総額116億9000万ドル(1兆7650億円)が必要としています。今回の計画の金額は、対前年計画比26.8%増と久しぶりの大幅増加となっています。
コロナ前の2019年の公共投資計画(2020年~2022年)では、608件、144億8000万ドル、2020年の計画(2021年~2023年)は629件、総額127億9600万ドル(対前年計画比11.6%減)、2021年の計画(2022年~2024年)の計画は673件、92億100万ドル(同28.1%減)、2022年の計画(2023年~2025年)は663件、92億2100万ドル(同0.2%増)でした。
 今回の計画の内訳は、既往事業が173件、46億7000万ドル(同8.5%減)、新規事業が444件70億1000万ドル(29.6%増)となっており、新規事業を積み増しています。
 世界的インフレと中国や欧米の経済の落ち込みが懸念されていますが、カンボジア経済は新型コロナの影響から立ち直りを見せています。今回の計画では、カンボジア経済の好調を背景に新規事業を積み増したものと見られます。カンボジアには、日本のように国債を大幅に増発して財政赤字を大幅に悪化させてでも経済を刺激するだけの余力や信用力はないこともあり、当面はドナー諸国からの支援を獲得して財政・対外債務の健全性を維持しつつ、経済成長政策と貧困対策に取り組んでいかざるを得ないものと見られます。
(写真は、日本の円借款の支援で整備された国道5号線)



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