英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2015春ドラマ雑感

2015-05-05 17:22:33 | ドラマ・映画
『ヤメゴク ~ヤクザやめて頂きます~』(脚本:櫻井武晴)
 意外と面白い。
 暴力団周辺の厳しい事情が描かれ、主人公・永光麦秋(大島優子)の厳格なまでの徹底ぶりも興味深い。
 ただ、脚本のせいなのか、演じる大島さんに因があるのか分からないが、主人公に魅力がやや乏しい。
 極端なキャラなので演じやすいが、魅力も出しにくいのかもしれない。
 麦秋が警察上層部に影響力を持っていて、面倒なことはそれで解決してしまうこともマイナス要因。

 第3話は面白さがパワーダウン。麦秋の行動に賛同しかねるし、足抜け対象者とその彼女の心情や行動も理解し難かった。


『天使と悪魔 -未解決事件匿名交渉課-』(脚本:高橋悠也、香坂隆史、徳永富彦、瀧本智行)
「第1話、第2話」の記事で述べたが
「未解決事件の捜査」→過去の捜査が杜撰過ぎ→モヤモヤ感
「司法取引」→悪事を見逃す+捜査の手抜き→モヤモヤ感
の図式が欠点。


 しかし、第4話は「司法取引」が成立せず、しかも、これまで進行役に過ぎなかった蒔田ヒカリ(剛力彩芽)が活躍し、面白かった
 今後に期待しよう。


『アイムホーム』(脚本:林宏司、原作:石坂啓)
 第2話より視聴。
 話の前半部分で主人公の“嫌な奴ぶり”が発覚し、後半で“いい奴さ”を発揮する。
 主人公の人格や主人公の裏に存在する大きな秘密が明かされていくミステリーさは面白い。


 また、人を呼び出しておいて、言いたいことだけ言って、人の話は聞かず走り去ってしまう前妻の娘
 いきなり呼び出しておいて、「娘にはもう会わないで」と頼み、倒れてしまう前妻。
 それによって、棒登りの練習を放置してしまう主人公。
 まあ、以前の前妻に対する主人公の態度は酷過ぎる。

 それと、テレビ出演のドタキャンはあり得ない。


『美女と男子』(脚本:田渕久美子)
 ヒロイン・沢渡一子(仲間由紀恵)はIT企業「斑目コーポレーション」の企画部門に勤めるバリバリのキャリアウーマン、のはずだったが、ある日突然、社長の斑目晴彦(草刈正雄)が資本提携した芸能プロダクション「ひのでプロ」への出向を命じられる。
「仕事はできるが、人の気持ちがわからない、上から目線の女」である一子へのショック療法だった。出向に強く抵抗した一子だったが、傾きかけた「ひのでプロ」を立て直すことができたら本社の中枢部門に復帰させるという条件で、思っても見なかった芸能マネージャーとしての第一歩を踏み出す。
(番組サイトより)

 ドラマ冒頭、「仕事はできるが、人の気持ちがわからない、上から目線の女」ぶりが全開だったが、某番組のヒロインよりはるかに不快感が小さかった。
 一子がスカウトした工事現場で働くイケメンの向坂遼(町田啓太)は、一子に半強制的に芸能界に足を踏み入れさせられただけで、やる気が全くなし。
 この二人が、役者(演劇、芸能界)の面白さに目覚め、対立しながら、お互いを必要とし、成長していく。

 第1話で「決意」、第2話で「ドラマは多くの人で作られる」、第3話で「演技するというのはどういうものか?」が主題であったと思われ、1話毎にステップを踏んでいく。
 全20話なので、どこかで踏み外したり、転落するのかもしれないなあ。

 今クールの中で、一番面白い。

ちなみに、ここまでの視聴率は
『戦う!書店ガール』………………………………6.2%、6.4%、4.6%   平均5.7%
『ヤメゴク ~ヤクザやめて頂きます~』…………9.1%、6.7%、6.0%   平均7.3%
『天使と悪魔 -未解決事件匿名交渉課-』……6.4%、5.5%、6.3%   平均6.1%
『アイムホーム』……………………………………16.7%、14.0%、13.5% 平均14.7%
『美女と男子』………………………………………6.8%、6.4%、5.1%   平均6.1%

 『アイムホーム』を除いて、散々な数字である。
 面白さも多種多様で視聴率は取れない時代になったが、生活形態も変化したし、録画して視聴する人も増えているはずで、視聴率は面白さの尺度ではないかもしれない。
 いや、もともと、実態とはずれていた尺度であったが、尺度としての意味はなくなっていると言ったほうが良いだろう。
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戦う!書店ガール 第1話~第3話

2015-05-05 15:22:15 | ドラマ・映画
 第1話~第3話まで視聴。
 第1話は、ヒロインの二人、亜紀(渡辺麻友)と理子(稲森いずみ)のキャラクターや仕事観や本への思いを描いていたが、亜紀の自己中心さが目立ち、不快感が大きかった。ストーリーもご都合主義に感じた。(詳しくは5月4日記事
 第2話は、失恋した理子の“壊れっぷり”が面白かったが、それだけ。
 第3話は、やはり、亜紀の不快さが際立った。
 第2話の終盤と重複するが、三田(千葉雄大)にフラれた時は「私、フラれたんですか?」思いが叶わなかった悲しみよりも、フラれたという事実がショックだったようだ。
 さらに、三田が好きな女性はどんな人なのか?と“私が勇気出して聞いたのだから、教えろ”と根掘り葉掘り訊き、理子へ思いを告げない三田に「告白すべきだ」とか「告白しないのは、思いがたいしたことないからだ」とか言いたい放題。
 ≪余計なお世話だ≫と言いたい。23歳やそこらの娘に恋愛について言い切ってほしくない。
 亜紀が柴田の彼女だと勘違いして、“管を巻いた”ことを、理子が謝っているのに対し、憤慨する亜紀。改めて謝罪する理子に「いい迷惑です」とキレ気味。三田の件もあり、心穏やかでないのは理解できるが、あまりにも幼稚。

 「引っ込み思案だった自分が、読書を通じて、自分の悩みなんて大したことはないと悟り、積極的になることができた」というようなことを語るが、物事に積極的になることと、他人を思いやらずに自分勝手に行動することを混同しているとしか思えない
 その上、家が裕福で、部屋は豪華。単なる我儘なお嬢様としか思えず、彼女に共感するのは難しい。

 そんな、欲望ギラギラ、嫉妬メラメラの亜紀とは対照的に、田代(田辺誠一)と理子のやり取りは健全過ぎ。理子は女子中学生のようだ。
 仕事に真摯で、恋愛に奥手で、2話での“壊れっぷり”と相まって、非常に楽しい。
 亜紀の不快ぶりは、理子を際立たせるためのモノではないのかと思いたくなる。

 第1話、第2話と視聴率は6%台と低調だったが、第3話では4%台とさらに沈んだ。
 原因は、やはり亜紀の魅力のなさのように思える。


 本筋とは離れるが、少し気になったことがある。
 亜紀が理子を理解するエピソードとして、亜紀に注意されたことを根に持った女子高生3人グループが、万引きした振りをして亜紀をハメ、土下座を求めたシーン。
 公衆の場で「土下座コール」は酷いが、亜紀も理子も『泥棒扱いをしたことは土下座に値しない』という考え方。
 『泥棒扱い>土下座』なのか『泥棒扱い<土下座』なのか、私には判断がつかないが、どうなのだろう?
 ドラマでは、理子の毅然とした態度で決着させたが、安直な決着のさせ方のように思えた。


【脚本】渡辺千穂 
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