英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

土曜ワイド劇場「警視庁捜査一課長~ヒラから成り上がった最強の刑事!」第4作

2015-05-24 23:02:14 | ドラマ・映画

前作までは(と言っても、おそらく、前作からしか観ていないような気がする)
「ご都合主義」の傾向があったが、
登場人物の魅力ストーリーの奥行などが、それを補っていた。
しかし、今回は、すべてにおいて、相当ひどかった


Ⅰ 異常にかわいそ過ぎるヒロイン(目撃証言者)
 水嶋沙織は強盗事件の犯人を目撃してしまい、大岩に説得されて証言をしたが、そのことで、同伴していた官僚の色恋沙汰が世間に公になり、芋づる的にカラ出張や飲食代などの不正支出が発覚し、免職、自殺してしまった。
 口の軽いホステスを雇っていたことで、そのクラブの経営も傾き閉店。その責任を問われ、クラブのママに1500万円を要求され、サラ金から借金をすることになってしまった。
 さらに、離婚し、娘の親権は元夫が保持、娘とも離れ離れに。(強盗時の1か月前に離婚、親権で揉めていた)
 その強盗犯を目撃して証言しただけなのに、この転落ぶり。

 大岩も無責任すぎる。証言するよう説得したのに、官僚やホステスの顛末は知らないとは! 
 そもそも、強盗犯の片割れが夫であり、それを庇ったのだから、沙織は親権を主張すればよかったのに。元夫は、再婚までして幸せそうだし


 ラストも悲惨。娘が実の母への義理立て「レーズンが好き」を告白し、「レーズン抜きのカレーを食べよう」という現母娘の会話………≪娘の、実の母との決別≫を突きつけられるとは。


Ⅱ 偶然が重なり過ぎ
 (ある程度、偶然が重ならないとドラマにはならないが)
・夫の強盗逃走と偶然、鉢合わせる。
・自殺した官僚の妻・美樹(大河内奈々子)が、盗品を売りさばいた闇ブローカーと再婚
・都内全域対象に青いカーデガンを根性で探し、燃やされる直前に見つけ出す
 “見つけの山さん”で解決……しかも、“見つけの山さん”はでまかせ
 誘拐された高科を探し出せないのに……


Ⅲ 不可解なヒロインの行動
 まず、このドラマの最大の疑問だが、彼女、死体遺棄したよね。証拠隠滅だよね。なぜ、お咎めなし?
 それに、ドラマの最初の方で、元夫が誘拐された時も、冷酷に知らぬ顔で歩き去っていたが、強盗の片割れが元夫を探しているのを知って、元夫に知らせており、完全に決別していなかったと思われる。
 だったら、あのシーン、少しは慌てるモノなのではないだろうか?


V ダメダメな捜査一課課長・大岩
 主人公の警視庁捜査一課長・大岩は、正義感が強く熱い心と的確な判断力で捜査本部を指揮する。……というが、今回は、全くパッとしない。
・そもそも、強盗犯の片割れは逮捕できずに放置。関係者のその後も関知せず。
・沙織の死体遺棄については“不問”と言うより、気づかず!
・井川(出所した強盗犯)と誘拐殺害された高科の関係は掴めていなかったが、もっと早く解明し、井川の身柄を確保しておけば、官僚の元妻が殺人を犯すこともなかったのに。井川と三村(元闇ブローカー)の密会、その後の干物小屋の火災、沙織と井川の密談など、考察材料は多かったのに……
 「正しいこと(証言)をしたのに不幸になってはいけない」という大岩の信念だが、その努力を怠ったのに、あまり悪びれていない。今回の無能ぶりでは、ラストシーンでヒロインに再び証言を要請しても、説得力に乏しい。

Ⅵ 井川の行動も不可解
・通勤時で目撃される危険性大なのに、拉致誘拐は無謀過ぎ(しかし、大岩、まったく突きとめられず)
・リスクの高い、拉致や殺害より、高科を恐喝した方が良いのでは?


Ⅶ その他の感想(突っ込み)
・平井真琴(斉藤由貴)は現場資料班主任だったはずだが、普通の刑事のように捜査していた。
・自殺しようとした沙織と美樹の心を救った美容師・宮城夏子(はるな愛)だが、演技が………。しかも、無理のあるエピソード。
・なぜ、美樹は沙織に「井川に会う」とメールしたのか?

              ………かなり、残念なドラマだった。

【ストーリー】番組サイトより
 大岩純一(内藤剛志)は、都内で発生した凶悪事件すべての捜査本部の指揮を執る、警視庁捜査一課長。最愛の娘を病気で亡くし、妻の小春(床嶋佳子)と2人暮らしをしている。 
 ある朝、会社員の高科幸一(草薙仁)が自宅マンションを出た直後に、何者かに車で連れ去られる事件が発生。通勤時間帯で人通りの多い中、高科を見送る妻の彩香(西尾まり)と娘の果歩(甲斐恵美利)の目前で行われた、あまりにも大胆な犯行だった。大岩らは緊急配備を敷いて逃走車を追跡する一方、事件発生直後に現場から立ち去った不審な女性・水嶋沙織(星野真里)を追って事情聴取する。だが沙織は、事件との関連を真っ向から否定した。

 翌朝、高科は西多摩の山中で遺体となって発見された。高科には妻の彩香を受取人とした1億円の生命保険がかけられており、連れ去られる3日前に契約が結ばれていた。しかもその契約を担当した保険会社の社員は、連れ去り事件の現場で目撃されていた水嶋沙織だった。沙織の名を捜査員から聞いた大岩は、5年前に捜査を担当した宝石強盗事件を思い出す。水嶋沙織は、宝石強盗犯の逮捕につながる重要な証言をした人物だった。
 当時ホステスだった沙織が男と2人で都心のホテル街を歩いていたところ、宝石店から出てきた2人組の覆面強盗と遭遇。その後、警察から事情聴取を受けた沙織は「1人で歩いていた」と嘘をつくが、現場の状況から沙織は男と2人で歩いており、その男が犯人の顔を見ていた可能性があることが判明。当時管理官だった大岩の必死の説得を受け、沙織は財務官僚の結城稔(安藤彰則)と一緒にいたことを証言した。その後、事情聴取を受けた結城が、目撃した犯人の人相を証言し、逃走犯のひとりである井川和行(有薗芳記)が逮捕された。井川は、主犯はインターネットで知り合った名も知らぬ男であり、自分はその男に頼まれてやっただけだと主張。懲役5年の有罪判決を受け、先日出所していた。

 そんな中、高科が殺害される直前に、とある商事会社の社長室に電話をかけていたことがわかった。そのオフィスを訪ねた大岩は、社長・三村洋司(相島一之)の秘書・佐々木美樹(大河内奈々子)を見て驚く。美樹は5年前に証言した、財務官僚・結城の妻だった。美樹によると、警察に証言したことで沙織との不倫関係を疑われた結城は、財務省を辞め、後に自殺したという。沙織も美樹も5年前の宝石強盗事件の関係者だとわかり、高科誘拐殺害事件と5年前の宝石強盗がつながっていると直感した大岩は、井川を調べるよう、現場資料班主任・平井真琴(斉藤由貴)らに指示。だがその矢先に、またしても新たな事件が起きて…!?

脚本:石原武龍 小澤俊介
監督:濱 龍也
コメント (14)
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