(【参照】「第1話~第8話までの感想」)
最終回・拡大版であったが、ふたりの“顔芸”しか印象に残っていない………
「17年間、あなたが必死に守り続けたモノが表に出れば、警察組織は崩壊することになる。
それを止める為に、あなたは江口警部(ユースケ・サンタマリア)を殺害した!
…………これがこの事件の真相です」
「いい子にして黙って聞いていればっ…よくもそんなことが言えたもんだなあ。
おまぇ冗談では済まされんぞ。
おまえはそのくだらん戯言で捜査一課長たる私を愚弄したんだ。
おまえは絶対に許されないことを口にしたんだぁっ!」
「絶対に許されないことをしたのはあなたでしょう!
あなたは常日頃から仰っていました。
“どんな理由であろうと、殺人だけは絶対に見逃すことは出来ない”
そう言っていたあなた自身が、殺人を犯していたんだ!
この罪は裁かなくてはなりません。
江口警部を殺害したことをお認めになられま…」
「認めない!絶対に認めないいいっ!
おまえは何にもわかっていない。
確かにペンのキャップを取りに行ったことだけは認めてやる。
だがそれは私が犯人だからではない。一警察官だからだぁ。
……500%の…500%確信を持って言ってやるっ“私は犯人ではない”
証拠はこれだぁ!どけっ!」
(机の所まで行き、引き出しを開け、キャップが嵌ったペンを放り投げる)
「キャップは、この中に、あ り ま し たっ!」
最後は小学生の口喧嘩……
悪い奴だが三笠所長(春風亭昇太)の主張する“100%の証拠”どころか、状況証拠からの推論による糾弾を繰り返す香坂(長谷川博己)。
・≪ペンのキャップを探していた≫という事実だけ(その後の検査では、誰の指紋も検出されず)
・たとえ、小野田(香川照之)のペンのキャップだったとしても、殺害の証拠とはならない(現場にいた証拠になるのかさえ疑問。誰かが持ち込んだという可能性もある)
……それなのに
「絶対に許されないこと(殺人)をしたのはあなたでしょう!」と糾弾。
小野田が殺害に関与していないと判明したあと、「非礼はお詫びします」と一言だけ(辞職願は出したが)
「おまえは絶対に許されないことを口にしたんだぁっ!」と叫んだ小野田も、その件には触れず……
≪ペンのキャップの持ち主が小野田ではないらしい。では、いったい誰の?≫と、悪びれた様子もなく肩を揺らして廊下を歩く香坂・山田(岡田将生)コンビ。
今度は、早明学園の金崎(和田アキ子)に当たりをつけ、金崎・富永(梅沢富美男)コンビを糾弾!
「捜査員の先頭に立って、国民の安全を守るべき立場だったはず。
だが、あなたが守ったのは組織だった。
警察官としての使命に背を向けた本当の裏切者はあなただったんだぁ!」
「香坂、言いたいことはそれだけか?
おまえの言っていることはただの仮説だ。
証拠謎ない。残念だったな。香坂」
「いや、まだ終わっちゃいない。
私はあなたとは違うんだ。最後まで警察官として正義を貫き、生きてみせます。
必ず、ここに証拠を持って参ります」
え?証拠はないの?
それで、ここまで糾弾したの?………
私が隣にいた山田だったら、絶対、言葉↑に出すぞ! (山田君、格好つけて出した『辞職願』も瞬殺で破られるし……)
その後、得意の内通者の逆用し、富永のもう一機の携帯電話の存在を突き止める。(富永専務の携帯電話が2機あったというのは、少し卑怯)
最終決戦は、香坂がレコーダーを駆使し“眼力勝負”に持ち込み、
“捜査一課長の正義”をチラつかせ、17年前の殺人の証拠品(裏帳簿の切れ端)を奪取
(詳細は省略)
結局、小野田は視聴者を惑わすだけのキャラ。
悪事は働きはせず、組織や自分の為に立ち位置を変える人物だった。しかし、そういう人物として描いたわけではなく、脚本家(制作サイド)が「視聴者を惑わせ、香坂を右往左往させる」為のキャラであった。
“一課長の正義”を振りかざしていたが、冤罪についてはほぼスルー。香坂が揺さぶらなかったら、金崎の殺人を見逃し、無実の横沢を殺人犯として起訴し、冤罪を作ってしまっていたというのに。
★その他の感想
1.不思議な裏帳簿
切れ端自体は殺害の重要証拠ではあったが、贈収賄・癒着などの決定的な証拠であったのだろうか?
香坂の父の名が書かれていたが、それは虚偽の記載。これで証拠になるのだろうか?
さらに、香坂父は寄付者となっていたが、収賄したのならともかく、寄付するのはそれほど問題なのだろうか?(公務員法に触れる?)
香坂は、父親が大金を所持していたかを母親に訊ねていたので、「寄付者」というのはおかしい。
2.もやもやした決着
17年前の殺人は公にされず、富永はお咎めなし。
続編でも考えているのだろうか?
3.普通の刑事ドラマのほうが良かったのに
なまじ“敵は味方の振りをする”とか“香坂対一課長”に拘ったため、とんでもない喜劇(顔芸)になってしまった。
たとえば、クレーン車を使って江口刑事を殺害した際、かなりの衝撃と轟音が生じた。今回の再現シーンや、以前に金崎理事長を問い詰めた時にも取り上げ、金崎を追及する足掛かりになった。
その時は横槍が入り、有耶無耶になってしまったが、そういった捜査や推理をメーンにした方が面白かった。
最後に、≪警察官を守る法律はない≫と言っていたが、そう言えば、一番最初にそんなことを言っていたっけ?
でも、冤罪事件が起きる寸前だったし、17年前の殺人を見逃すなどのことを考えると、≪警察官を守る法律はない。闘うのみだ≫で締められても、まったく共感できなかった。
【ストーリー】番組サイトより
元捜査二課の刑事・江口(ユースケ・サンタマリア)が殺害された事件の真相究明に努めていた香坂(長谷川博己)ら豊洲署員たちであったが、事件の鍵を握る横沢裕一(井上芳雄)の身柄と早明学園の裏帳簿を小野田捜査一課長(香川照之)率いる捜査一課に奪われてしまった。
香坂は、この事件と17年前の事件に関係していると疑う小野田を問い詰めると、17年前に金崎玲子(和田アキ子)から賄賂を受け取り、裏帳簿に名前を記されているのは父親の敦史(木場勝己)だと打ち明けられる。
愕然とする中、留置場に入れられ、山田(岡田将生)も逮捕されてしまう絶体絶命の状況に追い込まれる。
だが、藤倉(駿河太郎)が、事件の夜に富永専務(梅沢富美男)が電話をしていた相手を調べ上げると…。
脚本:丑尾健太郎 全話
成瀬活雄 6話~10話(最終話)
最終回・拡大版であったが、ふたりの“顔芸”しか印象に残っていない………
「17年間、あなたが必死に守り続けたモノが表に出れば、警察組織は崩壊することになる。
それを止める為に、あなたは江口警部(ユースケ・サンタマリア)を殺害した!
…………これがこの事件の真相です」
「いい子にして黙って聞いていればっ…よくもそんなことが言えたもんだなあ。
おまぇ冗談では済まされんぞ。
おまえはそのくだらん戯言で捜査一課長たる私を愚弄したんだ。
おまえは絶対に許されないことを口にしたんだぁっ!」
「絶対に許されないことをしたのはあなたでしょう!
あなたは常日頃から仰っていました。
“どんな理由であろうと、殺人だけは絶対に見逃すことは出来ない”
そう言っていたあなた自身が、殺人を犯していたんだ!
この罪は裁かなくてはなりません。
江口警部を殺害したことをお認めになられま…」
「認めない!絶対に認めないいいっ!
おまえは何にもわかっていない。
確かにペンのキャップを取りに行ったことだけは認めてやる。
だがそれは私が犯人だからではない。一警察官だからだぁ。
……500%の…500%確信を持って言ってやるっ“私は犯人ではない”
証拠はこれだぁ!どけっ!」
(机の所まで行き、引き出しを開け、キャップが嵌ったペンを放り投げる)
「キャップは、この中に、あ り ま し たっ!」
最後は小学生の口喧嘩……
悪い奴だが三笠所長(春風亭昇太)の主張する“100%の証拠”どころか、状況証拠からの推論による糾弾を繰り返す香坂(長谷川博己)。
・≪ペンのキャップを探していた≫という事実だけ(その後の検査では、誰の指紋も検出されず)
・たとえ、小野田(香川照之)のペンのキャップだったとしても、殺害の証拠とはならない(現場にいた証拠になるのかさえ疑問。誰かが持ち込んだという可能性もある)
……それなのに
「絶対に許されないこと(殺人)をしたのはあなたでしょう!」と糾弾。
小野田が殺害に関与していないと判明したあと、「非礼はお詫びします」と一言だけ(辞職願は出したが)
「おまえは絶対に許されないことを口にしたんだぁっ!」と叫んだ小野田も、その件には触れず……
≪ペンのキャップの持ち主が小野田ではないらしい。では、いったい誰の?≫と、悪びれた様子もなく肩を揺らして廊下を歩く香坂・山田(岡田将生)コンビ。
今度は、早明学園の金崎(和田アキ子)に当たりをつけ、金崎・富永(梅沢富美男)コンビを糾弾!
「捜査員の先頭に立って、国民の安全を守るべき立場だったはず。
だが、あなたが守ったのは組織だった。
警察官としての使命に背を向けた本当の裏切者はあなただったんだぁ!」
「香坂、言いたいことはそれだけか?
おまえの言っていることはただの仮説だ。
証拠謎ない。残念だったな。香坂」
「いや、まだ終わっちゃいない。
私はあなたとは違うんだ。最後まで警察官として正義を貫き、生きてみせます。
必ず、ここに証拠を持って参ります」
え?証拠はないの?
それで、ここまで糾弾したの?………
私が隣にいた山田だったら、絶対、言葉↑に出すぞ! (山田君、格好つけて出した『辞職願』も瞬殺で破られるし……)
その後、得意の内通者の逆用し、富永のもう一機の携帯電話の存在を突き止める。(富永専務の携帯電話が2機あったというのは、少し卑怯)
最終決戦は、香坂がレコーダーを駆使し“眼力勝負”に持ち込み、
“捜査一課長の正義”をチラつかせ、17年前の殺人の証拠品(裏帳簿の切れ端)を奪取
(詳細は省略)
結局、小野田は視聴者を惑わすだけのキャラ。
悪事は働きはせず、組織や自分の為に立ち位置を変える人物だった。しかし、そういう人物として描いたわけではなく、脚本家(制作サイド)が「視聴者を惑わせ、香坂を右往左往させる」為のキャラであった。
“一課長の正義”を振りかざしていたが、冤罪についてはほぼスルー。香坂が揺さぶらなかったら、金崎の殺人を見逃し、無実の横沢を殺人犯として起訴し、冤罪を作ってしまっていたというのに。
★その他の感想
1.不思議な裏帳簿
切れ端自体は殺害の重要証拠ではあったが、贈収賄・癒着などの決定的な証拠であったのだろうか?
香坂の父の名が書かれていたが、それは虚偽の記載。これで証拠になるのだろうか?
さらに、香坂父は寄付者となっていたが、収賄したのならともかく、寄付するのはそれほど問題なのだろうか?(公務員法に触れる?)
香坂は、父親が大金を所持していたかを母親に訊ねていたので、「寄付者」というのはおかしい。
2.もやもやした決着
17年前の殺人は公にされず、富永はお咎めなし。
続編でも考えているのだろうか?
3.普通の刑事ドラマのほうが良かったのに
なまじ“敵は味方の振りをする”とか“香坂対一課長”に拘ったため、とんでもない喜劇(顔芸)になってしまった。
たとえば、クレーン車を使って江口刑事を殺害した際、かなりの衝撃と轟音が生じた。今回の再現シーンや、以前に金崎理事長を問い詰めた時にも取り上げ、金崎を追及する足掛かりになった。
その時は横槍が入り、有耶無耶になってしまったが、そういった捜査や推理をメーンにした方が面白かった。
最後に、≪警察官を守る法律はない≫と言っていたが、そう言えば、一番最初にそんなことを言っていたっけ?
でも、冤罪事件が起きる寸前だったし、17年前の殺人を見逃すなどのことを考えると、≪警察官を守る法律はない。闘うのみだ≫で締められても、まったく共感できなかった。
【ストーリー】番組サイトより
元捜査二課の刑事・江口(ユースケ・サンタマリア)が殺害された事件の真相究明に努めていた香坂(長谷川博己)ら豊洲署員たちであったが、事件の鍵を握る横沢裕一(井上芳雄)の身柄と早明学園の裏帳簿を小野田捜査一課長(香川照之)率いる捜査一課に奪われてしまった。
香坂は、この事件と17年前の事件に関係していると疑う小野田を問い詰めると、17年前に金崎玲子(和田アキ子)から賄賂を受け取り、裏帳簿に名前を記されているのは父親の敦史(木場勝己)だと打ち明けられる。
愕然とする中、留置場に入れられ、山田(岡田将生)も逮捕されてしまう絶体絶命の状況に追い込まれる。
だが、藤倉(駿河太郎)が、事件の夜に富永専務(梅沢富美男)が電話をしていた相手を調べ上げると…。
脚本:丑尾健太郎 全話
成瀬活雄 6話~10話(最終話)