英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season17 第18話「漂流少年~月本幸子の覚悟」

2019-03-08 22:50:42 | ドラマ・映画
 通称「シナトラ」こと品田(鶴田忍)の“おとぼけ”と、孫の直人(長谷川ティティ)の“お調子者”のコンビぶりから、コメディ路線かと思いきや、サブタイトルの「漂流少年~月本幸子の覚悟」通りのシリアスなストーリーで、さらに、意表の前後編構成。
 シナトラのキャラから輿水氏当たりの脚本かと思ったが、多数の伏線(謎・疑問)を回収しつつ、さらに謎が生じるという展開は太田愛氏ぽいと感じた。

(脚本家による思い込みを避けるため、担当脚本の氏名を見ないようにしています。太田愛氏の脚本の特徴については、season16 第10話 元日SP「サクラ」で語らせていただいています)

★多数の伏線(疑問・謎や新事実)
①幸子(鈴木杏樹)が椎名智弘(小原唯和)からのハガキを右京たちにお披露目2018元日SP「サクラ」に登場した高校生ハッカー3人組のひとり)
 幸子は手紙のやりとりをしていて、智弘が高校に戻らず独学で高卒認定試験に合格したなどの近況を語る。(智弘が本編とかかわりがあるのかは不明)

②シナトラと直人が不法投棄された物品(椅子や鞄)を軽トラに搬入、更なる物色中に死体を発見
 通報すると不法投棄された物品を持ち去る行為が咎められると思い、翌日、幸子を小芝居で引き込み、現場に連れて行き死体を発見させようとしたが、死体は消えていた。

③死体発見の際、シナトラは直人に自分が前科者だと告白
 後に嘘と判明

④死体の素性が判明
 幸子が右京たちに相談し、死体の正体が判明。
 死体は首つり自殺者として発見されており、リフォーム店店主・元宮(羽田真)。
 借金苦だったらしい。
 担当所轄で事件資料を見た右京が、細かい疑問を提示し、司法解剖に持ち込む

⑤幸子がシナトラの家で彬(浦上晟周)と遭遇
 やくざの愛人で、そのヤクザを拳銃で撃ち服役していたことを話す
 初対面で暗い過去を話すか?と思ったが、彬の表情から彼の辛い心の内を汲み取ったのだろう(それに、幸子は、けっこう簡単に過去を語る癖がある)

⑥本宮の死因が判明
 花の里で飲食中の特命のふたりに、幸子が“不法投棄現場の衣装ケースの中に死体が入っていた”のではと相談中、所轄から連絡が入り、《背後から腕で頸部を圧迫されたことによる窒息》で偽装自殺だったことが判明
 これを聞いた幸子が「シナトラさんたちは、誰かが寝ているのを見て、死体だと勘違いしたんですね」と喜んだが、扼殺だったことと寝ているのを死体と勘違いという結論になる根拠がよく分からない。
 幸子は“シナトラたちは事件と無関係”であると印象づけて、右京たちの目が彬に向かないようにしたかったのだろう。

⑦幸子に礼を言うため待っていた彬
 彬も幸子に相通ずる何かを感じ、救いを求めるような気持ちで幸子の過去を聞く
「もし、そいつを撃たなかったら、幸子さん、どうなってたと思う?
 その時は、こうするしかないと思ったんだろ?どうしても…どうしても、こうするしかないって…」

という問いを投げかける。
「ああしないと、生きていけないと思った」(幸子)
「世の中の方が間違っている時は、他に方法がないということもあるんじゃないかと思う」
去っていく彬を見やり、考え込む幸子…

⑧元宮の情報
・闇金から金を借りていた
・妻が受取人の生命保険に入っていた
・右京は遺留品に名刺入れとノート2冊がないことが気になる
・解剖の結果、《殺害後、一定の時間、横に寝かされていた》ことと、《髪に揮発性の油分を含んだ微量の砂が付着していた》ことが判明


⑨冠城の聞き込み(彬を心配した幸子に頼まれた)
 彬がシナトラの孫ではなく、シナトラの息子だという情報を掴み、幸子に報告(しかし、これも嘘だと後に判明)

⑩右京、不法投棄現場で砂を採取
 揮発性の油分を含んでいると思われる砂を採取

⑪右京、ぷりぷりして冠城と合流(幸子の肉じゃがをお昼に食べるはずだったが、肉じゃがを持った冠城に会えたのは午後3時)
 元宮の髪に付着していた砂が不法投棄場所の砂と成分が一致(鑑定早すぎ)、シナトラたちを警視庁で聴取
 芹沢から《元宮が闇金に完済していた》情報を得る

⑫盛り付けが偏ってしまった肉じゃが弁当を食べながら、特命室で捜査会議
・本宮は人目のつかない不法投棄場所で犯人と密会していたのではないか?
・犯人は何故、本宮の死体を衣装ケースに隠したのか?(後に判明)

⑬品田リサイクル店を訪れたスーツ姿の男(顔は不明)
 スーツの男を見て怖れる彬だが、男が鞄を探していると知り、軽トラに置かれたままだったカバンの中身を物色し、名刺入れと財布とノートを見つけ、ノートを読む

⑭前歴者紹介システムを調べる冠城
 シナトラの前歴はなかった

⑮リサイクルショップ品田にコソ泥
 シナトラが気配に気づき、格闘。
 騒ぎに気付いた直人と彬が駆けつけ、犯人逃亡。
 犯人は目だし帽を被っていたが、その目に心当たりがある彬

⑯現場検証のリサイクルショップ品田に出向く特命係
 何も盗られたものはないと聞き、不法投棄から持ち帰ったものの置き場所を聞き、鞄を発見。鞄の中の財布から、元宮所有の鞄と確認し、事件の経緯を推測。

 ………不法投棄場所で鞄を傍らに置き、約束の相手を待つ元宮。待ち人が現れたが、諍いが起こり、格闘技のような技で男が元宮を扼殺(あの絞め方は弾みで殺害したようには見えない)。そこへ、シナトラたちが到着、あわてて、死体を衣装ケースに隠し、自分も身を隠したが、シナトラたちが死体を発見してしまう。
 シナトラたちが元宮の鞄を持ち去るのを見て、取り戻しに店に忍び込んだのではないか………

 しかし、鞄は軽トラに置きっぱなしで無事だったが、あると思われたノートが見つからない。(彬が持ち去った)


⑰シナトラの嘘が発覚
 彬が息子であるという証拠の写真にスカイツリーが映っていて、年代がおかしいことから息子だというのは嘘と判明。
 死体発見時に通報しなかったのは、彬の為に警察に関わりたくなかった。
 彬を家に連れてきた時「今、俺が捕まったら、困る人がいるんだ」という言葉を受け止めたからだという。

⑱彬の回想
~詐欺の金の“受け子”が捕まるシーン。受け子に「あいつがやれと言ったんだ」を自分を指差され、逃亡~

⑲幸子への彬の頼み
 夜中に彬の言葉を思い出しているところに、彬から電話が掛かり、何かを頼まれる

⑳元宮のリフォーム時の仕事ぶり
 聞き上手で、依頼主の話を聞き出していた(特に息子の情報)
 本宮は詐欺の情報屋だったのでは?ノートにはその情報が記されていた


21.本宮が関わった詐欺での逮捕者
 受け子役の坂口淳(福崎那由多)を逮捕、見張り役の河野彬は逃走
 “元締め”や“手配師”は未逮捕。


22.そして、次回へ
 坂口淳を見つけ、声を掛ける冠城。
 空き地か工事現場の脇に座り考え込む彬
 花の里でスーツ姿でPCを操作する幸子に、「彬くんから連絡がありましたねと問いただす」右京
 「彬くんは、やっていません」ときっぱり言う幸子



消えた死体、嘘八百のシナトラ、訳ありの彬、元宮の正体など、疑問や謎が浮かんでは解消されていったが、
《元宮殺害の犯人》
《彬の心に抱えるモノは何か?》
《幸子が彬から頼まれたことは?》
《葉書の送り主の椎名智弘は事件と関わりがあるのか?》
など、謎が残る。



 前後編モノは前後編のバランス配分も難しい。中身がなくて引き伸ばしただけのダラダラとした冗長感が強く残念な出来が多い。
 今回は期待していいような気がする。

(ストーリーとは関係ないが、彬役の浦上晟周くん、目が上川隆也さんと似ている)


第1話「ボディ」第2話「ボディ ~二重の罠」第3話「辞書の神様」第4話「バクハン」第5話「計算違いな男」第6話「ブラックパールの女」第7話「うさぎとかめ」第8話「微笑みの研究」第9話「刑事一人」元日スペシャル 第10話「ディーバ」
第11話「密着特命係24時」第12話「怖い家」第13話「10億分の1」第14話「そして妻が消えた」第15話「99%の女」第16話「容疑者 内村完爾」第17話「倫敦からの刺客」


【ストーリー】番組サイトより
“ついてない女”幸子に降りかかる不可解な事件
遺体消失と変死事件、そして影ある青年の関係は!?


 品田(鶴田忍)という古道具店の主・通称“シナトラ”が、孫の直人(長谷川ティティ)と共に不法投棄現場で死体を発見。あらぬ疑いが掛けられるのを避けるため、“親切な第三者”を巻き込んで、改めて死体の発見者になろうと一計を案じる。
 親切心から、その浅はかな計画に巻き込まれてしまった幸子(鈴木杏樹)だったが、なぜか現場から死体が消えてしまう。そんな中、幸子から「身元不明の遺体が見つかっていないか」という問い合わせを受けた右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、事情も分からないまま所轄に問い合わせを。するとその日、小さなリフォーム店の店主が、自殺と見られる状況で発見されたことが判明。右京はその現場に不審を覚え、所轄の担当刑事に司法解剖を促す。
 すると、店主は自殺ではなく他殺で、闇金まがいの会社に借金があったことも分かる。いっぽう、奇妙なかたちでシナトラと顔見知りになった幸子は、シナトラの自宅でもう一人の孫で高校生の彬(浦上晟周)を紹介される。幸子は、思い詰めたような彬の様子から、何か困ったことに巻き込まれているのではないかと心配するが…!?

不運な人生を乗り越えた幸子に忍び寄る複雑な難事件…
鍵を握るのは幸子に救いを求めてきた青年!?
事件の背後に“それぞれの思い”が交錯する!


ゲスト:浦上晟周 鶴田忍 長谷川ティティ

脚本:太田愛
監督:橋本一
コメント (4)
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