英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

刑事ゼロ 第10話(最終話)

2019-03-17 22:02:23 | ドラマ・映画
事件の構造は面白かった
①タロットカードになぞらえた連続殺人
 タロットカードになぞらえた必然性は低かった。強いて理由を挙げれば、殺人の連続性を誇示することにより、犯行主旨のアピール。
 ドラマ的には派手さ(殺害状況の派手さ)を求めた。

②“秩序”による規則性
・“身内の被害者の数だけ殺人を犯せる”
・自分が罰せられる(殺害される、自害する)ことを受け入れる
・釈放理由の種類を揃える

③犯行の統括者・女教皇の存在
 藤林教授(南果歩)が黒幕ではなく、留置場の看守・草場(今野浩喜)だった。
・看守という存在の透明性で嫌疑を掛けられにくい。
・さらに、被疑者や被告人からも透明な存在で、それゆえ、彼らの本性を見ることが出来た。
・能見(高橋光臣)→外山(粟島瑞丸)→藤林(南果歩)への犯行の継承も、看守の立場であれば容易

【不満点・疑問点】
Ⅰ.“刑事の罪”
 拡大解釈というより、こじつけに近かった。
 時矢(沢村一樹)が突き落とされる直前の能見の言葉“刑事の罪”が記憶を失う要因と言うが、説得力がない

Ⅱ.時矢を突き落としたのは犯行数に入らないのか?
 上方から落下しながら鉄パイプで殴りつけ、その後も何度も殴った挙句、蹴り飛ばし、ビルから転落させかけた上、拳銃で撃とうとしたが、時矢の抵抗にあったので、蹴り飛ばして転落させた……逮捕を逃れるためとはいえ、殺意満々だった。

Ⅲ.時矢はいつ隠しカメラを投函したのだろうか?
 犯人に気絶させられ、意識を回復した後、「これを大学構内にあるポストに投函します」というシーンも撮影。
 その後、投函し、また現場に戻り、茫然と立っているところに、佐相(瀧本美織)が到着したことになる。

 これって、非常に変!



【ストーリー】番組サイトより
 3件の猟奇殺人で世間を震撼させた能見冬馬(高橋光臣)と同じく、タロットカードの図柄を再現する手口で2件の殺人に走ったネットニュース記者・外山直澄(粟島瑞丸)が、自殺――。時矢暦彦(沢村一樹)らが家宅捜索を行ったところ、外山は「これまでの5件の殺人はすべて自分ひとりの犯行で、能見に罪を着せた」とする遺書を自宅のパソコンに残していたことが発覚する。もし遺書の内容どおり、5件の猟奇殺人が外山の単独犯行だとすれば、時矢が逮捕した能見は無実ということになってしまう…。13係に動揺が走る…。
 そんな13係に追い打ちをかけるように、衝撃の事態が発生。なんと外山の遺書がネットニュースに晒されたのだ! その直前、13係長の根本留夫(渡辺いっけい)が記者会見で遺書の存在を否定していたため、京都府警には非難が集中。能見は処分保留で釈放されることになってしまう。時矢は記憶を失う直前、能見が自分に告げた言葉を思い出せば、彼が何をしようとしているかわかるはずだと考えるが、なかなか記憶はよみがえらず、焦るばかりだ…。
 そんな中、能見を勾留していた留置場の看守・草場友喜(今野浩喜)からの連絡をきっかけに、時矢は能見が6件目の殺人を予告していることを察知。いったいタロットになぞらえた一連の殺人はいつまで続くのか…!? しかも、13係の無期限謹慎、時矢に殺人容疑が降りかかるなど次々と危機が襲いかかるが…!?

 ついに最終話! 記憶ゼロの刑事・時矢は失われた20年を取り戻し、一連の事件の謎を解明することができるのか…!?  タロット連続殺人の真の黒幕とは、はたして…!?

ゲスト:南 果歩 高橋光臣 今野浩喜

脚本:戸田山雅司
監督:兼崎涼介
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相棒 season17 第19話「漂流少年〜月本幸子の決断」

2019-03-17 11:10:58 | ドラマ・映画
無条件に容疑者(彬少年)を信じ、寄り添い、支えたい……幸子
判明した事実や確証だけを基に、判断する……右京

  上記だと、右京は容疑者の無実を信じないように思われるが、あくまで予断を持たずに真実を追求する姿勢である。

月本幸子の決断とは
 椎名智弘(小原唯和)たちの事件と、その後の彼とのやり取り、そして、今回の事件が幸子の決断を後押しした
「世の中の方が間違っている時は、他に方法がないということもあるんじゃないかと思う」
 この彬の言葉が引き金になったと思われるが、ドラマ視聴中では、幸子が法を無視した過激な行動を取るか、彬を守るために自分の命を省みない行動を取るか………前編ラストから後編冒頭に掛けて、幸子が右京と対立するかのような構図があったので、前者かと思っていた。
「たとえどんな事情があっても、今は少年審判でも“何も知らなかった”では通らないんです。それが通用すれば、“知らなかった”と言って言い逃れをする者が次々と出てきてしまう。彼らを利用する大人たちが“捕まっても何も知らなかったと言えば済むんだ”とそそのかし、子どもたちを犯罪に引き込むを許すことになるんです」
「でも、彼らを利用した大人は捕まらない。捕まるのは利用された子どもだけ、大人は罪を犯しても捕まらずに逃げ延びる。違いますか?…それなのに彬くんは無実であっても罰を受けなければならないんですか?」

「彬くんは危険なものを持って逃げています。次に連絡があったら、必ず知らせてください」
「お約束……できません」


少年側の立場で補足する坂口淳の言葉
「今はな、何やったって正直者が馬鹿を見る世の中なんだよ」


幸子の選択
「“これからきちんと勉強して資格を取って、彬くんや淳くんのような子どもたちを実際にそばで支える仕事に就きたい”
 ……分かっていましたよ。あなたがそう決めたこと」
「私は本当に運のいい人間ですね。このお店を任せていただいた時から、杉下さんはずうっと待っていてくださったんですねぇ。私が自分で歩き出すのを」


「杉下さんに会えて、よかった………本当にありがとうございました」


幸子が歩いていく後姿………
………人がいなくなった“花の里”



 まあ、幸子の《自分で歩き出すのを右京が待っていた》という解釈はともかく、幸子の旅立ち、別離となった。
 サブタイトルが“幸子の覚悟”“幸子の決断”となっていたので、幸子の身に何か重大なことが起こるという気がしていたが、幸子の旅立ちはその予測を上回った。
 でも、やはり唐突な決断であった。
 幸子の決意の心内を推し量れそうなシーンは、椎名智弘からのハガキ、彬が幸子に投げかけた言葉、花の里でひとり物思いに沈む幸子、右京との対峙ぐらいで、具体的な表現はなかった。それに、この編以前にこれまで幸子の思索の描写もなかったように思う。
 それから、“勉強して資格を取って、彬くんや淳くんのような子どもたちを実際にそばで支える仕事”は曖昧過ぎる。これは右京の推測なので抽象的になるのは仕方がないとして、その言葉を受けた幸子が今後の具体的な予定を語るのが普通であろう。
 まあこれは、今後の脚本に幅を持たせる配慮と考えられ、幸子の再登場が期待できる。



漂流少年・彬と幸子の活躍
 彬は淳の受け子の仕事に巻き込まれただけ。淳は、逆境に負けない彬に嫉妬していて(彬の父が仕送りしていたと思い込んでいたこともある)、警察に彬も仲間だとうその証言をしたのだった。
 彬は淳の為、自分たちのような少年の為、詐欺組織の元締めを告発しようと奮闘し、幸子はそれを手助けしようとしていた。


 彬の元締めのおびき出し策、幸子のスマホで彬の位置情報を把握する策、フィルムカメラでの撮影をフェイクにしてスマホ撮影画像を幸子にリレーする行為など見事な連携だった。

不満点Ⅰ 唐突な“手配師”・山口 と “元締め”・ダディの浮上
 少年バスケットボールチームは突然すぎる登場で、怪しすぎる“ダディ”の存在も浮上
 “受け子”発掘・確保の為のバスケチームは巧妙かもしれないが、バスケに汗を流す健全そうな少年が“受け子”になるのだろうか?


不満点Ⅱ 迂闊過ぎる元締め・ダディ
・元締めが“受け子”に顔を見せることはないだろう
・元締めが金の受け取り現場に近づくこともあり得ない
・情報屋が殺害され、その近辺を警察がマークしているのに、その情報ノートに拘るのは危険
・幸子に車のナンバーを撮られたが気づかない。隠れて撮っていたのならともかく、真後ろに立って撮っていたというのに…
 


第1話「ボディ」第2話「ボディ ~二重の罠」第3話「辞書の神様」第4話「バクハン」第5話「計算違いな男」第6話「ブラックパールの女」第7話「うさぎとかめ」第8話「微笑みの研究」第9話「刑事一人」元日スペシャル 第10話「ディーバ」
第11話「密着特命係24時」第12話「怖い家」第13話「10億分の1」第14話「そして妻が消えた」第15話「99%の女」第16話「容疑者 内村完爾」第17話「倫敦からの刺客」第18話「漂流少年~月本幸子の覚悟」


【ストーリー】番組サイトより
右京と幸子の関係に亀裂が!?
青年の思いに共鳴した幸子が命懸けの行動に出る!


 リフォーム店の店主が殺害された事件の真相に繋がると見られるノートを持って姿を消してしまった彬(浦上晟周)。右京(水谷豊)は、彬が心を許している幸子(鈴木杏樹)に、「連絡があったら知らせてほしい」と頼むが、彬の思いを汲んだ幸子は、その依頼を拒否する。
 別の手掛かりを求めた右京は、彼が所属していた私設のバスケチームを訪問。そのチームは、金銭的に恵まれない子供のために作られたもので、“ダディさん”と呼ばれる篤志家の寄付で支えられていた。
 いっぽう、行方をくらましていた彬は、幸子と接触。幸子は、彬が自分一人で事態の収拾を図ろうと、危険な行動に出ようとしていることを察知し、協力を申し出るが…!?
 そんな中、捜査を続けていた右京と亘(反町隆史)は、古道具店の店主・品田(鶴田忍)とその孫の直人(長谷川ティティ)の情報から、リフォーム店主殺害事件の背景に、驚くべき事実があることに気付く。

青年が手にしたノートには危険過ぎる秘密が…
右京と亘がたどりついた事件の意外な背景とは!?
幸子が下した決断が、特命係に衝撃をもたらす!


ゲスト:浦上晟周 鶴田忍 長谷川ティティ

脚本:太田愛
監督:橋本一
コメント (2)
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