英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

トレース ~科捜研の男~  第11話(最終話)

2019-03-20 19:25:55 | ドラマ・映画
汚い表現で申し訳ありませんが、“胸糞悪い”話だったと言わせてください。
もっと適切な表現はないかと、“胸糞悪い”でググったら、『トレース最終回 大ブーイング「胸糞悪い」「観なきゃよかった」 』という記事が検索の上位にありました。


――胸糞悪い連中――
その1 源 仁美(夏子)
 真野の姉で『武蔵野一家殺人事件』の被害者の一人。
 教師の早川(萩原聖人)と関係を持ち、妊娠。
 自分を捨てた早川への復讐を、兄へのいじめを主導した壇(千原ジュニア)に依頼。
 いじめを受けた兄のことはどうでもいいらしい。

 確かに早川の行為は許せないが、妊娠については彼女にも責任がないわけではない。避妊など年長の男性が考えるべきだが(まあ、それ以前に不倫は駄目)、性行為がどういう結果(妊娠の可能性)になるか、考えないといけない。
 壇によると、生むつもりだったらしいが、出産やその後のことを考えていたのだろうか?破壊的な復讐よりも、責任を取らせるなど、もっと考えることがあったはずだ。


その2 新妻大介(伊藤高史)
 真野の兄・義一(倉悠貴)をいじめていた主犯格のひとり。
 第6話で遺体で発見される。事故による窒息死と鑑定されたが、早川が偽装し事故に見せかけて殺害したものだった

 自販機荒らしを壇にもみ消してもらう(壇の父が警視総監)代わりに、壇の“犬”となり、善一をいじめ、早川の授業で学級崩壊を引き起こす。
 さらに、『武蔵野一家殺人事件』では、壇に命じられるまま、佐保(袴田吉彦)とともに善一を殺害。

 卒業後、罪の意識からホームレスに落ちぶれた(早川の弁)らしいが、罪の意識があったかは怪しい。
 いじめや学級崩壊の様子からは、罪の意識は全く感じられなかった。

 (“新妻”という姓はややこしいので、別の名前にしてほしかった)
 
その3 佐保優作(袴田吉彦)
 高校時代の悪行は新妻と同じ。
 しかし、新妻とは違い食品会社社長に。
 ただし、悪行は継続。第10話では、所属プレーヤーのドーピング隠し工作、さらに、その工作が露見しそうになると、ドーピングの罪を押し付けた春日部(柾木玲弥)の殺害を新田清美(奥田恵梨華)に依頼。(糞女の清美は実行)
 真野が『武蔵野一家殺人事件』の真相を求めて会おうとしたが、その直前、ガス爆発で死亡(早川が事故に見せかける細工をした)

 新妻同様、いじめや学級崩壊の罪の意識は感じられなかった。
 《世の中の社長が悪事をしている》はずは全くないが、彼は社長になるため、さらに、社長の権力を利用して悪事を積み重ねていたに違いない


その4 早川尚文(萩原聖人)
 義一の担任。
 新妻の遺体発見を機に、真野に接近。義一のいじめに関して責任を感じているとして、『武蔵野一家殺人事件』の真相解明に協力するが、実は、犯人。
 学級崩壊の心労に加え、「仁美は子供を産むつもりで、苦しみから逃れるには仁美を殺すしかない」などとそそのかされ、仁美を殺害。さらに、引きこもりの義一の犯行に見せかけるため、両親も殺害。
 さらに、壇に命じられ、新妻、佐保をも殺害し、真野が『武蔵野一家殺人事件』の真相に到達するよう手掛かりとなる情報を提供。
 今回(最終話)では、壇を刺し殺そうとした(壇は意識不明の重体)。

 仁美を身ごもらせたが、妊娠を知ると捨てる。
 さらに、自身の為、仁美や両親を殺害。さらに、新妻、佐保を殺害。
 《兄が姉や両親を殺害して自殺した》という事実に苦しんできた真野を前に、善人ぶって協力。
 これだけ悪行を重ねて、よく心が崩壊しないものだ…


その5 壇 浩輝(千原ジュニア)
 偶然、義一の笑顔を見て、《彼の苦痛や悲しみに歪む顔が見たい》と思い立つ。
 警視総監の父の権力で新妻と佐保の窃盗罪を隠ぺいし、彼らを手下にして、義一をいじめさせる。
 さらに、義一の妹の仁美から早川への復讐を依頼されると、嬉々として手下に命じ、早川のクラスの学級崩壊をさせる。
 それでも飽き足らず、『武蔵野一家殺人事件』を引き起こす。

 真野が義一の弟であることを知ると、真野に『武蔵野一家殺人事件』の真相にたどり着かせ、苦しむ真野を堪能する。

 《偶然見かけた義一の苦しむ顔を見たい》というまったく理不尽な理由で、悲劇を引き起こした。
 しかも、安全圏にいて、自分の手を汚さず、証拠も残さない(権力を悪用)。
 その心理ややり方が糞過ぎる!



――《真野が早川の自殺を止めた理由》に疑問――
(「どうして?……俺は君の家族を殺したんだぞぉ…どうしてぇ!…どうして?どうしてなんだよぉ!」と問う早川に対して)
「分かんねえよっ!
 ふざけんな!…もううんざりだ、うんざりなんだよっ!
 俺は前に進みたいんだ。その為に真実を探してきたんだ。
 俺は、お前らみたいに絶対にならない。おまえらとは違うんだぁ!」


(「あの時、どうして壇と早川を助けたんだ?」と問う虎丸に対して)
「なんででしょうね…
 25年前、家族を失ったあの日から、俺はずっと暗闇の中にいました。
 “進むべき方向が分からず、立ち止まっているのは何よりもつらい”
 その気持ちがわかるから、何としても真実を見つけ出して、遺族に伝えてあげたかった。
 そうすればきっと、前に進むことが出来ると信じていたからです。
 でもあの時、自分自身の真実を知った時、もし、壇や早川を殺したら、二度と暗闇から抜け出すことが出来なくなる。
 俺は前に進みたい…そう思ったんです」


 確かに、《真実を求めて前に進む》《壇たちとは同じにはならない》《殺したら、暗闇から抜け出すことが出来なくなる》というのは嘘ではないだろう。それが彼の信条だったから。
 でも、壇や早川が死んでしまったら、兄の無実という真相が闇に葬られたままになってしまう。
 《真相を明らかにして進むべき方向を決める》ことも大切だが、《兄の汚名を雪ぐ》ことも重要なのではないだろうか。少しきれいごと過ぎた気がする。


 そもそも、壇と対決するのなら、ボイスレコーダーぐらい装備しておけよ!少なくとも2つ…いや、3つ用意して、《ボイスレコーダを発見し破壊して得意がる壇に、3つ目のボイスレコーダの存在を示して悔しがらせる》ぐらいして欲しかった。

 

――胸糞悪すぎる『武蔵野一家殺人事件』――
 早川を動かして、真野に真相に辿りつかせ、彼の悲しみ苦しむ様を堪能したかったという事件構造は筋が通っていた。
 しかし、その真相や壇の心理が胸糞悪すぎた。



――千原ジュニアの演技について――
 壇の狂人振りや気持ち悪さに関しては、充分良かったのではないだろうか? 氏の持ち味?がとても生かされていた(笑)
 しかし、壇が刑事部長として振る舞う常識人振りや有能さがぎこちなさ過ぎた。



【その他の疑問点など】
・発見した時や疑問を感じた時のノンナの驚き方がわざとらしいというか、大袈裟と言うか……気になった
・真野と壇を乗せた運転手はどこに行ったのか?……気になる

 

【ストーリー】番組サイトより
 『武蔵野一家殺人事件』の真相を追う真野(錦戸 亮)は、早川(萩原聖人)とともに食品会社社長の佐保(袴田吉彦)に会いに行った。ところが佐保は、ボイラー室のガス爆発に巻き込まれて死んでしまう。佐保は、不審死を遂げたホームレスの新妻(伊藤高史)と同じく早川の教え子のひとりであり、真野の兄・義一(倉悠貴)をいじめていた主犯格でもあった。
 科捜研に戻った真野は、虎丸(船越英一郎)を交え、ノンナ(新木優子)と海塚(小雪)にこれまでの経緯を話す。真野は、『武蔵野一家殺人事件』の証拠品だった軍手に残されていた身元不明のDNA型と、妊娠していた姉・仁美(夏子)の胎児の絨毛のDNA型を鑑定し、その2つに親子関係が認められることを突き止めていた。つまり、仁美を妊娠させた相手が、真野の家族を殺した犯人である可能性が高いのだ。そこで真野は、佐保の心臓血のDNA型を調べたが、親子鑑定の結果は不一致だった。
 佐保が死亡したボイラー室に臨場した真野は、ガスの元栓部分に付着した手袋の皮革を発見する。その持ち主と思われる人物の皮膚片から採取したDNA型は、『武蔵野一家殺人事件』の軍手のDNA型と一致していた。新妻の事件同様、佐保の事件にも捜査の打ち切り命令が出た中、仁美の交際関係をもう一度洗い直す真野たち。そこで得た証言を基にさらに調べていくと衝撃の名前が浮かび上がる…。
 そんな折、科捜研に刑事部長の壇(千原ジュニア)が突然視察に訪れ…。

脚本:相沢友子
演出:松山博昭
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