英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2023王位リーグ 豊島九段-羽生九段 …最後は気持ちというが……

2023-05-09 17:44:21 | 将棋
昨日は、当事者(豊島-羽生戦の観戦者)しか分からない記事を書いてしまいました。

・序盤は研究を踏まえた早指しの豊島九段が、手拍子で指して形勢を損ね、2時間を超える大長考に沈む
・2時間の大長考後に指した手は最善手であったと思われるものの、AbemaTVの評価値は80%を超える羽生九段の大優勢
・羽生九段はその後、次善手を続けた(最善手を逃すことが多かった)のに対し、豊島九段が最善の指し手を続け、徐々に形勢は接近(それでも、まだ羽生有利)。その後、羽生九段の疑問手で、一気に互角になったが、豊島九段も間違え、△3六金と飛車馬両取りを掛けて、再び羽生優勢になった。豊島九段は、両取りに構わず後手玉に迫って、「飛車か馬のどちらを取るのか?」の二択局面に
・羽生九段、飛車を取ってしまい、一気に敗勢に(評価値17%)
・豊島九段が寄せを間違い、羽生九段が勝勢になったものの、羽生九段玉は打ち歩詰めで詰みを逃れているという危険な状態。頭の丸い角、桂以外の駒を渡せない状態(逆に言うと、角桂は渡して、詰めろを掛ければよい)

・果たして勝ち切れるか?…

 ……《歩以外の前に利く駒(香、銀、金、飛車)を渡さない》(渡す時は詰ます)という条件から、銀を馬から逃げつつ先手玉に迫る△5六銀が正解……ということは、プロならたどり着けると思うが、難解な局面を考え続けた消耗した頭脳や精神で、正着を導き出せるか?
 残り時間は31分。3分、6分、9分と過ぎていく。勝ち筋が見えないのか、見えているが、読み切れないのか……12分の考慮で銀をつまみ、(羽生九段から見て)斜め前に動かす映像を観た時は、本当にうれしかった。
 その後も、評価値98~99%になっても、誤ると一気に1~2%に転落する平均台のような細い道を進まなければならない。
 豊島九段も、香を逃げたり、角を打って詰めろを外したりと、抵抗を続ける。 
 …………そして、ようやく必至が掛かり、豊島九段が投了。………疲れた。

 以前はこれほど疲れなかったが、2,3年前は、逆転負けも多く、敗局後は打ちひしがれることが多かった。
 なので、勝勢でも全く安心できない(羽生先生、ごめんなさい)。

 そんな訳で、昨日は大変だったが、勝てば疲労も半減するし、回復も早い。(負けると疲労は倍増、回復も遅く、精神的ダメージはずっと残る)


 △5六銀の数手後、飛車で8九の桂を取った手が、詰めろになっていた。
 この詰めろ、先手の左翼方面を勢力下においていた銀や歩が、先手玉のいく手を遮ぎって詰んでしまうモノ。
 さらに、自陣で隠居して働かなかった後手の飛車角が、この詰みに大活躍する……

 《最後は気持ち》と思うことは多いが、この将棋は《最後は運か?》と感じた。
コメント (6)
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