無条件に容疑者(彬少年)を信じ、寄り添い、支えたい……幸子
判明した事実や確証だけを基に、判断する……右京
上記だと、右京は容疑者の無実を信じないように思われるが、あくまで予断を持たずに真実を追求する姿勢である。
月本幸子の決断とは
椎名智弘(小原唯和)たちの事件と、その後の彼とのやり取り、そして、今回の事件が幸子の決断を後押しした
「世の中の方が間違っている時は、他に方法がないということもあるんじゃないかと思う」
この彬の言葉が引き金になったと思われるが、ドラマ視聴中では、幸子が法を無視した過激な行動を取るか、彬を守るために自分の命を省みない行動を取るか………前編ラストから後編冒頭に掛けて、幸子が右京と対立するかのような構図があったので、前者かと思っていた。
「たとえどんな事情があっても、今は少年審判でも“何も知らなかった”では通らないんです。それが通用すれば、“知らなかった”と言って言い逃れをする者が次々と出てきてしまう。彼らを利用する大人たちが“捕まっても何も知らなかったと言えば済むんだ”とそそのかし、子どもたちを犯罪に引き込むを許すことになるんです」
「でも、彼らを利用した大人は捕まらない。捕まるのは利用された子どもだけ、大人は罪を犯しても捕まらずに逃げ延びる。違いますか?…それなのに彬くんは無実であっても罰を受けなければならないんですか?」
「彬くんは危険なものを持って逃げています。次に連絡があったら、必ず知らせてください」
「お約束……できません」
少年側の立場で補足する坂口淳の言葉
「今はな、何やったって正直者が馬鹿を見る世の中なんだよ」
幸子の選択
「“これからきちんと勉強して資格を取って、彬くんや淳くんのような子どもたちを実際にそばで支える仕事に就きたい”
……分かっていましたよ。あなたがそう決めたこと」
「私は本当に運のいい人間ですね。このお店を任せていただいた時から、杉下さんはずうっと待っていてくださったんですねぇ。私が自分で歩き出すのを」
「杉下さんに会えて、よかった………本当にありがとうございました」
幸子が歩いていく後姿………
………人がいなくなった“花の里”
まあ、幸子の《自分で歩き出すのを右京が待っていた》という解釈はともかく、幸子の旅立ち、別離となった。
サブタイトルが“幸子の覚悟”“幸子の決断”となっていたので、幸子の身に何か重大なことが起こるという気がしていたが、幸子の旅立ちはその予測を上回った。
でも、やはり唐突な決断であった。
幸子の決意の心内を推し量れそうなシーンは、椎名智弘からのハガキ、彬が幸子に投げかけた言葉、花の里でひとり物思いに沈む幸子、右京との対峙ぐらいで、具体的な表現はなかった。それに、この編以前にこれまで幸子の思索の描写もなかったように思う。
それから、“勉強して資格を取って、彬くんや淳くんのような子どもたちを実際にそばで支える仕事”は曖昧過ぎる。これは右京の推測なので抽象的になるのは仕方がないとして、その言葉を受けた幸子が今後の具体的な予定を語るのが普通であろう。
まあこれは、今後の脚本に幅を持たせる配慮と考えられ、幸子の再登場が期待できる。
漂流少年・彬と幸子の活躍
彬は淳の受け子の仕事に巻き込まれただけ。淳は、逆境に負けない彬に嫉妬していて(彬の父が仕送りしていたと思い込んでいたこともある)、警察に彬も仲間だとうその証言をしたのだった。
彬は淳の為、自分たちのような少年の為、詐欺組織の元締めを告発しようと奮闘し、幸子はそれを手助けしようとしていた。
彬の元締めのおびき出し策、幸子のスマホで彬の位置情報を把握する策、フィルムカメラでの撮影をフェイクにしてスマホ撮影画像を幸子にリレーする行為など見事な連携だった。
不満点Ⅰ 唐突な“手配師”・山口 と “元締め”・ダディの浮上
少年バスケットボールチームは突然すぎる登場で、怪しすぎる“ダディ”の存在も浮上
“受け子”発掘・確保の為のバスケチームは巧妙かもしれないが、バスケに汗を流す健全そうな少年が“受け子”になるのだろうか?
不満点Ⅱ 迂闊過ぎる元締め・ダディ
・元締めが“受け子”に顔を見せることはないだろう
・元締めが金の受け取り現場に近づくこともあり得ない
・情報屋が殺害され、その近辺を警察がマークしているのに、その情報ノートに拘るのは危険
・幸子に車のナンバーを撮られたが気づかない。隠れて撮っていたのならともかく、真後ろに立って撮っていたというのに…
第1話「ボディ」、第2話「ボディ ~二重の罠」、第3話「辞書の神様」、第4話「バクハン」、第5話「計算違いな男」、第6話「ブラックパールの女」、第7話「うさぎとかめ」、第8話「微笑みの研究」、第9話「刑事一人」、元日スペシャル 第10話「ディーバ」
第11話「密着特命係24時」、第12話「怖い家」、第13話「10億分の1」、第14話「そして妻が消えた」、第15話「99%の女」、第16話「容疑者 内村完爾」、第17話「倫敦からの刺客」、第18話「漂流少年~月本幸子の覚悟」
【ストーリー】番組サイトより
右京と幸子の関係に亀裂が!?
青年の思いに共鳴した幸子が命懸けの行動に出る!
リフォーム店の店主が殺害された事件の真相に繋がると見られるノートを持って姿を消してしまった彬(浦上晟周)。右京(水谷豊)は、彬が心を許している幸子(鈴木杏樹)に、「連絡があったら知らせてほしい」と頼むが、彬の思いを汲んだ幸子は、その依頼を拒否する。
別の手掛かりを求めた右京は、彼が所属していた私設のバスケチームを訪問。そのチームは、金銭的に恵まれない子供のために作られたもので、“ダディさん”と呼ばれる篤志家の寄付で支えられていた。
いっぽう、行方をくらましていた彬は、幸子と接触。幸子は、彬が自分一人で事態の収拾を図ろうと、危険な行動に出ようとしていることを察知し、協力を申し出るが…!?
そんな中、捜査を続けていた右京と亘(反町隆史)は、古道具店の店主・品田(鶴田忍)とその孫の直人(長谷川ティティ)の情報から、リフォーム店主殺害事件の背景に、驚くべき事実があることに気付く。
青年が手にしたノートには危険過ぎる秘密が…
右京と亘がたどりついた事件の意外な背景とは!?
幸子が下した決断が、特命係に衝撃をもたらす!
ゲスト:浦上晟周 鶴田忍 長谷川ティティ
脚本:太田愛
監督:橋本一
判明した事実や確証だけを基に、判断する……右京
上記だと、右京は容疑者の無実を信じないように思われるが、あくまで予断を持たずに真実を追求する姿勢である。
月本幸子の決断とは
椎名智弘(小原唯和)たちの事件と、その後の彼とのやり取り、そして、今回の事件が幸子の決断を後押しした
「世の中の方が間違っている時は、他に方法がないということもあるんじゃないかと思う」
この彬の言葉が引き金になったと思われるが、ドラマ視聴中では、幸子が法を無視した過激な行動を取るか、彬を守るために自分の命を省みない行動を取るか………前編ラストから後編冒頭に掛けて、幸子が右京と対立するかのような構図があったので、前者かと思っていた。
「たとえどんな事情があっても、今は少年審判でも“何も知らなかった”では通らないんです。それが通用すれば、“知らなかった”と言って言い逃れをする者が次々と出てきてしまう。彼らを利用する大人たちが“捕まっても何も知らなかったと言えば済むんだ”とそそのかし、子どもたちを犯罪に引き込むを許すことになるんです」
「でも、彼らを利用した大人は捕まらない。捕まるのは利用された子どもだけ、大人は罪を犯しても捕まらずに逃げ延びる。違いますか?…それなのに彬くんは無実であっても罰を受けなければならないんですか?」
「彬くんは危険なものを持って逃げています。次に連絡があったら、必ず知らせてください」
「お約束……できません」
少年側の立場で補足する坂口淳の言葉
「今はな、何やったって正直者が馬鹿を見る世の中なんだよ」
幸子の選択
「“これからきちんと勉強して資格を取って、彬くんや淳くんのような子どもたちを実際にそばで支える仕事に就きたい”
……分かっていましたよ。あなたがそう決めたこと」
「私は本当に運のいい人間ですね。このお店を任せていただいた時から、杉下さんはずうっと待っていてくださったんですねぇ。私が自分で歩き出すのを」
「杉下さんに会えて、よかった………本当にありがとうございました」
幸子が歩いていく後姿………
………人がいなくなった“花の里”
まあ、幸子の《自分で歩き出すのを右京が待っていた》という解釈はともかく、幸子の旅立ち、別離となった。
サブタイトルが“幸子の覚悟”“幸子の決断”となっていたので、幸子の身に何か重大なことが起こるという気がしていたが、幸子の旅立ちはその予測を上回った。
でも、やはり唐突な決断であった。
幸子の決意の心内を推し量れそうなシーンは、椎名智弘からのハガキ、彬が幸子に投げかけた言葉、花の里でひとり物思いに沈む幸子、右京との対峙ぐらいで、具体的な表現はなかった。それに、この編以前にこれまで幸子の思索の描写もなかったように思う。
それから、“勉強して資格を取って、彬くんや淳くんのような子どもたちを実際にそばで支える仕事”は曖昧過ぎる。これは右京の推測なので抽象的になるのは仕方がないとして、その言葉を受けた幸子が今後の具体的な予定を語るのが普通であろう。
まあこれは、今後の脚本に幅を持たせる配慮と考えられ、幸子の再登場が期待できる。
漂流少年・彬と幸子の活躍
彬は淳の受け子の仕事に巻き込まれただけ。淳は、逆境に負けない彬に嫉妬していて(彬の父が仕送りしていたと思い込んでいたこともある)、警察に彬も仲間だとうその証言をしたのだった。
彬は淳の為、自分たちのような少年の為、詐欺組織の元締めを告発しようと奮闘し、幸子はそれを手助けしようとしていた。
彬の元締めのおびき出し策、幸子のスマホで彬の位置情報を把握する策、フィルムカメラでの撮影をフェイクにしてスマホ撮影画像を幸子にリレーする行為など見事な連携だった。
不満点Ⅰ 唐突な“手配師”・山口 と “元締め”・ダディの浮上
少年バスケットボールチームは突然すぎる登場で、怪しすぎる“ダディ”の存在も浮上
“受け子”発掘・確保の為のバスケチームは巧妙かもしれないが、バスケに汗を流す健全そうな少年が“受け子”になるのだろうか?
不満点Ⅱ 迂闊過ぎる元締め・ダディ
・元締めが“受け子”に顔を見せることはないだろう
・元締めが金の受け取り現場に近づくこともあり得ない
・情報屋が殺害され、その近辺を警察がマークしているのに、その情報ノートに拘るのは危険
・幸子に車のナンバーを撮られたが気づかない。隠れて撮っていたのならともかく、真後ろに立って撮っていたというのに…
第1話「ボディ」、第2話「ボディ ~二重の罠」、第3話「辞書の神様」、第4話「バクハン」、第5話「計算違いな男」、第6話「ブラックパールの女」、第7話「うさぎとかめ」、第8話「微笑みの研究」、第9話「刑事一人」、元日スペシャル 第10話「ディーバ」
第11話「密着特命係24時」、第12話「怖い家」、第13話「10億分の1」、第14話「そして妻が消えた」、第15話「99%の女」、第16話「容疑者 内村完爾」、第17話「倫敦からの刺客」、第18話「漂流少年~月本幸子の覚悟」
【ストーリー】番組サイトより
右京と幸子の関係に亀裂が!?
青年の思いに共鳴した幸子が命懸けの行動に出る!
リフォーム店の店主が殺害された事件の真相に繋がると見られるノートを持って姿を消してしまった彬(浦上晟周)。右京(水谷豊)は、彬が心を許している幸子(鈴木杏樹)に、「連絡があったら知らせてほしい」と頼むが、彬の思いを汲んだ幸子は、その依頼を拒否する。
別の手掛かりを求めた右京は、彼が所属していた私設のバスケチームを訪問。そのチームは、金銭的に恵まれない子供のために作られたもので、“ダディさん”と呼ばれる篤志家の寄付で支えられていた。
いっぽう、行方をくらましていた彬は、幸子と接触。幸子は、彬が自分一人で事態の収拾を図ろうと、危険な行動に出ようとしていることを察知し、協力を申し出るが…!?
そんな中、捜査を続けていた右京と亘(反町隆史)は、古道具店の店主・品田(鶴田忍)とその孫の直人(長谷川ティティ)の情報から、リフォーム店主殺害事件の背景に、驚くべき事実があることに気付く。
青年が手にしたノートには危険過ぎる秘密が…
右京と亘がたどりついた事件の意外な背景とは!?
幸子が下した決断が、特命係に衝撃をもたらす!
ゲスト:浦上晟周 鶴田忍 長谷川ティティ
脚本:太田愛
監督:橋本一
後編のレビューが公開されてから感想を書き込めばよかったのですが、月本幸子の「卒業」に驚いてしまい、前編のレビューに思わず書き込んでしまいました。
月本幸子のことをおさらいさせていただきますと、Season4第19話『ついてない女』でメインゲストとして登場、Season6第11話・第12話の『ついている女』、『狙われた女』での再登場を経て、Season10第12話『つきすぎている女』で「花の里」の第2代女将に就任し、レギュラーになりました。
正直にいうと、私はキャラとしてはたまきのほうが好きでしたが、幸子が女将である「花の里」も悪くなかったと思います(レギュラー昇格前とキャラが変わった気もするのですが)。
さて、ストーリーについてですが、英さんも、山口と“ダディ”が後編になって突然現れたこと、黒幕の“ダディ”が小物かつポンコツすぎること、の二点にはご不満のようですね。私もその点が大いに不満です。
実をいうと、“ダディ”が現れたとき、私は「こいつは替え玉で黒幕は別にいる」と思いました。いくら何でも、黒幕がのこのこ出てこないだろうと。それが、まさかの本人登場だったとは。
さて、これから「花の里」はどうなるのか。おそらく女将がたまきから幸子に交代したのは、たまき役の高樹沙耶さんが突然降板してしまったことに対する窮余の一策だったのではないかと思います。
しかし、今回はラストシーンでわざわざ誰もいない花の里を映したことをみても、「花の里」そのものが卒業なのかもしれないと思っています。そのあたりは、今後の展開を見守りたいと思います。
その他、気になったことです。
○顔写真を撮ったくらいで、詐欺の黒幕という証拠になるのだろうか?
○山口が元宮を殺害した理由は何だったのだろう?
月本幸子のおさらい、ありがとうございます。
幸子が「花の里」の女将になった時は、かなり意表を突かれました。
悪くはない、面白いと思ったのですが、やはり、違和感はありました。
でも、徐々にこなれてきて、『相棒』にはなくてはならない存在になりました。
番組サイトの記事で、彼女は
「幸子さんは私にとって“誰よりもよくわかる人”。“幸子さんだったらこう言うだろうな”“幸子さんならこんな風に考えるだろうな”というのが、手に取るようにわかるんです」
と語っていました。
今回の話も、杏樹さんだったから、演じられたように思います。
回想シーンは懐かしかったです。
杏樹さんも円熟味を増したというか、最初のころとは、かなり変わりましたよね。
>“ダディ”が現れたとき、私は「こいつは替え玉で黒幕は別にいる」
なるほど、それだったら、もっと面白かったですね。
でも、となると、真のダディを誰にするかが問題になります。
最後だけに出てきて、≪誰これ?≫では駄目ですし、鶴田さんだと面白いかもしれませんが、違う話になってしまいそうです。
>○顔写真を撮ったくらいで、詐欺の黒幕という証拠になるのだろうか?
まあ、証拠にはならなくても、正体がつかめれば良しということで。
>○山口が元宮を殺害した理由は何だったのだろう?
そうですね。
そもそも、あのあと、山口は登場なしだったですよね。(見逃したかもしれません)
幸子に重点を置きたかったので、省いたのでしょう。