英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

藤井-豊島戦を観て、感じたこと その1

2021-10-13 16:09:29 | 将棋
 竜王戦、挑戦者の藤井三冠が先勝した。
 これで両者の対戦成績は9勝9敗の互角となった。しかし、風は完全に藤井三冠に吹いている。初対戦から豊島竜王が6連勝したが、その後は藤井三冠の9勝3敗(直近の6局では藤井三冠の5勝1敗)、豊島竜王の挑戦を受けた王位戦は4勝1敗で防衛、叡王戦は3勝2敗で藤井三冠(当時は王位・棋聖の2冠)が奪取している。
 ここ数局の対戦を観ていると、《将棋とは“結局、藤井君が勝つゲーム”なんだなあ》と、思ってしまう(少し前までは、羽生九段が例えに上がっていたのに……)

 竜王戦第1局もまさにそんな一局だった。
 図だけ挙げさせていただくが、非常に難解な将棋を、豊島竜王が巧妙に指し進め優勢に進めた。
 最近の将棋は、「飛車先の歩の交換を優先しない」「横歩を取る、取らせるの駆け引き」「後手の角道を開けるタイミング」など本当に複雑だ。

 第1図の△2四飛に対して▲2七歩と打たされて、藤井三冠にとって思わしくない将棋となったようだ。
 第2図では藤井三冠の歩得ではあるが、先手の飛車が窮屈。
 第3図は両者の大駒が絡み合う局面だが、豊島竜王は精密に指し進める。
 第4図は▲6六角打と飛車取りと▲2二角成を見た手に対して、強く△7六歩と応じる。藤井三冠はしかたなく▲8八角と譲歩したが、この歩が入ったのは大きそう。以下。△8五飛▲7四歩の桂取りに対し、△8七歩▲9七角を利かせて△6五桂と跳ねだし、快調そう。

 以下少し進んで

 桂打ちに対し、1時間19分の長考をしたが、▲6六金とよろけるしかなかったようだ。局後、藤井三冠は「☖4四桂を打たれて、けっこう痛い気が…」という感想。
 確かに、下段に居た方が良いとされる金(支配力を発揮する中段金になる場合もある)が4段目に誘い出され、7七の角の利きを遮ってしまう悪形になってしまった。
 ▲6六金以下、☖8八歩成☗8八同銀☖7八飛☗4七玉(第6図)と進め、傍目には豊島竜王が決めに行ったように思えた。


 ここで、豊島竜王は△7七飛成▲同銀△8九飛成。

 飛角交換のやや駒損ながら、もう一方の飛車を成り込む‥‥部分的には第一感で、アマ初段以上なら、まず、考える手であろう。
 しかし、直後に▲7一飛(第7図)と打たれてみると、先手の7四の歩と9七の角と打った飛車が、後手陣の7三と5三の急所を捉えていて、予想以上に厳しい(さらに、その両地点を捕捉する6五へ打つ桂も持駒にある)

 対する先手陣には、厳しい攻めがない。一見、△6九角が好点の角打ちに見えるが、▲5八桂と合駒をされると、二の矢がない(持ち駒の桂を使わせるという利点はあるが)。
 形勢は逆転。ただ、決定的な差ではなく、実際、第8図で△8一歩と打てば、ほぼ互角だったらしい(図の▲7九歩が疑問手で▲7一龍が正着)。



 とは言え、そういう紆余曲折はあったが、第7図の▲7一飛と打たれてからは、後手が勝てない流れだったようだ。

 投了図では、後手の龍も馬も働かず悲しい情況。


 やはり、分岐点は第6図の局面

【棋譜中継の解説】
 ☖7七飛成に代えて☖3六桂が有力と見られていた。☗3六同玉は☖8七歩(変化図1)が狙い。

 以下☗6五桂☖8八歩成☗9五角には☖同飛で後手よし。☖3六桂に☗7六金は☖4八桂成☗同金☖8八飛上成☗同角左☖3六銀(変化図2)が厳しい。
 ☖3六桂に☗7三歩成☖同銀☗7九歩は、☖7七飛成☗同銀☖2八桂成でこれも後手がいい。以下☗8八歩には「☖8一飛の形が堅いので」と藤井(変化図3)。

 豊島は「先が長そうなのでよくわからないですけど、本譜よりはよかったですかね」という。
【引用 終】


 上記の☖8一飛と引かれる手を避けて、☗8八歩とせずに▲7一飛と打ち込む手も考えられるが、以下△8二銀▲2一飛成△3一金▲同龍△同銀▲5四桂と絡む手には△6九角で後手勝勢に近い。

 図以下▲5八桂なら△5四歩と桂を取り、▲3一角成に△3五桂でよい。


 叡王戦を4勝1敗で制し、3冠目を獲得した藤井三冠が、返す刀で豊島竜王を斬るか(豊島竜王は、3連続で斬られることになる)……4冠獲得、竜王位に就くことになれば、「藤井聡太が覇権を握った」と言及しても異論を唱える者はいないだろう。
 その第1局を藤井3冠が制した。
 本記事冒頭の繰り返しになるが、《結局、藤井三冠が勝つのか》という印象が強い。
 これも繰り返しになるが、豊島6連勝の後は、藤井の9勝3敗(タイトル戦も藤井の2連勝)。
 羽生ファンとして言わせていただくと、
「“史上最年少の四冠達成!(羽生九段の記録を破る)”というフレーズを見たくない。
 豊島くん、頑張れよ!」

 羽生九段は豊島竜王に7連敗中。正直、あまり(←“全く”ではなく“あまり”と言わせて)勝てる気がしない。
 そんな豊島竜王が藤井三冠にぼろぼろ負けるのは、ちょっと……

 そんなことを考えつつ、第一局の終盤を観ていた……そんな中で、豊島将棋について一つの仮説が浮かび上がった

「その2」に続く
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新型コロナウイルス その121「 財務省審議会、“コロナ病床確保の医療機関への補助金 検証を”と言うが、手ぬるいぞ!」

2021-10-12 09:04:47 | 時事
以前、取り上げたコロナ病床確保の医療機関への補助金問題
【参照】
その116「尾身会長関連病院の新型コロナ病床の補助金」
YAHOO!ニュース『【独自】コロナ病床30~50%に空き、尾身茂氏が理事長の公的病院 132億円の補助金「ぼったくり」』9月1日『YAHOO!ニュース』


それについて、財務省審議会で“意見が交わされた”らしい。

【以下はNHK NWES WEBからの引用】
昨年度、国立の医療機関の中には、14億円余りの補助金を受け取る一方、受け入れた患者の数が25人にとどまり、患者1人あたりの補助金額が5916万円にのぼった施設もあり、財務省は、受け入れの実態把握や補助金の実効性の検証が必要だと指摘しました。

これについて委員からは、病院側に病床の利用率などのデータの公開を求める意見や、感染の拡大が落ち着いた今こそ、医療の提供体制の見直しを議論すべきだといった意見が出されました。

【引用 終】

「病院側に病床の利用率などのデータの公開を求める意見が出された」って、手ぬるすぎる!
データの公開を要請し、詳細に検証し、不適切な補助金については返還を求めるべきだ。


尾身分科会会長関連については、分科会で追及すべきであろう。
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東京中心の気象報道

2021-10-11 23:34:39 | 気象
また、いつもの戯言(たわごと)だと思ってお読みください(以前も、こことかこことかここでぼやいています)

 今夜の日本テレビの夕方の報道?番組『news every』で、今日の天気に触れて
「今日の東京は暑くて30℃近くまで気温が上がり、真夏のようでした」というような感じ(正確な言い回しは忘れました)で、報じていました。
 東京の機能の気温は26.7℃で、今日が29.3℃。観測地点は東京。(気象庁の気温を観測する東京都の他の地点は、練馬、羽田、江戸川臨海、府中、八王子、青梅、小河内‥‥島を除く)
 まあ、確かに暑かったのですが、「今日は」という表現に引っかかりを感じてしまいました。

 西日本は、10月とは思えない暑い日が続いています。特に九州は暑く、熊本市などは10月はすべて真夏日。(9月下旬から今日まで17日連続だそうです)
 つまり、ずっと暑くて、今日だけ暑かったわけではないのです。
 東京の今日の気温が34℃とか、昨日は15℃だったとかだったら、今日の暑さについて力説してもいいと思うのですが。

 ちなみに、今夜の『報道ステーション』(テレビ朝日)でも東京の暑さをメインに語っていましたが、熊本の連続真夏日など西日本の暑さについても触れていました。


 今日から明日にかけて、寒冷前線が来たから下がってきて、平年並みの気温に戻るそうですが、これについても、『news every』では
「明日は寒くなるので、服装に注意してください」と呼び掛けていましたが、西日本はまだ暑いです。熊本の予想最高気温は32℃、大阪でも29℃あるそうです。
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バスケットボール女子アジアカップ2021 決勝 日本-中国

2021-10-07 21:28:30 | スポーツ
 準決勝で何とかオーストラリアを破った日本だが、決勝の相手の中国の戦いぶりを考えると、決勝は厳しいと見ていた。
 実際には中国の試合を観ていないが、予選リーグでオーストラリアを82-64、準決勝で韓国を93-69で破っており、平均身長で10cm近く日本を上回っている。
 (中国-オーストラリア戦の前半は40-39でほぼ互角だった)

 このスコアはFIBAの公式サイトで知ったもので、BS-TBSの大会ホームページには載っていなかった。
 また、決勝トーナメントで「各組2位 対 3位」の準々決勝が組まれていたのも、FIBAのページで初めて知った。
 準決勝の日本戦のタイムアップ直後、オーストラリアの選手は疲労困憊状態だったが、連戦の疲れもあったのだろう(準々決勝のオーストラリア対ニュージーランドは72-61)。



 日本 2-10 中国……《決勝戦は厳しいかも》という危惧を具現化したような出だしのスコアだ。
 プレー自体はそれほど悪くない。オフェンスはプラン通りのプレーでシュートを打っている。ディフェンスもマークを外してしまうというミスはない。
 ただ、高さを警戒しているのか?決勝戦ということで力が入っているのか?微妙なタッチが狂い、リングに入らない。
 失点はディフェンスのミスと言うより、中国が高さを利用した裏を通すセンタープレーヤーへのパスを通したり、ポストプレーからのパスを受けたカットインや、単独の鋭いドライブシュートなどが、日本のディフェンスを上回ったという感じだった。
 ただし、このままの状態が続けば、中国の圧勝という展開になってしまう。


 この流れを断ち切ったのが宮崎。4-12から3Pシュートを決め、その直後、ボールを運ぶ中国のガードプレーヤーの不用意なパスをカット。そのまま、ドリブルシュートで、日本9-12。
 さらに、リバウンドを拾った林からボールをもらい、そのまま、ドリブルで持ち込みシュート(ほぼ、コースト・トゥ・コースト)。

 あっと言う間に11-12。
 非常に良い流れでスタートした中国だったが、何が何だか分からないうちに1点差。しかも、日本の11点はすべて宮崎。キツネにつままれた気持ちだったのでは?
 おそらく、絶好のスタートに気の緩みが生じたのだろう。
 しかし、中国も踏ん張り得点、日本11-16と5点差に押し戻す。

 日本はリング下へのパスを中田がキャッチミスするなどまだピリッとしなかったが、林が積極的にリングに向かいファールをもらってフリースローを2投決め、13-16。
 オコエや馬瓜ステファニーもシュートを決めるなどして、第1Qは日本19-21。

 ワンサイドゲームになりかねない開始直後の展開だったが、宮崎の得点を上げて流れを変えたため、他の選手も徐々にペースを上げ、プレーの質も良くなっていった。
 特にディフェンス。クォーター中盤からマークを厳しくし、ボールマンへのダブルチームも早くなり、中国に好きにプレーをさせなくした。準決勝の対オーストラリア戦での厳しく激しくしつこいディフェンスが復活した。

 第2Q以降は、一進一退の攻防。互いにペースをつかんだ時間帯があったが、ミスが出るなどして突き放すことはできなかった。
 勝負の行方は最後の最後まで分からない白熱のゲームとなったが、最後まで運動量を落とさず、厳しいディフェンスを貫いた日本が、ゴールを突き抜けた。

日 本  78ー73  中 国
(残り時間0秒でのファールによるフリースローの2点があり、実質は76-73)
 日 本|19|17|16|26|=78
 中 国|21|18|18|16|=73


【勝因】
①宮崎の得点(シュート)、アシスト、ゲームメイク、リバウンドなどの大活躍
②宮崎⇒オコエのホットライン。オコエの縦への突破力は凄かった
③馬瓜ステファニーの変幻自在の攻守。《えっ?そんなことできるの?》と相手プレーヤーを幻惑させるディフェンスやオフェンスだった。
④素早いダブルチーム、身体を張った赤穂、林や東藤などをはじめとする運動量が半端ないディフェンス(マーク)




解説していた高田選手に、《うかうかできないぞ》と思わせた素晴らしい準決勝、決勝だった。
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バスケットボール女子アジアカップ2021 準決勝 日本-オーストラリア

2021-10-03 20:58:12 | スポーツ
決勝が始まる前にと、走り書きです(ご容赦ください)

 世代交代を考えて、代表メンバーは若手中心。
 オーストラリアも五輪代表は一人もいないとのこと。とは言え、平均身長で大きく上回り、各メンバーもポテンシャルは高くかなりの強敵だ。

 日本のスターティングメンバーは★宮崎早織(PG)、★林咲希(SG)、★赤穂ひまわり(SF)、☆馬瓜ステファニー(PF)、★オコエ桃仁花(PF)。おそらく、現メンバーではベストの布陣であろう(★は五輪代表、☆は3X3五輪代表)。
 五輪メンバーの内、高田、町田、宮澤、馬瓜エブリン、長岡、本橋、三好は代表から外れていた。今回の他の代表メンバーは、★東藤なな子、☆山本麻衣、根本葉瑠乃、永田萌絵、☆西岡里紗、中田珠未、宮下希保。

気がついたことを箇条書きに
①ディフェンスがよかった。特に、ボール保持者へのプレッシャーが強く、スティール機会が多かった。とにかく、しつこかった。
②馬瓜ステファニーが攻守に光っていた。もともと、ポテンシャルは高かったが、積極性が増していた。
③赤穂も攻守に活躍。ディフェンスでよく頑張り、高田の代わりを果たしていた。今回代表メンバーの柱と言って良い存在だった。機動力もあるので、オフェンスはオールマイティ。
④宮崎はスピード、3P、ドライブ、そして、アシストと、オフェンスメークの司令塔、兼、機関銃的?オフェンスを担っていた。若干、一本調子のオフェンスになりがち。オフェンスが機能しなくなった時の、打開力に欠ける。
 ドライブやペイントを攻めたりして、外郭シュートのマークを緩く指せる工夫も必要。
⑤その意味で、4Qの中盤で、三田崎をベンチに下げ、クールダウンさせたのはベンチのファインプレー。コートに戻って最初のプレーは、中にドライブしての外郭で待っていた林へのパスだった。これを見事に林が3Pシュートを決めた。(ベンチの指示があったのではないだろうか)
⑥オコエも3Pシュートの確実性を上げ、1対1のオフェンスもキレを増した。ただし、やはり、プレーに雑なところ、周囲を見ないところも見られた(かなり改善されていたようには思う)。
 準決勝は少しプレータイムが短かったような気がした。
⑦林は、ここぞというときに3Pシュート(ドライブシュートも)を決めていた。さすがである。
⑧山本はバックアップの控えとして使えそう。ドライブ力、シュート力、運動量もある。メンタルも強そう。
⑨根本も本来のシュート力を取り戻しつつあるようだ。
⑩チーム全体でリバウンドも頑張っていた。
⑪現チームだと、もう一人PGが欲しい。永田をもう少し使っても良かったかも(決勝では良くなかったなあ)。代表に入っていない安間も面白いPGだと思う。

【中継について】
・スコアボードの得点の間違いや、反応の遅さが目立った。
・実況の小笠原アナはアナウンス力はあるが、プレーを把握できていないシーンが時折あった。(解説をうまく引き出したり、即座に表現する能力は高い)

日     本  67ー65  オーストラリア
 日     本|20|11|22|14|=67
 オーストラリア|12|24|19|10|=65




中国戦は厳しいかもしれない……
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【歳時メモ】 コスモス、セイタカアワダチソウ、芒、蕎麦

2021-10-01 14:58:51 | 歳時メモ
「歳時メモ」と勝手に銘打っていますが、このカテゴリーの意味は、植物の様子や気候などをメモして、翌年以降に現記事を振り返ると、季節の進み具合が分かりやすいかなと思い、記事にしています。
と、述べていますが、「歳時メモ」の前回記事は5月13日。これでは、「歳時メモ」の主旨を果たしていないですね。
何しろ、花火、祭、マラソン大会など歳時的な行事が軒並み中止となっており、季節感(月日の経過感)が薄れており、季節を感じる心も薄れてしまっていました。心の余裕がないということもあります。


 コスモスは今が最盛期(ここ数年、コスモスが減ってきているような気がします。私の行動範囲や回数が減っているせいかもしれません)
 セイタカアワダチソウはてっぺん部分の黄色が濃くなってきました。今年は、例年より、草丈が高いように感じます。
 も、セイタカアワダチソウに負けじと、穂を広げてきました。
 蕎麦は今も最盛期(少し最盛期を過ぎているかも)
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