エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

第22回四万十川ウルトラマラソン ~かなり私的な完走記(5)~

2016年11月04日 | 四万十川ウルトラマラソン~レポート

■5■

中半(なかば)地区に突入。

地元民だからこそ知っているが「中半は長い・・」

「70km以降からウルトラが始まる」。

そう云われる位、ここからが正念場となる。

1車線の細い道に後ろからバスが入ってくる。

山際に避けるついでに見上げるとバスには多くのランナーが収容されている。

リタイアバスの中から見えるコースの景色は知っている。

バスの下に見えるランナー達はヨレヨレで、しかしなお前を向いてゴールを目指し頑張っていて、

「自分はどうしてあきらめてしまったのだろう・・」と自分を責めたりするものだ。

走りながらリタイアバスをやり過ごす。

長い中半地区も終わり、久保川地区に入る。

【79.5km】第5関門。

関門時間はまだ40分残す。

ここまで頑張ってきたおかげで、近年の自分のペースに追いつき、追い越せてきた。

【80km地点通過】。

ボランティアスタッフがいいことを教えてくれた。

「ここからはキロ9分でも30分おつりがきますよー!」

おおっ、うれしい!かなりうれしい!

通りすがりの男性ランナーが大きな声で、

「あ~あ、あとたったの20kmしか四万十を楽しめないんだ~~!」

・・・いや、残念ながら自分はそんな心境にはなれない。

やっぱり「あと20kmもあるのか・・」というのが本音。

キロ9分はうれしいが、脚が動くうちは頑張る。

周りのランナーも同じ気持ちなのか、走るランナーが多い。

これまでの経験で、まわりに走るランナーが多いときは完走ペースに乗っているはず。

前を行く赤シャツの青年ランナーに追いつき、声を掛ける。

「キロ9分でもおつりがくるそうですよ!」

青年「そうなんですか!初めてなんで今がどうなのかさっぱりわからなくて・・」

  「ウルトラのゴールの感動を体験してみたいんで、頑張ります!」

「頑張りましょう~!!」

ランナー同志の会話というのは気持ちのリフレッシュに最適で、

疲れ果てた体をなお動かしてくれる。

鵜ノ江地区に入る。

雨の中、坂道をのぼる。

「お~い!がんばれ~!!」

車の中から知り合い女性にエールをもらう。

知り合いも結構いるが、四万十ウルトラは沿道の応援があたたかい。

どこを走っても「頑張れー!」と応援してくれたり、お年寄りは手を叩いて励ましてくれる。

四万十ウルトラの醍醐味は【美しい自然とあたたかい応援】にある。

鵜ノ江のトンネルをくぐるとオートキャンプ場「かわらっこ」に到着する。

「かわらっこ」がある田出ノ川地区は死んだ母の出里であり、我らがチーム飛脚の応援ポイントでもある。

「お待たせー!」

大きく手を振って応援隊にアピールする。

飛脚応援隊。


「完走ペースやね~~!」

「そうそう、このまま行けたら久し振りにメダルもらえるかもね!」

長く待たせたくせに、たいした愛想もふらず先を急ぐ。

2車線の県道を横にそれて川登地区の旧道に入る。

民家が多く、声援も多い。

【86.9km】第6関門。

大川筋中学校のすぐ横が関門所。

関門時間は30分を残す。

曇天のせいで暗くなるのが早い。

三里地区に入るころにはすぐ横の四万十川が暗くて見えなくなった。

「何だか気持ちのいい音楽が聞こえてきてるよ」

後ろを走る2人の女性ランナーの話し声が耳に入った。

沿道の応援にスティールパンの演奏をする2人組が現れた。

60kmの部に出場している女宴会部長はスティールパン奏者でもある。

きっとこの心地よい音色の応援に喜んだことだろう。

そういえばここまでオカリナおじさんなどの演奏応援を見かけることはなかった。

やはり雨のせいか・・・。

【89km】給水エイド。

「手を洗いませんか~?」

大きなバケツの前で柄杓を片手に見覚えのある顔が現れた。

実姉がボランティアスタッフとして働いていた。

「おおっ、ビックリした~」

「アンタ、せっかくやし手ぐらい洗っていってよ!」

「いや・・寒いからエエわ」

姉は保育園の園長先生、市の職員としてボランティア参加しているようだ。

【90km地点通過】

辺りは真っ暗になり、雨も強くなってきた。

山道のカーブではボランティアのみなさんが自家用車のライトを照らしてくれる。

ヘッドライトが照らす地面は雨が激しく打ち付けている。

【90.9km 給水エイド】

エイドで蛍光スティックを渡される。

暗くて分かりづらいがここは三里沈下橋近くの採石場。

あと9km・・。

前後を行くランナーの間隔が空きはじめ、孤独になることが多くなる。

暗闇で雨に打たれ続け、ついにメンタルも折れ始めた・・。

■5■


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