エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

エルソル大阪物語■10■「危険な・・・」

2018年01月13日 | エルソル大阪物語

■10■


【危険なゲーム機】

学校帰りにクラスの連中とも遊ぶようになりました。
高島屋からすぐの「千日前大劇」のゲーセンにみんなで行きました。
千日前には「なんば花月」などがあり、アーケードの中はとても賑やかでした。

ゲーセンには「危険」と噂される体感ゲームがありました。
自転車にまたがり、
実際に漕いでバーチャルな相手(映像)と戦う「競輪ゲーム」です。

上田「こんなんの何処が危険やねん!」

トップバッターで僕が挑戦しました。
1回戦(30秒)2回戦(30秒)と必死に漕いで準決勝に辿り着きました。

準決勝が難関でした。
約1分、全力で漕ぎ続けなければなりません。
結局そこで負けて、その場にへたり込みました。

そしてすぐに気分が悪くなり、遠くの壁際まで走りました。
その様子をクラスの連中がゲラゲラと笑いました。

福嶋「情けねぇのう、オレの必殺の脚を見せたるワ!」

陸上部出身の「えひめ福嶋」が挑戦しました。
必死に漕ぎましたが、やはり準決勝で負けました。
福嶋も顔を真っ青にして、どこかに走っていきました。
みんながゲラゲラと笑いました。

その辺りから、
「この自転車ゲームは危険や・・」という声が漏れ始めました。

辻神「ほほう~!やったろうやんけ!」

ついに「恐竜辻神」が挑戦しました。
魔の準決勝も暴れ馬のように「ダーーッ!!」と言いながら物凄い形相で漕ぎつづけました。
そしてついに勝ち、大いに盛り上がりました。
と同時に、辻神も真っ青な顔でどこかに走って行きました。

残された決勝戦の「1分間」を戦える者はもういませんでした。


【危険なトイレ】

ゲーセンの上の3階にはビリヤード場がありました。

映画「ハスラー2」の影響で、連日混雑していました。
1時間待ちは当たり前で、辛抱強く待ちました。

珍しい瓶の自販機があり、僕はよくわからない炭酸飲料を飲みました。

ビリヤード中に急にお腹が痛くなりました。

上田「アカン、スマン、ちょっとトイレに行ってくるワ」

やたらと長い通路を早歩きで向かいました。
もう下痢の方が予断を許さない感じでした。

急いでトイレに駆け込み、和式トイレにしゃがみ込みました。
やはり下痢でした・・

間に合った喜びも、一瞬にして凍りつきました。

「紙が無い・・」

少しの間、「神のみぞ知る」と書かれた壁の落書きを見ながら考えました。
誰も居ない事を確認して、ケツ丸出しで隣のトイレに移りました。

「・・ここにも無い」

「掃除道具入れ」、
もうこの扉に賭けるしかない・・、祈る気持ちで扉を開ける。

「・・・・・」

さて、困ったぞ。
しばらく考えました。
その間も人の出入りがありません。

「むむむ、くそ~、これしかないか・・」
仕方なく自分のパンツを犠牲にしました。
しかし、下痢のケツはパンツで拭いただけでは物足りません。

「むむむ、くそ~、これしかないか・・」
仕方なく靴下を犠牲にしました。

何とかキレイに拭けました。
ノーパン・ノー靴下でビリヤードに戻りました。

「上田、遅かったな~、下痢か?」
「そうそう、腹痛かったワ、あ~すっきりした」
足元を見られないように気を付けました。

「アカン・・俺も腹痛ぅなってきた」
同じく瓶の炭酸飲料を飲んだ中卒の幼顔「仲田」がトイレに向かいました・・。

仲田もやはりなかなか帰ってきません。

しばらくしてそ~っと帰ってきた仲田の足元には・・、

「靴下」がありませんでした。


【危険な焼肉屋】

夏も近い頃、
「しゃーないな、お前ら貧乏人に焼肉食わしたるワ!」
バイトばかりしている高卒組「前道」が、焼肉を奢ってくれることになりました。

「前道」「上田」「えひめ福嶋」「和歌山水落君」の4人で、
天王寺美章園の食べ放題の焼肉屋に向かいました。

前道「時間食べ放題やからいっぱい食ってえーぞー!」

バイキング形式で、
みんな皿に肉を山盛りに乗せてテーブルに戻ってきました。
それでも若い僕達は物足りず、2回目はさらに肉をてんこ盛りにしました。

「おい!お前ら!!持って行った肉は責任持って食えよ!」
何やら怖~い店員さんに注意されました。

水落君「あの張り紙見てみ、これ、ヤバいんちゃう?」

【食べ残し厳禁!!】

目の前にはまだまだてんこ盛りの肉がありました。

前道「何言ってんねん!イケるイケる、まだまだみんな大丈夫やろ?」

上田「いや・・オレそろそろもうええワ・・」

前道「え?嘘やろ上田!まだイケるでなぁ福嶋!」

福嶋「もう無理やのう」
  「さっきから口の中で肉がガムみたいになって飲み込めんワ」

前道「マジか!?」

みんなそろそろ限界にきていました。

怖~い店員さんがこっちを伺っています。

「う”っ!!」
水落君がほっぺたを膨らまし、トイレに走りました。

少しして帰ってきた水落君が、
「あ~すっきりした~、吐いてもうた」と言いました。

「!!!」
「それや!それでいこう!!」
上田、前道、が口一杯に肉を頬張り、トイレに向かいました。

肉がなくなりホッとした頃、

福嶋がデザートを山盛りで取ってきました。

「お前な・・・」

みんなで福嶋を睨みました。

■10■


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