エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

エルソル大阪物語■17■「東京へ行こう!」

2018年01月16日 | エルソル大阪物語

■17■


学校は3学期に突入しました。

上田「東京へ行こう~!」

中古車を買った『ぷっつん女子富長』を冷やかしました。

富長「行こう!行こう!」

上田「え?マジ?・・」

1月の終わり、
「上田」「えひめ福嶋」
「ぷっつん富長」「オカッパ中崎」の男女二人ずつで
「東京旅行」に行くことになりました。

1泊2日で、
お金がないので僕の友達のところに泊めてもらいます。

早朝、
難波で「福嶋」「中崎」と合流し、近鉄電車で三重県の名張に向かいました。

名張駅には既に「富長」が愛車で待ち構えていました。
真っ赤なニッサンマーチでした。

ペーパードライバー達の無謀な旅行が始まりました。
最初の運転は「富長」でした。

車の中の音楽は「中村あゆみ」と「サザンオールスターズ」の繰り返しでした。

富長「私さあ、サザンが好きでな~」
  「よく大きな声で歌ってたんやけどな~」
  「サザンの歌詞ってほとんどエロエロなんよ」
  「もうめっちゃ恥ずかしい思いしたワ~」

後部座席に座る男組は地図でナビゲートです。
ナビといってもほとんどが高速なんで、たいしてやる事はありませんでした。

福嶋「ヤバい・・上田・・見てみ」
福嶋が自分の股間を指さしました。

福嶋「お前はどうや?・・」

上田「もう、ええっちゅうねん!」

(助手席から振り向き)
中崎「アンタらやっぱりホモのニオイがするワ!」

上田「何やねん!ホモのニオイって、どんなニオイやねん!」

トイレ休憩のパーキングに入るたびに運転を替わりました。

「中崎」が運転していたとき、パトカーにサイレンを鳴らされました。
路肩に誘導され、「中崎」はパトカーの車内に連れていかれました。

「シートベルト違反」でした。
運転席・助手席のシートベルトが義務付けられたばかりで、
何だか「損」した気分でした。

僕に運転を替わりました。
後部座席の二人が身の上話を始めました。

富長「私の姉ちゃん、ヤクザと付き合っててな、家出て行ってんよ」
  「お父さんなんか毎晩飲み屋の外人連れて帰ってくるし・・」
  「お母さん死んでからロクなこと無いワ~」
  「あ、弟はごっつい真面目でエエ子やけど・・」

中崎「私の彼氏な、ワルでな、今ヤクザに誘われとるんよ~」
  「彼氏追っかけて岡山から出てきたのに・・困るワ~」

福嶋「中崎、お前何で理容師選んだんや?」

中崎「倉敷の実家は散髪屋なんよ」

理美容学校生に「二世組」が多いのは事実でした。

上田「富長は何で美容師よりも理容師やったん?」

富長「いや~、それ聞くか~、う~」
  「いい男探しかなぁ~」
  「お客さんも男ばっかりやからな~」

上田「ウソやろ!?」
  
中崎「カヨちゃん、マジらしいで・・」

車の中も「疲れ」が見え始め、福嶋は寝ていました。

富長「もうちょっとで着くでー!」
確かに車はビル群の中を走っていました。

中崎「キャーーー!!東京タワーやーー!!」
天下の「東京タワー」を見ながら、久しぶりにテンションが上がりました。

「地図組」も再び張り切り、「目黒」を目指します。

思いのほか、簡単に「目黒駅」に到着しました。
僕は急いで公衆電話から友達に連絡しました。

「お~い!着いたぞー!」

「目黒駅」に迎えに来たのは幼馴染の「ヒロト」でした。
「ヒロト」は現役の東大生でした。
「ヒロト」の実家は病院でお金持ちでした。
院長の父親が東京出張時に使うマンションが目黒にあり、そこを自宅にしていました。

「ヒロト」のマンションは「日の丸自動車教習所」の近くで、下り坂の途中にありました。
3LDKでリビングは20畳くらいありました。

富長「うひょ~~、ヒロト君!ボンボンやなあ~♪」
福嶋「すげ~のう!すげ~のう!」 
中崎「カヨちゃん見てみ!この風呂!広いで~」

ここからは男女別行動で出掛けました。
「上田・福嶋組」「富長・中崎・ヒロト組」に別れました。

僕とのジャンケンに勝った福嶋は大喜びで叫びました。
福嶋「トントンを見に上野動物園に行くぞーー!!」

上田「・・・(パンダかよ)」

東京の電車は自動改札ではありませんでした。
「上野駅」に着くと地下通路にはたくさんの浮浪者が寝ていました。
その列は永遠と続いていて、とても危険な感じがしました。

通路を出て10分も歩かないうちに動物園に着きました。
ちょうど午後4時です。

「園内には入れますが、パンダはもう見られませんよ」
受付のおねえさんが申し訳なさそうに言いました。

福嶋「くやしいのう・・トントン・・」

上田「どうする?せっかくやから入ろうや!」

福嶋「トントン見れんのやったら入場料もったいねぇのう」

上田「うそやろ?行かんのか!?」

福嶋「見たかったんはトントンだけやけんのう」

近くの「不忍の池」に行きました。
池の蓮は枯れ果てて鴨の集団だけが目立ちました。
池の向こうにはネオンのビル群が見えていて、「池」と「ビル」はとても不自然な風景でした。

結局「渋谷」「新宿」「六本木」をブラブラして帰りました。
どの駅に降り立っても賑やかで、東京はやはり「大都会」でした。

マンションには「富長組」が既に帰っていました。
「ヒロト」の案内のもと「おいしいラーメン」を食ったり、
「夜景」を見に行ったりしたようです。

次の日は、朝からみんなで行動しました。

原宿のタレントショップでは富長・中崎がはしゃぎました。
「山田邦子」「とんねるず」「田代まさし」、次々と連れて行かれました。

東京は坂道が多くて疲れます。

最後に「東京タワー」に行きました。
展望ルームは息を飲むほどの絶景でした。

福嶋「すげ~な!上田」

上田「おう、すごいな・・」
  「難波が50個はあるな・・」

田舎者二人はやはりガラス窓にへばりつきました。

その景色は大阪が「ちっぽけ」に思えるほどのものでした。

東京からの帰りの車の中では「東京」の残像が頭から離れませんでした。

「カルチャーショック」というやつでした。

■17■


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