漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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エディット・ピアフ~愛の賛歌~(映画)

2007-10-03 | 映画
この華奢な体、
大丈夫かい?と支えたくなるけど、
そのとんがったちいちゃな口から湧き出てくる唄は、
まるでミサイルか大砲のように、聞くものの心を打ち抜くのです。
そして不覚にも感動の涙まで溢れてきちゃって・・・
もう、すごいです。

だけど唄を聞かせるシーンは割りと短めなのです。その分彼女の生き様が強調されてよかったかも。

    
路上で歌う貧困生活の中から見出されはしたものの、ハチャメチャな生活で、
子供の頃は角膜炎で失明しかかるし、若い頃から酒浸りの生活で肝臓を患うし、恋人マルセルの事故死のショックからかリウマチまで発症し、その痛みを紛らすためにモルヒネ中毒にまでなり、壊れかけたロボットみたいに歩くのもやっと・・・

ぼろぼろになって(今朝の新聞の記事をみたらエディットは47歳で逝ったとのこと、映像を見る限りではもっとずっと歳をとってしまったように見えた)
とうとう病に倒れ、死ぬ間際にマルセルの名を呼ぶ彼女。
心から愛したボクサーのマルセル(ナイスルッキングガイでした)、そしてそれは彼女が若い頃に失った幼いわが子の名前でもあったんだね。

そんなストーリーの果てに最後に歌ってみせる歌詞は、

私はなにひとつ後悔することなんてない、過去の過ちは代償を払って清算した・・・

くーっしびれましたー。なんちゅう歌詞やー。


海辺で静かに編み物をするエディットが、インタヴューされるシーンで、
女性に言いたいことは?
男性に言いたいことは?
子供たちに言いたいことは?
その答えはすべて「愛しなさい・・・


★★★★☆ 芸術の秋におすすめ

いろんな出来事を盛り込みすぎて(これはエディットの人生に敬意を払ってのことだと思うけど)流れが切れ切れになるところがちょっと気になりましたが、マリオン・コティヤールの熱演、怪演には参りました。

製作国 イギリス チェコ フランス
監督 オリヴィエ・ダアン
出演
マリオン・コティヤール シルヴィー・テステュー エマニュエル・セニエ ジャン=ポール・ルーヴ ジェラール・ドパルデュー パスカル・グレゴリー