乾癬の病態・医療薬学勉強会覚書：肥満も皮膚炎症に影響

乾癬（かんせん）とは
原因不明の炎症性角化症：
炎症によって皮膚のタンオーバーが著しく早くなり（4～7日）角質が蓄積して盛り上がる状態
厚い銀白色の鱗屑（りんせつ）を伴った、紅斑、丘疹が出没
さまざまな免疫細胞が活性化している状態

日本では1000人にひとりくらいの発症数（白人では10倍）・男性が多い（男女比＝2：1）

乾癬の主な種類
・尋常性乾癬：頭、こすれる部分や掻いている部分（膝頭、肘頭、下肢、臀部など）に誘発される
　爪病変も伴う
　乾癬の約90％が尋常性乾癬

・紅皮症（こうひしょう）：全身の皮膚が炎症を起こす
・関節症性乾癬：皮膚症状に続いて指関節の変形（リウマチ因子陰性）がおこる
・膿疱性乾癬：無菌性膿胞　掌蹠膿疱症もこれにあたる　汎発型では発熱倦怠感と全身に紅斑出現　　

肥満によって乾癬が悪化する　⇒ダイエット必要
　肥満　⇒皮下脂肪↑　⇒レプチン↑　⇒角化細胞増殖
　　　　　内臓脂肪↑
　　　　　　↓
　　　　　全身性炎症性疾患　⇒インスリン抵抗性↑　⇒表皮角化細胞の増殖更新と分化抑制
　　　　　　　　　　　　　　　　　↓
　　　　　　　　　　　　　　　血管内皮不全　⇒アテローム性動脈硬化　⇒心筋梗塞　
肥満によって乾癬が悪化するので、乾癬は心血管疾患の指標になる

（講演：東邦大学医療センター佐倉病院皮膚科樋口哲也）

冬至を過ぎて春を呼ぶ花ツバキ（椿）も咲き始めました

尋常性乾癬は無菌性で感染するわけではないのですが、
見られないように夏でも長そでという人もいます。気を使いますね。
病院薬では外用薬としてステロイドやビタミンD3が中心ですが、
漢方的に考えると衛気虚で、衛気（バリアの力）を高める対策として、
黄耆をたっぷり含む衛益顆粒を用いて良い結果が得られた経験が数例あります。
ダイエットについては、むやみに絶食や偏った食事をせず、
腸に負担をかけない食べ方を考えることが必要でしょう。
なぜなら、腸の炎症はこれに接する内臓脂肪の炎症に直結するという理論がありますが、
単純に考えれば、胃腸と皮膚は同じ面で直接つながっているからです。

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