漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

「辞典」第二版

2014-11-03 16:38:16 | 雑記
 この3連休は久しぶりにどっぷり漢字に浸かっています。26-2 の標準解答が届いて自己採点やら分析やらをしたり、「辞典」第二版を購入したばかりなのでそれを眺めたりと、材料には事欠きません。

 さてその「辞典」ですが、実際に使い始めて、いろいろと追加で改訂箇所が見つかっています。購入する前、単に配当級が見直されているだけだと嫌だなぁと思ったのですがそんなことはなく、細かい改訂がかなりなされているようです。見つけたものをいくつかご紹介します。


【偃】   (初版 P.97、第二版 P.99)
 当ブログの 9/23 の記事 【偃】 で、「辞典」の 【偃】 の項に、 【偃蹇】 という熟語に対応する意味が記載されていないと書いたのですが、第二版では、意味欄の5番目に 「おごる。高ぶる。」 と記載されています。これ以外にも、4番目の意味として 「せく。せきとめる。」 も追加されていますし、 【偃蹇】 の 【蹇】 の方にも 「おごる。おごり高ぶるさま。」を始め、いくつも意味の追記がありました。


【嚮】   (初版 P.340、第二版 P.342)
 第二版で訓読みが大幅に追加されているのはすでに何度か書いていますが、こちらは音読み、それも追加ではなく削除されています。具体的には、初版では音読みとして 「キョウ」 の外に 「コウ」 が記載されていたのですが、これは 「要覧」 にない音読みで、「『要覧』になく『辞典』にある読み」 というちょっと珍しいもの(他にもいくつかはあります)だったのですが、これが第二版では 「キョウ」 のみに修正されています。もともと誤記だったのか、あまり用例のない読みとして削除されたのかはわかりませんが、私はここに 「コウ」 が記載されていたためにそれが頭に残ってしまい、 【嚮日(きょうじつ)】 を 「こうじつ」 と誤読する癖がついてしまっているので、「だったら始めから書かないでくれよ」と、恨み事の一つも言いたくなる箇所です。(笑)


【偈頌】(げじゅ/げしょう)  (初版 P.409、第二版 P.412)
 これはおそらく誤りの訂正ということだと思われますが、この熟語、初版では見出し語としての記載の他に、 【偈】 の項の「意味」欄の「つよい。はやい。すこやか。」の箇所に用例として載っていました。 【偈頌】 は経文のことですから、つよいとかはやいとかいう意味とは関係がありません。WEB問題集のサイトなどで、誤記ではないかと指摘されていた箇所ですが、第二版ではこの用例がなくなり、代わりに 【偈偈(けつけつ)】 がこの意味での用例として記載されています。


 購入してまだ数日ですが、実際に使っていると上記を始め、何かしらの改訂箇所が毎日見つかりますので、おそらくかなりの箇所に改訂があるのでしょう。改訂前後の辞書を両方とも持っている/使うなどという経験は初めてですので、辞書が改訂される際どの程度の見直しがなされるものなのかわかりませんが、今回の改訂は常用漢字の改訂を契機(おそらく)として、全体について見直しが図られたのかもしれませんね。早めに購入して良かったかな、と思っています。


26-2 分析

2014-11-03 00:12:23 | 本試験
 26-2 の問題をこれまでと同様、「初めての合格のために」 の記事でご紹介した方法で分類しました。

 具体的には全問題を次のA~Eに分類します。


分類A   「平成21年度以降の過去問」 「漢検1級 完全征服」 「漢検1級 分野別精選演習」 にある問題。

分類B   Aとまったく同一ではないが、Aを勉強していれば正解できる問題。

分類C   A・Bには含まれないが、1級配当の四字熟語(「●●之●」形のものを含む)の知識で正解できる問題。

分類D   A~Cには含まれないが、平成15~20年度の過去問にある問題。

分類E   A~Dのいずれにも含まれない問題。


 結果は以下の通りです。数字は左から順に、A~Eそれぞれに分類された問題の配点です。


(一)  9  5  3  0 13  / 30
(二) 14  0  2  0 14  / 30
(三) 10  0  0  0  0  / 10
(四)  2  0  0  0  8  / 10
(五) 16  0 10  0  4  / 30
(六)  5  0  0  0  5  / 10
(七)  5  0  2  0  3  / 10
(八) 10  2  0  0  8  / 20
(九)  4  0  2  0 14  / 20
(十) 12  0  5  1 12 / 30

合計  87 7 24  1 81  / 200


 今回は分類A~C、つまり過去問、完全征服、分野別と1級配当四字熟語の知識だけで取れるのは118点(87+7+24)で、今回の難易度の高さを物語っています。ここ数回のこの数字は、25-2 146点、25-3 143点、26-1 122点でしたが、今回は前回よりさらに数字が下がりました。A~Cの正解率が9割では、残り82点分で54点が必要でその部分の得点率66%になります。新出問題で66%取るのは相当厳しい(ちなみに今回の私の得点率は60%です)ですから、合格のためにはA~Cで少なくとも95%は取る必要があるでしょう。仮に次回以降もこの傾向が続くのだとしたら、本当に厳しい世界になったものです。

 ただ、A~Cが重要であって、合格のためにはここを自分のものにするのが不可欠だということに変わりはないでしょう。分類B(Aを勉強していれば正解できる問題)はかなり保守的に見ていますので、Aを本当にしっかりやればEの中から正解できる問題ももう少し増えてきますし、さらに進んで過去問の読み問題を書けるようにするとか、問題文の中の問われていない箇所もしっかり学習するとかいった取り組みをすれば、さらに状況は好転します。今後、前回・今回のような難易度が続くのだとしても、過去問をなおざりにして未出問題全体を万遍なく学習するといった方法は、初回合格を目指す上ではやはり効率が悪いと思います。

 私も今回、分類Eには大苦戦しましたが、分類A~Cを118点中117点取れたために、なんとか合格ラインに届いたかも、というところまで行けました。過去問と四字熟語にしっかり取り組んでいなかったら、自己採点の段階で間違いなく不合格でした。
 逆に言えば、未出問題を中心とした語彙不足、「辞典」全体の学習不足は相変わらず。私の永遠の課題ですね。限られた時間の中で思うようには進んでいませんが、途中になっている「自分辞書」作りなどを通じて、少しずつやっていこうと思います。