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苦痛と快楽

最近読んだビジネス書に「Pain(苦痛)とPleasure(快楽)」という考え方が
あり、興味を惹かれた。

アメリカでは有名なマーケティング法則だそうで、仕事に限らず色んな場面で
とても有効な概念だと思う。


この概念は、

【人は皆、苦痛から逃れ、快楽を求めるという基本習性があり、特に苦痛から
逃れる方が大きいという。
ここでいう苦痛とは肉体的痛みだけではなく、心の痛みなど全てを含む。

よって、人が行動を決めるのは、ある事象から苦痛を連想するか、快楽を連想
するかでほぼ100%決まる、
という。(磯一明氏著~インターネット・マスターガイドより)】



この概念を強引に病気の世界に持ち込む気はないが、既にこの概念を自然に身
に付け、病気から立ち直った、という方、結構多いのではないでしょうか。
もちろん、仕事や病気以外(子育て・夫婦関係・金銭面・日常生活などなど)
でも当てはまると思いますが。




例えば、手術を苦痛と考えて憂鬱になりストレスを溜め、飲酒を快楽と考える
からやめられなくなる。

でも、手術も治療も薬も、それらが全て健康を取り戻す為の手段と考えられれ
ば、積極的になれる。

飲酒が病気をもたらすと思うと苦痛になり、量を控えるようになり、それが健
康を保つ事になると快楽を連想する。

今にして思えば、長かった入院生活の中では、まさに苦痛と快楽の繰り返しだ
った。



ただ、病気の状態を全て快楽を連想する事でしのげるとは到底思えない。

常に死と向き合っている場合など、快楽を連想する事自体、相当なエネルギー
を必要とするだろう。



でもこの「苦痛と快楽」の概念を自分でうまくコントロールできたなら、ただ
辛いだけの闘病も少しは楽になるかもしれない、と思うのです。
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続く痛み

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<・・・一年前>

・・・2006年 6月7日


胆管ドレナージによって強制的に胆汁を体外に排出している人はたくさんいる。

小さいとはいえ横っ腹に穴を開けるのだが、通常であれば、ある程度慣れて
痛みは徐々に弱くなっていくそうだ。

ところが、5月24日に初めて開けて以来、痛みはまったく弱まらない。
むしろ時には強くなる。

PTBD以前からの強い痛みもあるので、腹の穴周りはもちろん、腹部全体に
痛みがあり、消えることはなかった。


6月7日はその胆管のチューブ交換。
ただでさえ通常より太いチューブがさらに太いものと交換された。

当然腹部の穴は切開され大きくなった。


度々の検査・治療での絶食の時はもちろん、便秘が腸の動きを刺激し腹痛が起
こると聞いてから、あまり食事も取れなくなった。

少し食べただけですぐ満腹感を覚え、すこしでも食べ過ぎると腹痛が増す。


最初に入院してから、絶食の期間の方が長いぐらいで、「食べない」事には慣
れてしまっていて、それ程苦痛は無かった。



思えば、前年8月に闘病が始まってから、病院でも家庭に戻ってからも、満足
に食事を取った事は一度も無かった。
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