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今だから知りたいこと

2005年10月4日。

2年前のこの日の事はほとんど記憶にない。

それがいつからなのか、いつまで記憶がなかったのかさえ良く覚えていない。

肝性脳症で自分を見失っていたからか、術後、辛い事を忘れようとする防衛
本能が働いた為なのか・・・、断片的な記憶が残っているだけだ。


どうやって個室からICUに運ばれたのか、そこから手術室に向かうのも、
麻酔からいつ覚めたかも、周りの家族の様子も、思いだせない。


こうしてブログを書きながら、色々振り返って考えてみても、そこにあるの
は自分の中での出来事だけで、妻や子供のこと、親や姉のこと、親類や友人
のこと、みんながどんな思いでいてくれたのか、どれだけ心配してくれてい
たのか、自分にはわからないことだ。


時々妻に、あの時どうだったのって聞いてみても、少しだけ思い出し、

「ああ、そんな事もあったねぇ」って。

そう、どんな状況かなんて、頭に残らない程、目まぐるしい日々だったのだ。



そして今改めて、苦しかったのは自分だけではないと心底思う。

取り合えず落ち着いた現在でも、みな大変だったことなど一言も語ろうとし
ない。
簡単に語ろうとしないことが、逆にどんなに大変だったのかを感じさせる。


その大変さを、周りで何が起こっていたのかを、知りたい気持ちがある。




ちょうど一年前には「夢と希望」と書いた。

改めて「夢と希望」を持てたのは、間違いなく周囲の力。

今ここにこうしていられるのは、けっして自分だけの力ではなく、たくさんの
優しさが結集したものだと思っています。


だからこそ自分の知らない周りの世界を、今だからこそ知りたい。



でも皆、大変だった事は語ってくれない。

それがまた、みんなの最大限の優しさなんでしょうね。
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