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秘密

こちらでは毎週日曜、昼11時から放送されている松山千春さんのラジオ番組で、先々週、H大のT教授の
退官について話題にしていた。


退官パーティーに招かれ出席してきた時の話し。



松山さんとT教授がいつからの知り合いなのかは知らないが、かなり内面にまで迫った話しもされていたので
きっと浅くはない付き合いなのだろう。


その中で、かつての「事件」の話しもしていたが、そこにはあえて触れるつもりはないけど、病院の、特に
大学病院のお医者さんの、おそらく周りの殆んどの人が知らない勤務実態とか厳しい労働条件とか、その立場
にならないとわかりようもない現状があること、これだけは、一年の入院を通じて少しだけ知る事ができた。


確かに自分自身も、この病気になるまで、しかも自分が移植をしなければならなくなるまで、医師や病院の
ことなど真剣に考えたこともなかった。



いつも言っていることだけど、どちらかというと大学病院を毛嫌いしていたぐらいだから。




命を助けられて、だから考え方が変わったんだろう、と言われれば、完全に否定することはできないけど、
でも「知る」ことによって、それまでの意識が180度変わることは有ると思う。





米国で一流の地位を築いたT先生が、縁もゆかりもない北海道に、移植の種を植え、少しずつ育てていった
結果が今にある。

はっきり言って、T先生が北海道を選んでくれていなかったら、今の自分は無い。この世に。







数か月前、退官を前に、先生への贈る言葉、というのを一枚書いた。

実は最初、凄い先生だというのを知らなかったこと、後に知人に「凄く有名な先生なんだぞ」と言われ、改めて
その偉大さを知ったこと、先生なくして今の自分がいなかったこと、今第二の人生を充実して過ごしていること、
そしてこれからも、その知識と技術と情熱を、と。
つけ加え、アレのことも。写真付きで。



後日、コーディネーターのYさんに、

「かんぞうさん!のど自慢に挑戦しているんですって。T先生凄く喜んでいましたよ。かんぞうさんの文章読んで。」



移植の先生たちって、自分たちが元気な姿を見せる事が、きっと一番のエネルギーなんだろうなと思う。






でも、Yさんには、

「のど自慢のことはここだけの話しにしておいて下さいね。恥ずかしいから。
その代わりアノことも内緒ですから。」

と。

そう、Yさんの秘密を、一つ知っているのです。
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