雪国の 友亡きを知り 雨水かな
馬糞 Bafun
今日は雨水である。雪が雨に変わる季節だという。
その雨は涙雨だった。
積もったチラシの下に葉書があった。
「昨年3月に他界しました」とあった。
いつも楽しい電話をくれる唯一の友だった。
「工場をリストラされ、母親が寝たきりになって身動きもとれず、その
上例年にないドカ雪でよ・・・」。
がんばっているかなあと思いながら年賀を出していた。
その友からは年賀も電話もなかった。
山形の根雪が博多の涙雨になる、雨水であった・・・。
肉体を去っても、魂として霊実在界にあるとは知っているが、どん
な死に方をしたのか。
やりきれない。一年も前にこの世にはなかったなんて・・・。
音信が途絶えたあいつも、すでに他界しているのかも知れない。
思えば、人生も、一行の俳諧のごとし。
馬糞 Bafun
春風の アラベスクかな 冬木立
馬糞 Bafun
・・・・・ そんな風に、逝っちゃったのかな・・・。