BUCK-TICK
28 SEP 2016
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http://www.buck-tick.com/
発表されたアルバムのタイトルとヴィジュアルを見たら、そりゃあ誰だって期待するだろう。そのくらいインパクトがあった。そしてリリースされた内容は、まったくその期待を裏切らないどころか、期待以上のものであった。どうも最近、持ち前のPOPさ加減が変な方を向いているような気がしていた。その意味においても「夢見る宇宙」や「或いはアナーキー」と比べて、ぶっちぎりで好きな最近作品である。
特徴として、星野英彦大当たりの楽曲が上げられる。過去「ドレス」や「ミウ」といった傑作を生み出してきたが、今作の星野サウンドは本当に素晴らしい。大抵の場合、ダントツでかっこいいのは今井寿の曲だけど、今回ばかりは「曼珠沙華 manjusaka」がいちばんかも知れない。「樹海」も良い。陰にこもるメロディラインに弱いのだ。
そして当然ながら今井先生も健在で、シングルの「NEW WORLD」は言うに及ばず、「美 NEO Universe」から「愛の葬列」みたいな曲まである。まあ盛り沢山、聴きどころ満載なのだ。バンド結成29年目にして、まだまだ衰えない創作意欲。独自性を保ちつつ時代とリンクする感性。これは当分聴き続けることになるだろう。