龍の尾亭<survivalではなくlive>版

いわきFCの応援、ソロキャンプ、それに読書、そしてコペンな日々をメモしています。

チベットの小説、ラシャムジャの『路上の陽光』が瑞々しい。

2023年01月09日 16時00分00秒 | 本を読む
初めてのチベット文学。
近郊から出てきてラサ(チベットの古くからの都で大きな都市)の橋の上にたむろしつつ職を探す若者たちの青春の初々しさ、高地を吹きすぎる風、汗ばむ陽光の眩しさ、道路の泥濘などなど、印象深いショットが満載だ。

台湾の小説『歩道橋の魔術師』(呉明益)も傑作だったが、この小説も、日本の小説とは異なったレイヤーに書き込まれていてそれでもなおこちら側に響いてくるものがある。
短編で読みやすい。
小説は一編でもその土地の空気を感じさせてくれる力がある。
お勧めです。

畠中尚志全文集のこと

2023年01月09日 13時20分49秒 | 本を読む




もちろんこれから刊行されるスピノザ全集も待ち遠しいけれど、まずは多くの人にこれを読んでほしいなあ。

最後に寄せられた國分功一郎氏の文章を読むと、國分さんが何と闘ってきたのか、そしておそらく、今なお何と闘っているのか、が分かる。

なにより、畠中訳スピノザを勉強しているの一人としてぐっとくるし、國分さんのファンとして泣けてくる。

國分さんは、畠中尚志についてはきちんと広く知られるべきだ、書かねばならないんだ、とずっと前に語っていた。

それをキチンとこういう形で日本中の皆が読める形で示したことに、彼の男気を感じる、といったらおかしいだろうか。

ぜひ一読をおすすめしておく。

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追加で。

読了した。

締め切りのある原稿をほっぽりだして読んだ。

泣けた。

畠中尚志にはスピノザの岩波文庫訳でずっとお世話になっていたけれど、改めてその生涯を知った上で畠中の文章を読み直すと、心が動かされる。
正岡子規とおなじ脊椎カリエスで寝たきりになり、かつ目の病気を病んで、口述筆記をしながら『エチカ』を訳出したところなど、目が潤んでくるのを止められなかった。

國分さんの解説文も素晴らしい。読んでいて熱い思いが溢れてくるのを感じる。

単なるスピノザの読者に過ぎない自分が「学恩」などというのはをこがましい限りだが、畠中氏の困難を抱えつつなされた訳業の素晴らしさに触れるとき、粛然とした思いを新たにせざるを得ない。

折しも、スピノザ全集が同じ岩波書店から発刊されるこの時期に、講談社学術文庫で畠中尚志の全文集が出ることに、特別な感慨を抱く。

互さん&國分さん、グッジョブ!です。

新しい全集が出たら、首っ引きでテキストを並べて勉強したい。生きているうちにちゃんと新全集は完結するのかな?
ヘブライ語文法の本が楽しみだけれど、読んでもわかるのかな?

スピノザにも他の哲学書と同様読み解けない難解な部分があって、だからこそ学問の対象にもなるわけだけれど、全く学会の外にあって、ほぼ寝たきりの在野の人が、その人のみがなし得た訳業によって日本のスピノザ理解が半世紀も支えられてきたことの重さは、いくら強調してもしすぎることはない。

あくまで静かな、しかしマグマのような熱量を秘めたテキストは、畠中氏のものであると同時にスピノザ自身のものでもある……そんな風にすら思ってみたくなる。



第32節いわきFC優勝決定戦の感想をメモ代わりに

2023年01月09日 13時10分49秒 | いわきFC
祝!いわき。
FC優勝&J2昇格!
鹿児島に3-0で勝利。
2位藤枝と3位松本がともに破れ、次節を待たずに昇格と優勝が決まりました!
ホームで鹿児島を迎えたいわきFC,一方鹿児島も昇格の望みを残しているため絶対に勝つ、という気概が伝わってきます。最初は鹿児島の攻撃も鋭く、右を突破してからのクロスおよび折り返しが続きます。
心なしかいわきFCには緊張感があって立ち上がりの動きがスムーズではないような感じもしました(単なるファン心理かも?)。
一進一退から一点をうばうものの、後半立ち上がりも鹿児島の攻めは力強く感じられました。
しかし、それも二点目のゴールが決まるまで。

その後は、いつものいわきFCの、前からの強い守備とボールを奪った瞬間に複数の選手がゴール前に走り込むこの圧力に、鹿児島は攻撃力を奪われていきます。

さらに三点目を入れた時点で、鹿児島イレブンの落胆は傍目から見ていてもしんどいほどでした。
立もし鹿児島がち上がりの素早い攻撃で一点もぎ取っていたなら、別の展開になっていたかもしれません。
スコアほどの差がないとかんじます。
ただ、そのせめぎ合いのなかで3-0で勝ちきるいわきFCの強さは本物!ということでもありましょう。
うれしくてたまりません!!!

いわきFCの一年を振り返る。

2023年01月09日 12時37分12秒 | いわきFC

ガイナーレ鳥取との試合以降、ブログの更新怠ってしまったが、次節のアスルクラロ沼津の試合は、愛鷹公園までアウェーの試合を応援にいった、いわきFCこれ以降第34節まで、負けなしでJ2昇格を決めている。

おめでとう、いわきFC!

遅ればせながらお祝いの言葉を!!!

昇格争いもどきどきだったが、残り試合の相手を考えると、昇格は確実と思われ、一戦ずつ一所懸命応援をしてきた。

特にJ3優勝とJ2昇格の決まった第32節の鹿児島戦は、すごかった。

友人と応援にいったのだが、チケットが売り切れていて、あやうく誘った友人2人が入場できないところだった。

たまたまいけなくなった人がいて。ことなきをえたけれど、いわきFCの応援で「満員御礼」になったのは今シーズン、ホームでは初めてではなかっただろうか。

首位を争ってきた鹿児島に対して3-0の快勝。ホームでこれだけの応援があったということも大きかっただろうし、なによりこの1年間での「進化」も感じられた。

ロングボール一発というだけでなく、片サイドに敵を追いつめ、パスコースを限定してボールを奪ったらみんなで走るというサッカーは、爽快極まりない。そんな中でシーズン途中から登場した有田の決定力も大きかった。

とにかくすばらしい優勝&昇格でした。

いつも満員というわけにはいかないだろうけれど、新しいスタジアムもたくさんの人数で応援できたらうれしい。

振り返ってみると、下位チームに対する取りこぼしが少なく、上位チームにも引き分けが多かったことも大きい。

そんな中で今治戦の2敗が注目される。

高いプレスの裏を突かれ、失点すると堅い守備に攻めあぐねる。

作戦敵には、前から高い位置で守備にいくのだから、裏に走られるリスクは折り込み済みなのだろうと思う。でもそれは、単に戻りの走りの速度に課題があるというお話ではないのだろう。

点を取られた後の、堅い守備をどう崩すかということと裏表でもある。23年のシーズン、走り続け、相手の陣内でサッカーをしつづけるスタイルは変わらないのだろうから、堅守にどう対応するのか、裏を取られるリスク管理がどうバージョンアップするのか、楽しみに待ちたい。

松本山雅に対する1敗は、山雅が強かったという印象だ。もし山雅がこの強さを維持していたなら、いわきは果たしてどうだっただろう、と思う。2引き分けだった昇格同期の藤枝もそうだ。

そういう意味では、いわきの優勝は、シーズンを通して成長していったというところがなんといっても大きかったのだと改めてわかる。

星の守備と遠藤の守備の違い、有田が入ってからの攻撃の厚み、など個人のこともあるが、「成長していくサッカー」を見る楽しみも味わわせてくれた。

23年、J2相手となれば、去年のように下位チームに無敵、といった力の差を見せつけることはかなわないはずだ。

一戦一戦さらに気合いの入った応援をしなければ!

と思うと同時に、いわきFCのサッカーがJ2の中でどれだけ通用するのか、またどんな風に適応・成長していってくれるのか?期待して待ちたい。

 

頑張れ、いわきFC!