頑張ってページを繰ったが、数式の部分はまあ分からない。
ただ、この本はゲーデルの不完全性定理が、ヒルベルトという数学者の業績というか仕事の上に出てきたものであり、そこで証明された不完全性は、昼ベルトの「数学論」というか数学的認識論にとってはある部分で致命的だったかもしれないけれど、それは「数学」がダメージを受けたみたいな話ではないよ、ということを教わった気がする(笑)。
むしろ、ヒルベルトという人がやろうとしたことは、その数学基礎論の完成みたいな本人の目標とは別のところで、「生産的」な意義をもっていた、というお話になる、らしい(笑)
「数学」
と一口で簡単に言い表すことのできる一つの「実体」があるわけではなく、むしろ数学者の様々な営為の「標準性」と「生産性」が「数学」の領域を実質的にこのあたり、と指し示しているような印象(読後感)を持った。
それって、「哲学」なんて抽象的なものはないし、「哲学」自体を誰かが完全に基礎づけることは不可能だけど、その営みや努力は新たな哲学を「生産」していくのかもしれない、みたいなことと他人のそら似ぐらいにはにているような気もした。
歴史って、人間がモノを考えるときには重要なんだな。たとえそれが数学のようなものであっても。
無論理解はしきっていないけれど、かなり勉強になりました。