風月庵だより

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浜崎あゆみさんも難聴に

2008-02-12 18:46:32 | Weblog
2月12日(火)雨【浜崎あゆみさんも難聴に】(或る日の雲、いつかこの写真とログの内容が合うときがあれば、と捨てがたく取って置いた写真です。)

『景徳伝燈録』(けいとくでんとうろく1004年成立、中国における1701人の禅者の問答を集めた書)の百丈懐海(ひゃくじょうえかい749~814)の章に次の一文がある。
〈原文〉
老僧昔再参馬祖被大師一喝、直得三日耳聾眼暗。
〈訓読〉
老僧、昔、再び馬祖に参じて大師の一喝を被り、直に三日、耳聾眼暗を得ん。
〈拙訳〉
老僧(わたし、百丈のこと)は、昔、再び馬祖に参じたとき、馬大師に一喝されて、三日間も耳は聞こえなくなり、目はクラクラしてよく見えなくなったほどだった。

百丈懐海は馬祖道一(ばそどういつ709~788)の弟子であるが、馬祖の一喝の声があまりに大きいので、耳を聾するほどであったのだろう。この前にも一喝されているので、「再び」とあるのだが、馬祖の一喝の声は、修行者の悟りの目を覚まさせようとして気迫の籠もった一喝なのであろう。しかし、その声があまりに大きいので、三日も耳が聞こえなくなった、というのである。

この頃、電車に乗っていて、私にとって不快なことの一つに、ヘッドホーンもしくはイヤーホーンから洩れてくる音がある。ヘッドホーンをつけて音楽を聴いている人は、退屈な乗車時間をおおいに楽しんでいるのであろうが、廻りにはチャカチャカチャカチャカという、なんとも神経に障るような音が洩れてくるのである。いつもヘッドホーンをつけている人たちは、この経験をしないので、おそらく知らないのだろう。混んだ電車の中で、平気な顔をして聴いている。

車内放送で、たまに携帯電話の使用については、お気をつけ放送はあるのだが、ヘッドホーンの使用については、注意の放送を聞いたことがない。是非とも放送して注意を喚起して貰いたいものだが……ヘッドホーン族には聞こえないかもしれない。

しかし、近所迷惑だけでは無く、常にヘッドホーンをつけて音楽等を聴いていると、難聴になる危険性があるのではなかろうか、と心配してもいる。昨日、あるミュージッシャンのマネージャーをしている友人にも聞いたのだが、常にイヤーホーンをして音楽などを聴いていると、難聴になるということは、たしかにあるそうである。

浜崎あゆみさんにしても、常に音を聴き分けるためにイヤーホーンを使用していることも、耳が聞こえづらくなった一因ではなかろうか。ファンの方にはご心配なことだろう。

馬祖の大喝でも耳がよく聞こえなくなったほどだが、ドラマーの人の中には耳栓をして、演奏をしている人がいる、ということも友人から聞いた。おそらくそのドラマーは自分の耳を守っているのであろう。

私の知人にも、音楽ではないが、テレビを観るのに、隣人のためにいつもイヤーホーンをつけていた人がいた。彼女は若くして耳が聞こえづらい症状がでてしまった。

電車に乗って、音楽を聴いている方々が、このログの読者にいらっしゃったら、廻りで迷惑をしている人々のためだけではなく、ご自身のために、是非その習慣をお考えいただけないでしょうか。また、もし、家族にそのような人がいたなら、注意をしていただけないだろうか。私がいかにお節介であっても、電車のなかでは、さすがに気楽に注意しかねます。

馬祖の大喝から、浜崎あゆみさんの難聴について、考えてみました。まあ、私などは、ヘッドホーンもイヤーホーンも使いませんでしたが、自然に耳は遠くなりつつあります。特に自分に都合の悪いことは聞こえなくなりました。