教室で最初に描いたデッサン 2011.11.4の日付がある
今月(10月)で水彩画教室に通い始めてから3年になった。絵を始めてみようと思った切っ掛けは老後対策である。仕事を辞めてからの趣味としていくつか考えたが、結局水彩画が一番取っ付きやすいと思ったからである。しかし元々絵に対して興味があったわけではない。しかも自分には絵心など全くないという自覚もあった。だから教室に通うにあたって、「石の上にも3年」と教室には休まず行くことを最優先にしてきた。結果その間は1度も休むこともなく、3年X12ヶ月X2回X2時間=144時間、絵を描いたことになる。
お手本 安野光雅『津和野』 南谷大橋から
安野光雅『津和野』 喜時雨の農家
安野光雅『津和野』 大橋遠望
安野光雅『津和野』 機関庫
安野光雅『津和野』 女学校あと
安野光雅『津和野』 庄屋
お手本 安野光雅『奈良』 山辺の道
安野光雅『奈良』 奈良坂から大仏殿
安野光雅『奈良』 今井町
安野光雅『奈良』 薬師寺遠望
ここまでが安野光雅の模写
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これ以降は撮り溜めた写真を見て描いている
都立六道公園
佐渡 加茂湖
新潟市 太夫浜
箱根 芦ノ湖
下関市 関門海峡
秩父 山道
北茨城市 大津港
水彩画教室も通い始めて2年半を経過した。2年半は30ヶ月、月2回で60回、一回2時間で計120時間、これだけ時間をかければ、中学生並みの絵も多少は見れるようになる。しかしもう一方で、どれだけ時間をかけても、いつまでも代わり映えしない絵を描いているようにも思えてくるものである。
4月に昔一緒に働いたことのある人と酒を飲む機会があった。彼は80歳だがいまだに趣味で油絵を描いている。彼が「貴方が風景画を描くのなら、一度安野光雅の絵を見たらどうですか? 淡い色調で郷愁を感じる安野光雅の絵、私は好きなんです。インターネットで検索すれば雰囲気は分かると思うから・・・」と言う話をしてくれた。
5月の教室でそのことを先生に話したら、「安野光雅の絵を模写したらどうですか?勉強になりますよ。絵を描く人はだいたい誰かの絵を模写して勉強しています」とのこと、早速本屋に行って安野光雅の「津和野」という画集を買ってきて模写するこのとにした。
模写することで色んなことが分かってくる。鑑賞するのと違って写し取るわけだから、絵の細部まで見ることになる。そして描き終えた絵とお手本を比べてみると、自分の拙さがまざまざと見えてくる。プロの絵はデッサンがしっかりしているから、サラサラと描いたように見えて、ポイントはしっかりと抑えている。建物の構造や木々の自然なバランス、色の濃淡による遠近感や絵全体のポイント付け等々、・・・・だから絵に風格があり気品がある。一方こちらはギクシャクとしたデッサンや線引き、無理矢理に合わせようとした色、なんとなく不自然で稚拙さが見えてくる。そんなことを繰り返していると、自分が取り入れなければいけないポイントが見えてくる。もうしばらく模写を続けてみて、ある程度安野光雅の雰囲気が真似できるようになれば、今度は自分で撮った写真を安野風に描いてみようと思っている。
下の2点は従来の描き方
狭山湖
六道山公園
下の絵からは画集の中からのお手本と模写
安野光雅画集「津和野」
鉄砲町
段々畑
青野山 Ⅱ
笹山
沙羅の木
青野山 Ⅰ
緑の門林
エキストラのような我々生徒は、カメラが回っているのを意識しながら絵を描き、時折先生に質問して見せる。そんな様子を30分あまり撮影した後、今度は取材者から生徒一人一人にインタビューがあった。「絵を始めた動機はなんですか?」、「絵を始めたことで、自分の中に何か変化がありますか?」という2つの質問である。それぞれの生徒がそれぞれに答え、約1時間の取材が終わった。この番組のタイでの放映は来年だそうで、これで私はタイでのTVデビューである。これはなかなか得がたい経験であった。
さて今月で水彩画教室に通い始めて2年半になる(30ヶ月X2回/月=60回)。振り返ってみれば我ながらよく通ったものだと思う。飽きやすな私が、なぜ続けることができたのか?。たぶん今まで散歩で撮り溜めた写真がたくさんあって、その写真をベースに風景画を描くことを目標にしたからであろう。私のように絵を描いたことがなかった者が、唐突に絵を描き始めても、いずれ何を描くかで行き詰ったかもしれない。私の基本は歩くこと、歩くだけでは面白くないから折々の風景をデジカメで撮って記録する。その中で自分で「良いな~」と思う風景を絵に描いてみる。それぞれの趣味が、関係し連動し補完してくれる。そんなことが自分の中に根付かせるてくれる要因になったのかもしれない。
下の絵は今年になっての7回分の14作品である。「教室の2時間で2枚を完成させる」、自分で決めたこのノルマはまだ守っている。下書きを事前に描いて行き、教室ではひたすら色を塗る。少しでも上達するには、体で覚え感覚で覚えていくことが早道だろうと思うからである。そんなことで教室での2時間はあっと言う間に過ぎていく。だらだらとした私の日常生活の中で、集中できるこの時間がある事が貴重なのである。
小田原城
中野区 哲学堂公園
上の2枚の絵は従来の荒目の画用紙を使っている。今回からは細目の紙に変えてみた。
画用紙が肌理細かいだけ色鉛筆の乗りが良い。女性の化粧乗りも同じことなのか?
中野区 童謡「たき火」のモデルになった農家
♪垣根の垣根に曲がり角、たき火だたき火だ落ち葉たき・・・の作詞家の散歩コース
所沢 小手指が原
西所沢 屋敷林のある農家
元加治 入間川
秩父 武甲山
秩父 横瀬駅
佐渡 旧街道
江ノ島(1)
元加治駅
上野 不忍池
江ノ島(2)
江ノ島(3)
多分それには数多く描くことで感覚で覚えるしかないのであろう。そこで教室の限られた時間で効率よく描くために、デッサンは家で描いて行き、教室では色を付けるだけにした。今まで2時間で1枚のペースを、2時間で2枚のペースで仕上げられるようになった。しかしこれはかなりなハイペースである。自分に課せたこのペースを守るため、教室でひたすら色を塗り、迷うことはどんどん先生に教えてもらうようにしている。だから2時間という時間があっという間である。
今絵にしている題材は以前から散歩で撮り溜めた写真である。写真は何千枚もあるから、描くテーマには困らない。しかし何時も考えてしまうことは、どこまで精密に描くのか?、輪郭線をどこまでペンで書くのか?、限られた色鉛筆の中でどの色を使うのか?、色の濃淡をどう着けるのか?、毎回毎回悩み毎回毎回先生にアドバイスを貰う。そんなこんなの2年間であった。どこがどう進歩したのか自分では定かではないが、時間をかけてやり続けていれば、それなりには上達しているのかもしれない。「継続は力」、そう信じて今年も続けていこうと思っている。
栃木 塚田歴史伝統館
横浜 外交官の家
浦賀港
初めて外に出てのスケッチ、目線が定まらず戸惑いが多かった
荒川 上流
川面は色んな色が映りこんでいるから良く見て描くように注意を受ける
油壺 ヨットハーバー
海老名駅周辺
藁の束は手前の中心部はしっかり描いて、あとは略して描いて良いと教わる
秩父
煙の表現が難しい。先生に消しゴムの使い方を教わる
横浜 三景園
江ノ島
上野の都美術館で「ターナー展」を見てきたので、少しターナーぽく描いて見た
犬吠埼
波の白さは画用紙の白、ぼかしを使うために薄く水色を塗った後で消しゴムで消してゆく
新潟 太夫浜
空からの光線も消しゴムで表現、先生曰く「神が降りて来そうですね」
川崎 日本民家園
家の壁面の古びた感じを出すために、何色も色を混ぜるように教えられる
秩父
稲の切り株一つ一つに影を付けた方がリアルになるとアドバイスを受ける
佐渡 宿根木
家の塀の濃淡は消しゴムを使う
芦ノ湖からの富士山
新潟市
成田市 宗吾
上の絵と同じ風景を輪郭線を入れて描いたもの
上の絵と比べてシャープになりすぎて冷たい感じになる
浦安
城ヶ島
飯能市名栗湖(有間ダム)
山の端の重なりをペンで描くと単調になってしまう
皇居
葉山から見た富士山
「山と空、山と雪の境のようにぼんやりしたところは
ペンを使わない方が良いですよ」と指摘を受ける
多摩丘陵 古道
「道と草との境は単純な線ではなく、もう少しリアルに描きなさい」と注意を受ける
日光
東松山市 箭弓稲荷
多摩市 聖蹟桜ヶ丘
「絵になってきましたね」と少し褒められた作品
さくら市 鬼怒川
古民家
「あまりアップで描かず、もう少し引いて描いたほうが遠近感がでますよ」
新潟市
群馬県 安中市
栃木市
千葉県 館山市
横浜 外人墓地
「今年いっぱいでこの水彩画教室を中止にします」とカルチャーセンターから先生の方に内示があったそうだ。理由はフラダンスやベリーダンスの方が人気があり、今順番待ちの状態、そのためこの教室をレッスン場に改装するとのこと。会社も営業効率を上げなければいけないから仕方がないのだろう。しかし今まで習ってきた生徒からすればガッカリである。生徒の何人かが「個人的に教室を開いてもらえませんか?」と先生に懇願する。それに対して「水道橋に知人が事務所を持っているので、場所を借りられるかどうか相談して見ます」と先生は答える。個人教室が開催されれば私も参加する方に手を上た。
今習っている先生はそれぞれの生徒のスタイルに合わせたアドバイスをしてくれる。それが初心者の私にはありがたいのである。折角2年間習ってきたのだから、もう少し教えてもらいたい。老後対策と思い習い始めた水彩画、できればあと1年、とりあえず3年間習えば、描くことに多少の自信ができるように思うのだが、
水彩画教室に通い始めて先週で1年半が経過した。上の絵は一番直近の絵である。描き終えたあと教室の先生が見て、「雲なども良く描けているし、ポイントも捉えている。絵になってきましたね」という評であった。「では、今までのは絵ではなかったのか?」と冗談も言いたくなる。自分にはあまり実感はないが、1年半は1年半だけの進歩があるのだろう。
上の風景は千葉県館山市を散歩していたときの、変哲も無い風景である。住宅地の坂を下りると海が広がっている。この地の人々は海に寄り添って暮らしている。生まれ故郷の下関は三方海に囲まれていて、学校に通うときも、遊びに行くときも常に海が傍にあった。そんな原風景が私の中にあるからだろう、こんな風景を懐かしく感じ、たまらなく好きなのである。東北の震災があって津波の災害が言われている昨今、海の傍に住むことは大きなリスクを感じてしまう。海岸線の向こうは制御不能な大海原、あるときは灰色の大波が打ち寄せ大荒れに荒れ、あるときは太陽の光を反射して穏やかにキラキラと輝く。海の傍に住むと言うことは、大自然と共に生きていると実感させてくれるのである。
今までは主に散歩の時に撮った写真から特徴ある風景を選んで描いてきた。雄大な風景、綺麗な景色、特徴ある町並み、しかしそれはあくまでも風景の持つ面白さを画こうとするだけで、私自身の主張は見えない。今からは少し描くテーマを変えて、自分らしい絵を描いてみたいと思っている。郷愁、憂い、旅情、孤独、静寂、ほろりとした詩情、そんなものが少しでも表現できればと思うようになった。これも1年半の進歩かもしれない。
下の絵は前回のブログ「水彩画教室(5)」以降に描いた作品を古い順に並べてみた。
神奈川県 真鶴 三石海岸
千葉県 印旛沼
京都 先斗町
新宿区 神楽坂
北区 旧古河邸
千代田区 神田明神
関越道 赤城サービスエリアからの展望
千葉県 旭市 屏風ヶ浦
都内の公園 名前は思い出せない
犬吠埼
白い部分は画用紙の白
下の絵は以前北海道の富良野に行ったとき撮った写真を元に描いたものである。当然白い色は全く使っていない。バックの色は画用紙の色である。ただそれだけでは雪の風景にならないから、部分部分をブルーの濃淡で影を付けている。
富良野
富良野付近の根室本線
富良野
水彩画教室も通い始めて1年もすると、描くことへも慣れてきて、表現方法も少しづつ身についてくる。最近は自分でも「良く描けたな!」と思える絵が何枚か描けるようになってきた。中学生のようなぎこちなかった絵が少しさまになってくる。すると少し自信が着いてきて描くことが楽しくなってくる。そうなると不思議なもので、次はこんな絵を描いてみたい、次は・・・・と、意欲が湧いてくるものである。
下の絵は昨年の10月~12月に描いた絵を順番に並べてみた。
新宿御苑 ポプラ並木
皇居二重橋
高幡不動 親水公園
所沢市 小手指ケ原
世田谷区 上野毛
市川市 かつて江戸川に流れ込んでいた旧坂川跡