60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

秩父巡礼(8)

2017年11月24日 08時39分51秒 | 散歩(8)

 秩父34ヶ所、今日はそのラスト前の33番札所菊水寺を目指す。朝6時20分に家を出て、前回帰りにバスに乗った松井田バス停まで行く。電車とバスを乗り継いで、まだ朝の寒さ残る8時55分に着いた。約2時間半の所要時間である。帰路もそのぐらいかかるから往復5時間、歩きが5時間としてトータル10時間、これがこの巡礼の毎回の時間配分である。「時間もお金もかかる」そういう意味からしたら、秩父巡礼は贅沢な散策である。

 小春日和の暖かい日差しを浴び、秩父の穏やかな空気を吸って一人のんびりと歩く。こんな時が私の至福の時かもしれない。カメラを持って絵を描く題材を探し、移り変わる景色に意識を向ける。誰に気兼ねするわけでなく、気に入ったところで立ち止まり被写体にカメラを向ける。誰もいず景色が良いところで、買ってきたおにぎりを食べる。川の流れる音、小鳥のさえずり以外は何も聞こえてこない。今日は山道もなく秩父盆地の平坦な道、今までで一番穏やかな気分を味わえたコースである。
 
          
 
                    松井田バス亭
 
   
 
         
 
   
 
                    おがの化石館
 
   
 
                     三葉虫
 
   
 
       
 
                オパール化したアンモナイト
 
   

           秩父で発見された恐竜パレオパラドキシアの骨格模型
 
   
 
   
 
       
 
               赤平川へ降りてゆく
 
   
 
                     ようばけ
              秩父では崖のことを「はけ」と呼ぶ。
             ようばけは太陽の当たる崖という意味
 
   
 
       高さは約100m、幅は約400mに及ぶ地層の大露頭
         今から1500万年前に堆積したといわれている。
      この第三紀層と呼ばれる「ようばけ」の地層からは、
       その時代に生息していたクジラやサメ、カニ、貝類など
     貴重な化石が数多く発見され、おがの化石館に展示されている。
 
   
 
        
 
   
 
                  のどかな道が続く
 
   

 
   
 
                  桜井橋から菊水川
 
        
 
   
 
   
 
                  33番 菊水寺
 
   
 
   
 
                      菊水寺
 
        
 
   
 
   
 
   
 
                   脱穀の作業中
 
        
 
        
 
        
 
   
 
                      赤平川
 
   
 
        

   
 
                スランプ褶曲(しゅうきょく)
               海底の地滑りによってできたもの

        25000年前、秩父は海で、その海底には砂や泥が堆積していた。
        まだ固まっていない軟らかな地層なので、地震のようなショックが加わると
        海底の斜面に沿って流れだし、その際に地層が折れ曲がったものである。

 
   
 
              筋が曲がっている(地層の曲がり)
 
        
 
   

             上が第4紀の地層、不整合面を境にして
           下の筋が入っている地層が新第三紀中新世の地層

        
 
   
 
        
 
   
 
                   旧武毛銀行本店
 
   
 
                   秩父菊水酒造
 
   

                   昔ながらの医院
 
   
 
            桜が咲いていた。遠くに見えるのは武甲山
 
        
 
   
 
                龍勢祭りのロケット発射台
 
       
 
            毎年10月に行われる椋神社の龍勢祭り
             以前TVのニュースで見たことがある。
 
   
 
                    椋神社
 
        
 
        
 
   
 
   
 
    
 
                  道の駅龍勢会館
 
   
 
                 龍勢会館バス亭
 
          
 
            土曜・日祝日は14:28を逃すと
          17:18(最終)まで、約3時間バスがない
 
 
 
 
 

t秩父巡礼(7)

2017年11月17日 08時34分21秒 | 散歩(8)
 先回から歩いている秩父郡小鹿野町は、秩父と武州を結ぶ武州街道の宿場町であった。明治2年には県内でも2番目に町制が施行されたほど繁栄していた時代もあった。そんなことからこの地域にも秩父34ヶ所の巡礼道が置かれたのかもしれない。しかし今は関越自動車道、上信越自動車道ができ、この武州街道(国道299号線)は幹線道路の役割は終え、取り残されたようにひっそりした町である。
 
 今日はその武州街道から南にそれ、大日峠を通って32番札所を目指す。この大日峠越えは徒歩の巡礼者が通るだけなのか、時々道を見失うほどの心細い山道である。当然反対から降りてくる人もなく、山道の1時間は誰と会うこともなかった。32番では車できた巡礼者4~5人を見かけたが、その後もバス停までの1時間半、会ったのは1人の老人だけであった。今日は人が消えてしまったような無人の田舎道を、黙々と歩いたような感じである。
 
         
 
               小鹿野バス亭
 
   
 
          小鹿野町のメインストリート(武州街道) 
 
        
 
              小鹿野神社参道
 
   
 
              小鹿野神社
 
       
 
      武州街道を東に進み小鹿野警察署の先を右に入る
 
       
 
       
 
   
 
                赤平川
 
        
 
        
 
            大日峠への分岐、左の山道へ      
 
        
 
            小判沢沿いに巡礼道は続く
 
        
 
           木橋や飛び石を伝って登っていく
 
        
 
        
 
           巡礼道だから降りてくる人はいない
 
             
 
        
 
              やっと峠に到達
 
   
 
         大日峠には新旧2体の大日如来が鎮座する
 
        
 
               これから下り
 
   
 
             やっと山道を抜ける
        結局、山道の1時間に誰とも出会うことはなかった
 
        
 
              まだ茅葺の家がある
 
        
 
   
 
             32番 法性寺山門
 
      
 
   
 
             石段の脇にリンドウの花
 
          
 
   
 
                法性寺
 
        
 
    奥の院へ行くには危険が伴うため、この方向へ向かってお祈りをするらしい
 
      
 
                観音堂
 
        
 
                           側説明書きには《秋海棠(しゅうかいどう)》
      佛様を飾る花 花ことばは=いつくしみの心 と書いてある
 
   
 
                観音堂
 
   
 
                観音堂
 
        
 
            岩肌は無数の穴が開いている
 
                タフォ二といい、岩の表面から水が蒸発すると塩類ができ、
       その部分からもろく崩れる風化現象で出来たもの
 
   
 
               奥の院への道
 
          
 
                急な登り
 
        
 
             あちらこちらに鎖のついた道
 
          
 
           鎖を持たないと登れない急な石段
               突き当りが岩穴
 
    
 
               岩穴に並ぶ石像
 
         
 
                崖の上に出る
              崖を伝ってさらに奥へ
 
   
 
              落ちれば命はない
 
   
 
           岩の端の巨岩の上に立つお船観音像
   
      
 
            お船観音(聖観世音菩薩)
 
   
 
               足がすくむ高さ
             
   
 
            高所恐怖症の人は無理な場所
             Uターンして反対側に向かう
 
        
 
            大きな岩の上の付いた細い道
             右下は高い崖、足がすくむ
 
       
      
            垂直な岩を鎖を伝って登る
 
   
 
          岩の上に突然大日如来像が現れる
 
    法性院の奥の院は長さ200m、高さ80mの船形をした巨石の上にある。
  その舳先にあたる前の方にお船観音が、艫にあたる後方に大日如来が祀られている。
 
         
 
             32番をあとにバス停に向かう        
 
   
 
               秩父大神社
            荒れ果てていて廃神社のよう
          
       
  
   
 
        
 
        
 
        
 
   
 
   
 
               日本武神社
 
   
 
                長留川
 
   
 
              日曜日で作業は休み
 
         「台風21号での土砂崩れが長留川をせき止め
        一帯が海のようになって、近隣の家は床上浸水した」
            被害にあった老人が語ってくれた。
              
        
 
             災害現場を見つめる老人
 
        
 
   
 
          
 
               松井田バス亭





 

秩父巡礼(6)

2017年11月10日 08時55分47秒 | 散歩(8)

 毎週の台風などで秩父巡礼も3週間空いた。久々の天気、11/4日(土曜)勇んで秩父に向かう。先回は29番まで、今回は30番からだが、30から31番はコース最長で約18kmと徒歩で5時間の長旅になる。日が短くなる秋、さすがにこれを歩くと一泊する必要があるため、電車とバスで両神までショートカットし、その先から巡礼道を行くことにした。

 今日のコースの大半は秩父郡小鹿野町、人口1万人の山間部の町である。北に隣接するのは群馬県多野群と県境の町でもあり交通の便が悪い。1時間に1本あるかどうかのバスが唯一の手段である。バス停までの距離と歩行時間、バスの発着時間を気にしながらの歩行であった。9月の初めスタートしたころは初秋、そして6回目の今日は晩秋である。人々の服装も変わり、歩く道の風景も秋の深まりを感じさせてくれた。

   
 
           熊谷鉄道 お花畑駅
 
      
 
           駅の温度計は13度
 
      
 
           熊谷鉄道 白久駅
 
  
 
            晩秋の野山

      
 
                       
 
    
 
    

                     
 
  
 
            三十番 法雲寺
 
  
 
             法雲寺
 
      
 
            カリンの実
   
      
 
            ムラサキシキブ
 
      
 
           白久から三峰口へ
 
      
 
             三峰駅
 
      
 
    三峰口駅から両神温泉薬師の湯まで小鹿野町営バスで
 
      
 
          薬師の湯バス亭から歩き
 
    
 
            法養寺薬師堂
 
      
 
             両神神社
 
       
 
       
 
             薄川の木橋
 
       
 
        
 
             権五郎落峠
 
       
 
       
 
          
 
                      

           物騒な掲示があちらこちらにある。
                        
        

   
 
              地蔵寺

               この地蔵寺は水子地蔵の発祥の地と言われる。
 
   
 
      山の斜面一面に水子地蔵が並び、圧倒される光景
 
   
 
         周囲の山々の斜面に14000体以上
 
   
 
       時折吹いてくる風に風車が回る光景は物悲しい
 
       
 
           前を行く巡礼姿の若者2人
 
   
 
            三十一番 観音院
 
            両側に仁王の石像
 
         
 
           296段の石段を登る
 
      
 
   
 
            三十一番 観音院 
 
   
 
           お堂を大きな岩が被っている
 
       
 
        この岩が崩れればお堂は粉々になるだろう
 
                   
 
     
 
           高さ30mの聖浄の滝
 
   
 
            今日はここまで、

 
        
 
      栗尾バス亭まで歩きそこからバスで西武秩父駅へ
 
   
 
 

サンドブラスト作品展

2017年11月03日 10時02分29秒 | 美術

会社の近くにある女性店主の喫茶店に、ランチの後、週に1~2回行っている。小さな店でカウンター形式なので、お客さんがいないときはよく話をする。60半ばのその女性店主は趣味が広く、定休日は必ずどこかに出かけている。美術鑑賞、映画鑑賞、都内の喫茶店探訪、毎年お盆の前後にお姉さんと国内の大旅行、そしてガラス工芸(サンドブラスト教室)等々。家事もこなしながら月5日程度の休みで、よく行動できるものだと感心する。(サンドブラスト:表面に砂などの研磨剤を吹き付けて彫刻していく技法)

 先週、年に一度のガラス工芸教室の作品の発表会があるから、とポストカードを渡された。彼女の作品は喫茶店で何度か見たが、いづれも色模様のグラスであった。今回は力をいれ電気スタンド2点の大作を出品したそうだ。会場も近いし、話の種にのなると思い、会社の帰りに行ってみることにした。
 
 入り口近くに、サンドブラスト加工の手順サンプルがあり、生徒さんの一人であろうか、丁寧に説明してくれた。ただ作品を見て回るより、どういう行程で製作していくのかを知って見た方が、製作者の苦労も工夫も分かるようで、作品をより興味深く見ることができる気がする。
 
  
 
                    会場
 
                   加工工程
     
       
 
           色の付いたグラスにデザイン画を貼り着ける。
  
                      線に沿ってカッターナイフで余分な部分を切り取る
 
  
 
          高速で砂を吹きつけグラスの表面を削っていく
        削った部分が白くなり、紙で被った部分は元の色が残る
 
  
 
          デザインでどこを削りどこを残すかで印象が変わる
 
 
                    生徒さんの作品
 
            
  
  
 
                  一人の作品群
 
  
 
  
 
                     ハーバリユム

           瓶に油を入れ、その中にドライフラワーを入れる
 
  
 
               一つ3000円で販売していた
 
  
 
        
 
         
 
        
 
                 菱形の部分に深絞り
 
  
 
       
 
      
 
  
 
                   教室の先生の作品
 
 店主は習い始めて10年だそうである。今回作品展に出品する2作品を完成させるのに、月1~2回教室に通って約8ヶ月かかったと言う。一番苦労するのはデザインを決め、色の付いたガラスに貼った後、カットしていく工程だと言う。線に沿ってブレないようにカッターで切っていく時が、一番神経を使い時間がかかる作業だそうである。その後は何種かのノズルを換えて砂を吹き付けて削っていく行程で、ここでは経験と感覚の世界だそうである。会場を見て回っても、確かに線の滑らかさが作品の良し悪しを決めるポイントのようにも思える。
 
 会場の案内の人に聞いて見ると、生徒さんは全て女性で今回は20名の人が出品したと言う。それぞれの作品を見て思うのだが、こういう細かくて根気のいる作業は女性でなければなかなか難しいようにも思う。私の習っている水彩画教室もそうだが、女性は右脳が発達しているからか、美術系の習い事は圧倒的に多い。しかも総じて女性の方が多様な趣味を持っているようにも見える。このことが老後やる事に困っている男性に比べ、女性の方が活動範囲も広がり生き生きと生活できるのだろう。そしてそれが結果として平均寿命の差になって表れてくるようにも思える。