60歳からの眼差し

人生の最終章へ、見る物聞くもの、今何を感じるのか綴って見ようと思う。

ポケモンGO

2016年08月26日 09時21分27秒 | 日記
 8月22日の新聞に《「ポケGO」熱狂のち定番》という記事があった。「ポケモンGO」の国内配信開始から1ヶ月、国内での推定ダウンロード数は1000万を超える大ヒット。ダウンロードして直ぐにやめた人は約130万人にとどまり、「スマートフォンゲームの継続率としては高い」という記事である。また昨日の新聞では、ポケモンGOをやっていて、わき見運転で2人の女性をはね、国内初の死傷事故が起きたという記事があった。配信から1ヶ月で「ポケモンGO」をしていて起きた交通事故は79件(人身22件、物損57件)とも書いてある。
 
 世界70ヶ国で配信されアメリカでの騒ぎが話題になり、配信されれば日本でも騒ぎになるのは予測できることだった。どちらかと言えば物見高い私は、「ポケモンGOに関して意見を言うには、自分でやってみるのが先決だろう」と思い、配信早々にダウンロードしてみた。スマホゲームなどやったことのない私は操作手順を覚えるまでは四苦八苦、やっと要領を掴みレベルアップして行くようになるのに2、3日を要した。しかしやるに従って、ただ外に出てポケモンを集めるだけの単純なゲームではなく、ポケモン同士の戦い方や卵の育て方など、どんどんゲームの多様性を要求されるようになってくる。
 
 自分でやっていると周りが気になってしまう。一つは「歩きスマホで人や物にぶつかるリスクがあるのでは?」という思い、二つ目は「いい歳をしてポケモンGOやっているのか?」と言われかねないという思いからである。そんなことからゲームをやるのは通勤途中の人のいない道や公園、休日の散歩道やマックの店内など、なるべく人のいないところを選んでいた。それは自分の気持ち中で、「自分には相応しくない行為なのでは?」という思いがあったからであろう。
 
 自分の行動を気にすると同時に、同じようにゲームをやっている人が目に留まるようになる。山手線の中でゲームをしているおじさん、歩きながらスマホを見つめるOL、マックの店内では30~40代の夫婦がお互いのスマホを覗きながらゲームに興じる姿、意外に子供は少なく、どちらかと言うと30~40代までのサラリーマンが多いように思った。
 
 お盆前、池袋東京芸術劇場前の西口公園の側を通ったとき大勢の人が集まっていた。よく野外イベントをやっている場所なので、今日も何の催しがあるのだろうか?と思う。しかしその大勢の人は一定の場所にたたずんで、手に手に持ったスマホを眺めている。「これはポケモンGOで集まった人達なのだ」そう気付いたとき、何か背筋が寒くなるような異様さを感じてしまう。自分もやっていて可笑しのだが、夕闇迫る公園で通勤帰りのサラリーマンがゲームに興じている姿、やはりどう見ても異様な光景である。この光景を見て、「私には相応しくない」と言う気持ちが決定的となり、直ぐにゲームをアンインストールしてしまった。
 
 では何がこれだけ大人たちを夢中にさせるのだろう? ゲームはポケモンを捕まえる都度ポイントが溜まり、ある一定のポイントでレベルアップしていく。レベル1から初まってレベル10、レベル20と向上していくと同時に、ポケモンを戦わせ勝利すると名声ポイントも上がっていく。ゲームはやればやるほど習熟度が上がり、やればやるほど仕組みや要領を覚えレベルを上げることになる。またお金で道具を買いゲームを有利に進めることも出来る。

 サラリーマン社会でも同じようなことが言え、能力があり成績が上がれば会社内で職責があがり出世していく。また接待や付け届けなどのお金の使い方でも有利不利が生じることもある。そんなことを考え合わせれば、ゲームは実社会の縮図のようにも見えるのである。しかし実社会では往々にして思うに任せないことばかり、一方ゲームの中では明快なルールがあり不公平さはなく、努力すれば確実にレベルアップしていける。現実世界で上手くいかない状況を、仮想の世界でそれを解消することもできる。そんなことがポケモンGOを夢中にさせる一つの要因なのかもしれないと思ってみた。
 
    
 
                    池袋西口公園
 
    
 
           
 
           








散歩(真壁)

2016年08月19日 08時06分53秒 | 散歩(6)
  《真壁は古い城下町として栄え、江戸時代から明治大正にかけて、豪商達が建てた300以上の見世蔵や土蔵・門などが町内に多く点在する。そのうち100棟以上が国の登録有形文化財となっている。約400年前の江戸時代の町割がほぼそのままの形で残る町としても貴重である》、そんな紹介記事を見て一度は行って見たいとリストアップしていた町である。しかし交通の便が悪く、電車やバスを乗り継いでも日帰りで行ける場所ではなかった。それが昨年、圏央道が部分的に繋がり古河までいけるようになった。そんなことから今回この真壁町(茨城県桜川市)に行ってみることにしたのである。
 
 自宅から圏央道の入間川ICまでは30分、高速に入って境古河ICまでは1時間、高速を降りて一般道で約1時間と、自宅から2時間半で高上町駐車場に到着した。「観光客は車で来るしかない」そんな立地からか広い町営の駐車場が用意されている。この時期、散策する人はいないのだろうか、駐車したのは私の車だけである。料金箱に自己申告でお金を入れ、観光マップを持って町に出た。
 
 町を歩いて直ぐに気がつくことがある。人が歩いていない、コンビニがない、食堂や喫茶店など飲食業がない、雑貨店などは商品が並んでいるだけで店の人もいない。聞こえる音は油蝉の声だけ。SF映画で住人が突然いなくなり、無人化した町に迷い込んだようである。町は川越市のように古い建物が並ぶのではなく、豪商達の古い家屋が町の中に点在している。そして一般の民家も2階建ての日本建築で、町全体が私が生まれた昭和初期の町並みの雰囲気である。真壁の町は交通の便が悪かったがために、時代から取り残された町である。しかしこのことが反対に今からは価値ある町のように思えてくる。
 
 
    
 
                    高上町駐車場
      帰りも私の車1台だけだったから、今日1日の駐車収入は500円
 
            
 
                駐車料金は自己申告
        上の封筒に車のナンバーを記入しお金を入れて料金箱へ
 
    
 
           赤線の内側が重要伝統建造物群保存地区
 
    
 
                     高上町通り
 
    
 
                星野家のギャラリー和空間
 
    
 
                    旧真壁郵便局
         戦前戦後を通じてランドマークとして親しまれた近代建築
 
    
 
                
 
    
 
             
 
    
 
    
 
    
 
    
 
                       谷口家
          真壁の近代を支えた谷口製糸所建物群と旧家住宅建物
 
    
 
              谷口家は真壁の中でも屈指の旧家
 
    
 
    
 
             
 
    
 
                      橋本旅館
                典型的な昭和初期の旅館建築
 
    
 
              朽ち果てているが集会所に使われている
 
           
 
    
   
                      見芽通り
 
    

                      見芽通り

    
 
                      真壁伝承館
   図書館や歴史資料館などある複合型施設、町の中で唯一の近代建築だが
         白と黒の基調で真壁の町並みに調和した外観にしてある

               
           中央に秋楡(アキニレ)の木が一本植えてある
 
    
 
                     真壁伝承館
  
    
 
                     真壁伝承館
            2012年の日本建築学会賞を受賞した。
 
    
  
             右は伝承館の黒塀、左は根本医院
   
    
 
                       猪瀬家
              明治期の本格的で造りが良い薬院門
 
    
 
    
 
                      村井醸造
               17世紀以来の歴史を誇る造り酒屋
 
    
 
    
 
                     伊勢屋旅館
          明治期の伝統的な町屋建築と土蔵造りの料亭建物
 
    
 
                       潮田家
                    元呉服太物商鶴屋
 
    
 
                       密光寺
                    江戸後期の仏堂
 
    
 
 
    
 
                     市塚(章一)家
    
    
 
                  左は 市塚(政一)家
                 保蔵状態の良い長屋門
 
    
 
                   市塚(昌宏)家
                  古式を留める薬医門
   
    
 
              手前は小田部鋳造、後方は西岡本店
 
           
 
              梵鐘や半鐘など伝統工芸の拠点施設
 
    
 
                      西岡本店
               明治初期に建設された醸造所
 
    
 
               夏休みの真壁小学校グラウンド
                   正面は筑波山
 

             ここから折り返し、車を止めてある駐車場へ
















盆休み

2016年08月10日 09時25分21秒 | 日記

 明日11日から15日までは盆休み、ブログの更新は主に会社のパソコンに頼っているので、今週はお休みにします。

 盆休み、何をするとも決めていない。たぶん庭木の剪定、気が向けば久々に映画鑑賞でもと思っている(行くとすればルドルフとイッパイアッテナ)。それと芥川賞をもらった「コンビニ人間」を読んでみようか?

 後は電車では遠すぎて行っていない茨城県桜川市真壁町、圏央道が古河まで延びたから車で行ってみようかと思っている。真壁は古い町並みが残っている町、そんな町を写真を撮りながら歩いてみたい。最近の散歩はほとんど絵を描く題材を探して歩いている。下の絵は先週歩いた所沢を描いたものです。

    


    




夏の散歩

2016年08月05日 08時31分12秒 | 散歩(6)

 平年より1週間遅く、7月28日に梅雨が明けた。梅雨明け後の最初の日曜日、久々に定番の散歩コースを歩くことにする。四季折々の変化を感じることが出来る田園地帯のコースである。

 ギラギラと露光100%の真夏の道を歩いていると、必ずと言っていいほど子供の頃の海水浴場に行くときを思い出す。終戦後の物のない時代、遊びに行く時はどこに行くのも歩きである。夏休みに山陰の海水浴場にも2時間以上かけて歩いて行っていた。あるときは母親が付き添って、あるときは兄弟同士で、炎天下の中、街を抜け畑を抜けトボトボと歩いて行く。やがて松林になり、磯の匂いがし、足を捕られながら砂地を歩くと波の音が聞こえてくる。前は見渡す限りの海と空、さえぎるものが無いから音も反射してこない。海水浴場ではしゃぐ子供の歓声と波の音とが混じって、遠くで耳鳴りのように聞こえる。そんな光景である。
 
 我々の子供時代は車も無いから歩くことが当たり前であった。だから夏になれば全員が真っ黒になる。今なら紫外線の害や熱中症から、日中の外出にも注意報が出されるほどである。しかし当時はそんな知識も無いしクーラーも無いから、「夏は元気に外で遊べ!」と、親も子供を外に放り出す。それでも熱中症(当時は日射病)で大勢の人が倒れたと言うニュースなど聞いたことがない。たぶん今の時代はリスクを避け、用心する生活が当たり前になったから、人もドンドン華奢になっていくのだろう。
 
 そんな子供時代が有ったからか、私は今でも真夏に歩くことに抵抗はない。帽子も被らず炎天下の道を歩くと、だらだらと汗をかく。水を飲みまた汗をかく。そんなことを繰り返すと自分の中の代謝が加速され、体に溜まった不純物が出て行くように感じる。普段より疲れは早いが、歩き終わった後は爽快感がある。だから冬の寒さの中を体を縮めて歩くより、夏を歩く方が好きである。
 
    
 
      団地の中の遊歩道が途切れ、右の陸橋を渡ると保護林の地区に入る
 
    
 
             近くにトトロの森1号地がある
 
    
 
    
 
    
 
    
 
                林を抜けると農業地区に入る
 
    
 
                   藤森稲荷神社
 
    
 
                   昔ながらの農家
 
    
 
           
 
            アジサイが終わり植物も夏から秋の装いに
 
          
 
                      柿
 
          
 
                     ザクロ
 
          
 
                      ミカン
 
          
 
                       栗
 
    
 
               このあたりは裕福な農家が多い
 
    
 
    
 
                  完全に夏の雲である
 
    
 
               やはり夏はヒマワリが似合う
 
          
 
                  蜂が無心に蜜を吸う
 
    
  
             こういう風景を観るとトトロの世界を感じる
 
    
 
    
 
    
 
    
 
       このあたりは小手指ヶ原と呼ばれ、広々とした農地が広がっている
 
    
 
                   木陰が気持ち良い
 
    
 
    
 
                    サツマイモの畑
 
    
 
    
 
    
 
                    お茶畑
 
    
 
                 今から何を植えるのか?
 
    
 
              農家の庭には色とりどりの夏の花
 
          
 
            
 
                     ミニトマト
 
    
 
                       椿
 
          
 
                      椿の実
 
    
 
    
 
                     小手指駅