アカデミー賞「アーチスト」の対抗馬になっていた「ヒューゴの不思議な発明」を観に行った。この映画の舞台は1930年代のフランスのパリである。時計職人だった父を火事で失い、孤児となって駅の時計台に隠れ住むヒューゴという少年の「愛と冒険の物語?」である。ハラハラドキドキで最後はハッピーエンドで終わるストーリーに新味はなく、「なぜ、これがアカデミー賞候補なのだろう?」と思ってしまったほどである。作品賞の「アーティスト」は日本ではまだ上映されていないから比較のしようもないが、物語性としては期待に反してガッカリした気分である。しかしこの映画の価値は3Dと言う立体映像を使って、映画のエンターテイメント性をとことん追求しているところにあるのだろうと思う。
3年前「アバター」という初の本格的な3D映画が話題を集めた(興行収歴代1位で約2000億円)。これを見た時は「映画もここまで来たのか」という驚きがあった。主人公が森を歩くと、足下の草がサラサラと自分の足を撫でるように感じ、空を飛ぶシーンは如何にも自分が空中を浮遊しているような臨場感があった。映画の歴史はサイレントからトーキーへ、モノクロからカラーへ、そしてついに立体へと変わって行った。「アバター」はそのエポックメイキングな作品だったように思う。しかしそれ以降の3D映画にはお手軽な作品が多く、見ている内に、「これ、3Dなの?」と思いなおすような作品も多かった。所々に3Dを使ったような手抜きの映像、何時も暗く見難い画面、平坦な画像を何層か重ねたような画面は、学芸会の背景の衝立のようで薄っぺらい。「これで割増料金を取るのか」、そう思う作品も多かったように思う。
「ヒューゴの不思議な発明」は80年も前のフランスのパリが舞台である。荘厳な石積みの建造物、石畳の街並み、遠くにエフェル塔が見える。蒸気機関車が走り、駅の時計塔は大きな歯車が回るアナログの世界である。映画が始まるとすぐにクラシックなパリへタイムスリップした気分になる。場面はほとんどが夜で、これが3Dの持つ宿命なのか、全体に暗くなってしまう。それでも映像の構成の面白さ、画面も綺麗で立体感もしっかり出ていた。画面の美しさや面白さにこだわり、クリアで奥行きがある映像は昔のパリを彷彿させファンタジーな映画に仕上がっていたように思う。アカデミー賞の作品賞、監督賞は逃したものの撮影賞、美術賞、視覚効果賞、録音賞、音響効果賞と5つの技術賞を総ナメしたのは納得のいくところである。
3Dの映画を見る時は何時もメガネをかけることになる。今まで何館かで3D映画を観たが、よく行く映画館はメガネを100円で買い、次回からはそのメガネを持参するようになっている。他の映画館ではその都度回収する映画館もある。調べてみると3D方式には何パターンかあるようで、それによってメガネも違う。何時も行っている映画館はRealD(リアルディー)方式というもので、左右の映像を毎秒144回切り換え、それに同調した偏光フィルターをかけて上映し、フィルターがある眼鏡をかけて観る方式である。他に国内で主流なのは干渉フィルター方式といい、多重コートフィルタを使って6つの色チャンネルを左右に振り分ける事で立体感を出すようである。この方式はフィルター眼鏡が高価なために、使用ごとに回収して洗浄の必要があるようである。 さらに最近出てきたのがIMAXデジタル3Dという方式、左右の映像を二台のプロジェクターで上映するために映像が明るい。一度観たことがあるが、湾曲したスクリーンが上下左右に大きく広がり、視野全体が画面の中にある感じで迫力や臨場感は圧倒的である。しかし設備が大がかりになるためなのか、3D料金よりさらに高い料金設定になっていた。
3年前まで無かった3D映画、今ではシネコンには必ずワンスクリーンはある。私がよく行く映画館はツースクリーンが3Dである。3D映画の上映本数もしたいに増えて行き、今は何時行っても見られるほどになった。TVが出現して映画の斜陽が言われて久しいが、TVでは堪能できない美しい映像やファンタスティックな映画が多くなれば、しだいに映画館に行く回数も多くなるのではないだろうか。今回のアカデミー賞で作品賞は「アーチスト」というモノクロのサイレント映画だそうである。はからずも「ヒューゴ」と同じ時代設定である。トーキーの登場でサイレント映画の時代が終わり、没落する男優と躍進する女優を描いた作品だそうである。今度上映されればこの映画も見に行ってみようと思っている。



3年前「アバター」という初の本格的な3D映画が話題を集めた(興行収歴代1位で約2000億円)。これを見た時は「映画もここまで来たのか」という驚きがあった。主人公が森を歩くと、足下の草がサラサラと自分の足を撫でるように感じ、空を飛ぶシーンは如何にも自分が空中を浮遊しているような臨場感があった。映画の歴史はサイレントからトーキーへ、モノクロからカラーへ、そしてついに立体へと変わって行った。「アバター」はそのエポックメイキングな作品だったように思う。しかしそれ以降の3D映画にはお手軽な作品が多く、見ている内に、「これ、3Dなの?」と思いなおすような作品も多かった。所々に3Dを使ったような手抜きの映像、何時も暗く見難い画面、平坦な画像を何層か重ねたような画面は、学芸会の背景の衝立のようで薄っぺらい。「これで割増料金を取るのか」、そう思う作品も多かったように思う。
「ヒューゴの不思議な発明」は80年も前のフランスのパリが舞台である。荘厳な石積みの建造物、石畳の街並み、遠くにエフェル塔が見える。蒸気機関車が走り、駅の時計塔は大きな歯車が回るアナログの世界である。映画が始まるとすぐにクラシックなパリへタイムスリップした気分になる。場面はほとんどが夜で、これが3Dの持つ宿命なのか、全体に暗くなってしまう。それでも映像の構成の面白さ、画面も綺麗で立体感もしっかり出ていた。画面の美しさや面白さにこだわり、クリアで奥行きがある映像は昔のパリを彷彿させファンタジーな映画に仕上がっていたように思う。アカデミー賞の作品賞、監督賞は逃したものの撮影賞、美術賞、視覚効果賞、録音賞、音響効果賞と5つの技術賞を総ナメしたのは納得のいくところである。
3Dの映画を見る時は何時もメガネをかけることになる。今まで何館かで3D映画を観たが、よく行く映画館はメガネを100円で買い、次回からはそのメガネを持参するようになっている。他の映画館ではその都度回収する映画館もある。調べてみると3D方式には何パターンかあるようで、それによってメガネも違う。何時も行っている映画館はRealD(リアルディー)方式というもので、左右の映像を毎秒144回切り換え、それに同調した偏光フィルターをかけて上映し、フィルターがある眼鏡をかけて観る方式である。他に国内で主流なのは干渉フィルター方式といい、多重コートフィルタを使って6つの色チャンネルを左右に振り分ける事で立体感を出すようである。この方式はフィルター眼鏡が高価なために、使用ごとに回収して洗浄の必要があるようである。 さらに最近出てきたのがIMAXデジタル3Dという方式、左右の映像を二台のプロジェクターで上映するために映像が明るい。一度観たことがあるが、湾曲したスクリーンが上下左右に大きく広がり、視野全体が画面の中にある感じで迫力や臨場感は圧倒的である。しかし設備が大がかりになるためなのか、3D料金よりさらに高い料金設定になっていた。
3年前まで無かった3D映画、今ではシネコンには必ずワンスクリーンはある。私がよく行く映画館はツースクリーンが3Dである。3D映画の上映本数もしたいに増えて行き、今は何時行っても見られるほどになった。TVが出現して映画の斜陽が言われて久しいが、TVでは堪能できない美しい映像やファンタスティックな映画が多くなれば、しだいに映画館に行く回数も多くなるのではないだろうか。今回のアカデミー賞で作品賞は「アーチスト」というモノクロのサイレント映画だそうである。はからずも「ヒューゴ」と同じ時代設定である。トーキーの登場でサイレント映画の時代が終わり、没落する男優と躍進する女優を描いた作品だそうである。今度上映されればこの映画も見に行ってみようと思っている。


