7月2日(水)
予告編を観て、壮大な描写が面白そうなので映画「ノア約束の舟」を観に行った。「ノアの方舟」というのは聖書に出てくる神話のようだが、どんな話かあまり知らなかったけれどこの映画で大筋が理解できた。
楽園だった創世記、この世を乱す邪悪な人間共が増長する姿に神が怒り、この世を大洪水で滅ぼす事にした。神のお告げを受けたノアは、この世に生息する生物を救う為、神の兵隊である岩の化身達とともに巨大な箱舟を造り上げる。
邪悪な人間共が舟を奪おうと襲撃するが、その直後に大洪水が起こり大地は全て水の底に沈んで方舟に乗った生き物以外は死に絶える。人間もノアと彼の家族だけが生存を許される。
漂流中、思わぬ事態が発生する。ノアの息子夫婦に子供が生まれたのだ。ノアと彼の家族以外の人間の生存を許さぬ神にノアは苦悩する。子供は双子の女の子だった。
神の忠実な下僕であるノアは、双子を殺す事を決意する。家族の反対を押切り正に刃を向けようとした瞬間、彼の情愛が殺意を消去り双子は生かされる。その直後に、方舟は新たな大地に漂着した。ノアと彼の家族そして生かされた生き物達が、その地で新たな創世を始める。
神話によれば、我々人類はその双子の子孫となるのであろう。過って邪悪な人間を滅ぼした神は、今だに各地で殺戮を繰返す現代の人々をどのように見ているのだろうか。今地上には全人類を何十回も殺戮できるだけの核物質が貯えられている。神の意志でこれらが一度暴発すれば、再び人類は滅亡を免れない。
大洪水では水が引いた後の大地で再生する事ができたけれど、核爆発の後では地表は生存を許さぬ放射能が充満し、地球からの脱出以外人類に生き残る道は無い。この映画はそんな人類の愚かさを警鐘しているのだろうか。