4月8日(水)
二日続きの雨で今日も仕事はお休みだ。正直言うと学校嫌いの小学生が休校を喜ぶように、私も休めるのがちょっと嬉しい。この空白の時間、暇つぶしの定番である映画館へ行った。
上映中の映画にそれ程観たいものは無く消去法的選択で「イミテーション・ゲーム」という映画を観た。これは第2次世界大戦中に解読不可能と言われたドイツ軍の暗号「エニグマ」を解読した実在の英国の天才数学者アラン・チューリングをモデルにした映画です。
アランは当時法で禁じられていた同性愛者であり他人と協調できない偏屈な男。だからこの映画にカッコ良さや感動、痛快さなど無い。周囲に毛嫌いされながら暗号解読に挑む彼の姿に、痛々しさを感じる程だ。
しかし彼を理解する僅かな仲間の助けを借りて、アランは遂に暗号解読の解読に成功する。これにより戦争の勝機は連合軍に傾き、終戦を2年早めたという。そして多くの人々の命も救われた。
普通ならばアランは祖国を救った英雄だ。しかし彼の功績は軍事機密の中で闇に葬られ、戦後は同性愛者として警察に逮捕される等惨めで孤独な人生を過ごし、最後は自らの命を絶ってしまう。何とも哀しい結末だ。
彼の死後近年になって英国政府は公式に謝罪して、彼の名誉と功績を認めた。その事実に少し救われた思いがする。この映画は実に重く見応えがあり、私的には「五つ星」の推奨映画です。なお現代コンピューターの源流は、彼の暗号解読機であったそうです。