4月12日(日) 天気=晴れ
05:11白山中居神社P→ 06:35和田山牧場跡地→ 08:16~51野伏ヶ岳→ 09:45和田山牧場跡地→10:40白山中居神社
白山から南に派生する尾根上にある野伏ヶ岳は、登山道が無いので残雪期の今しか登るチャンスがない。好天を狙って昨日の早朝我家を出発した。長野道松本インターで降りると安房有料道路~東海北陸道を経由して登山口の郡上市石徹白集落にある白山中居神社に着いた。神社の駐車場は十数台の車が駐車でき、清潔なトイレもあった。早めの夕食を終え昨夜はここで車中泊した。
白山中居神社の駐車場(建物はトイレ)
未明から車が何台もやってきて駐車場は満杯になった。いずれも野伏ヶ岳を登る人達の車だ。カップヌードルとアンパンだけの簡素な朝食を済ませAM5時過ぎに出発する。山スキーとスノーシューの単独男性が私と相前後してそれぞれ登って行く。
登山口「下山時」(ここから雪道が始まる。)
最初は和田山牧場跡地まで曲がりくねった林道を進むのだが出発の時点から雪道歩きが始まる。山スキーの人はコースを熟知しているようで林道をショートカットして最短距離をグングン進んで行く。私は彼の後を追いて行くだけなので随分助かった。スーシューの人は、私の背後を追いてくる。
林道下部(何か所か雪道が途切れる。)
ズーッと樹林帯の中なので地図だけで現在値の把握は困難だが、今回GPSを携行したので概ね自分の位置を知る事ができた。1時間程歩いて広々とした和田山牧場跡地に到達した。目の前に堂々たる野伏ヶ岳の威容が聳えており感激の対面、牧場跡地は広大な雪原で雪も締まっているから何処でも歩ける。
和田山牧場跡地から野伏ケ岳(中央左側から山頂に伸びるのがダイレクト尾根)
牧場跡地から白山連峰南部の山々
その雪原の中を野伏ヶ岳を目指す登山者のトレイルがしっかり刻まれているので、コースを誤る心配は殆ど無い。コース沿いには4張り程のテントが張られていた。雪原からダイレクト尾根に取りつくルートは幾つか分散しており、スキーやワカン等装備の違いで歩き易いルートが異なるのだろう。
雪原上に張られたテント
私が尾根に着いた頃、7~8名の団体が100m程上の尾根上に到達していた。やがて追いつくと男女混成のパーティで気持ち良く道を譲ってくれた。ダイレクト尾根は稜線までズーッと急登だが、踏み跡が明瞭なので無心で黙々と登るだけだ。憧れていたルートを今歩いているのかと思うと無性に心が弾んでくる。
ダイレクト尾根下部(前方に男女混成のパーティ)
ダイレクト尾根上部
最後の急登を越え稜線の一角に着いた。左手に山頂は目前だ。私が山頂に迫った時、単独の男性が降りてきた。今日は彼が一番乗りのようだ。08:16野伏ヶ岳(1674m)に到着、山頂は広々とした雪原で道標らしきものは何も無く1本の木の棒が標柱代わりに差し込まれていた。周囲は360度の大展望、風も無く冷気が心地よい。
ダイレクト尾根最上部から野伏ケ岳山頂
北は尾根続きに雄大な白山連峰が聳え、東は遠方に北アルプス~乗鞍~御嶽の高峰群、南は名も知らぬ岐阜、福井の山々が幾つも重なって見える。しばらくすると私と相前後して登ったスノーシューの男性が登ってきた。話をすると彼は岐阜県可児市の人で岐阜百名山を目指しているそうだ。私が埼玉からワザワザこの山だけを登りに来たと聞いて驚いていた。
山頂から白山方面
山頂から乗鞍岳方面
山頂から南部の山々
野伏ケ岳山頂
3時間くらい山頂に滞在すると言う彼と別れ、私は名残を惜しみつつ下山を開始する。ダイレクト尾根最上部付近で登りに追越した男女混成のパーティとすれ違った。「山頂はもうすぐですか?」と聞かれ、目の前の白いピークですよと教えた。
気温が上がり、コース上の雪がグズグズに緩み少し歩き辛くなってきた。下からは次々と登山者が登ってくる。ザッと数えただけで今日野伏ヶ岳を登る人は20名以上を越すようだ。
牧場跡地の雪原に着いて野伏ヶ岳を仰ぎ見る。もうこの眺めを見る事は二度と無いだろう。牧場から樹林帯に入ると自分の現在地が把握しにくくなるので踏み跡を見失わぬよう慎重に進む。概ね林道伝いに降って行くと眼下に石徹白の集落が見え、やがて登山口に到着した。
登山口付近を流れる石徹白川
車に乗ると早速温泉へ向かう。最初に向かったウイングヒル白鳥スキー場にある「満天の湯」は入浴料金が800円と高いので×、高鷲インター近くの湯平温泉は素朴な雰囲気で料金も600円と安く気に入った。露天風呂に浸かり長良川の渓流を眺めていると登山の疲れが癒されていく。
高鷲町の湯の平温泉
野伏ヶ岳は三百名山の一峰なので何時か登ろうと思っていた。ネット情報を丹念に見ていたので初めての山という気がせず、実際に上ってみると予想以上に登り甲斐のある素晴らしい山だった。再訪したいという思いもあるが、自分の年齢を考えたらもう来る事は無いだろう。