Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

谷川連峰,馬蹄形コース縦走登山 (1) 

2015年10月11日 | 山歩き

 谷川連峰馬蹄形コース図  

 土合橋駐車場 ~ 朝日岳 ~ 清水峠

 10月9日(金)        天気=雨後晴れ

 

 07:51土合橋無料駐車場→ 09:58~10:15松ノ木沢ノ頭→ 10:59~11:17白毛門→ 12:05~20笠ヶ岳→ 13:23~44朝日岳→ 14:02巻機山分岐→ 15:22清水峠

 

 湯檜曽川源流をグルリと周回する谷川連峰馬蹄形コースは別々には幾度も歩いているが、通しで歩いた事がなかったので今回は一泊の幕営装備で挑戦した。関東平野は晴れ渡っていたのに、今朝の水上町は雨が降っている。一時的な西高東低の冬型気圧配置の為、谷川岳上空に雨雲がどっかり覆っているせいだ。

 セブンイレブンの駐車場で天気待ちしていたら、雨が上がったので急ぎ登山口の土合橋無料駐車場へ車を走らせる。広々とした駐車場には10台程の車が停まっていた。準備を終えて出発したのは8時前、予定よりだいぶ遅れたがテント一式あるので何処でも泊れるから焦る必要も無い。

 土合橋の無料駐車場

 白毛門への登山口

 白毛門に至る登山道は最初から急登の連続で厳しい道だ。以前所属していた山の会はこの山域をホームグランドにし、積雪期無雪期問わず幾度もこの道を登ったものだ。しかしそれも20年以上前の話で、齢を重ねた今は辛い登りになった。

 樹林帯の急登も徐々に標高を上げるにつれ、樹間越しに展望が拡がる。遠い台風の影響なのか稜線には灰色雲が覆い、寒々とした風が吹き荒れている。「これじゃ縦走は無理かも、白毛門だけ登って戻ろうか。」と弱気心が芽生えてくる。

 松ノ木沢ノ頭から白毛門

 松ノ木沢ノ頭から登山口方面

 ところが松ノ木沢ノ頭(1484m)に着いた頃からチラチラと陽が差すようになった。「こりゃ思ったより天気の回復は早そうだ。行けるかも」と弱気の虫が引っ込んだ。上部には白毛門の名の由来となった白い岩々がハッキリ見え、山頂も姿を現し出した。

 白毛門山頂

 

 目的地が見えれば気力も湧いてくる。松ノ木沢ノ頭から一気に休まず登り、登山口から約3時間で白毛門(1720m)に到着した。期待した谷川岳一ノ倉沢の岩壁はまだ雲の中だが、目指す笠ヶ岳方面はみるみる雲が消え去り、丸い山頂が手招きしているようだ。

 白毛門から笠ケ岳(左のピーク)

 紅葉に彩られた道を緩やかに降り、しばしの急登を経て白毛門から約50分で笠ヶ岳(1852m)に着いた。上空はすっかり青空と化し爽やかな秋山の風情、気持ちも高揚する。山頂から少し降った地点には小さな避難小屋が在り、中を覗いたがとても泊りたいと思える環境ではなかった。

 笠ケ岳(奥のピーク)への登り

 笠ケ岳より小烏帽子(右)、大烏帽子(中央)、朝日岳(左奥)方面

 笠ケ岳避難小屋

 小烏帽子、大烏帽子の小さなピークを次々と越え、笠ヶ岳から約1時間で朝日岳(1945m)に着く。山頂からは素晴らしい眺めで、谷川連峰の馬蹄形コースが全て見渡せる。振返り見れば、笠ヶ岳は小さな支峰にしか見えない。山頂は幾つもの池塘が点在する山上湿原で、以前ここにテントを張って過ごした事が幾度かあり、その時の仲間の顔が懐かしく思い出される。

 小烏帽子への登り

 朝日岳山頂

 朝日岳から振り返る笠ケ岳(右の低いピーク)

 朝日岳山頂の池塘と湿原

 朝日岳から清水峠まではたおやかな尾根道で、ひたすら降って行く。今日は白毛門で男性一人に会ったきり、他の誰とも出会わない。こんなに贅沢な眺めを独り占めして歩いていれば詩心が湧いてきて、「静かなる秋の山波彩りし、たおやかな路我一人行かん」何て一句もヒネリたくなる。

 朝日岳から清水峠方面

 振り返り見る朝日岳

 ズーッと見えていたから近いと思ったが、清水峠まで意外と遠く朝日岳から約1時間40分を要した。時刻は既に午後3時20分、これ以上歩く気にもなれずここに泊る事にした。

 清水峠の小屋と七ツ小屋山(左奥)、大源太山(右奥)

 峠には2棟の建物があり、奥の大きな小屋は送電線監視所で一般人は泊れない。手前の小さな小屋が登山者用の避難小屋だが、とても泊る気にはなれぬ環境だ。避難小屋横の空き地は眺めも良く、絶好の幕営地なのでここにテントを張る。

 清水峠の送電線監視所(奥)と避難小屋(手前)

 清水峠から柄沢山と巻機山(左奥)方面

 清水峠のテント場

 今日はこの別天地を独り占めと思っていたが、その後二人の男性パーティが隣にテントを張ったので、ちょっとガッカリした。早めの夕食を終え、ほろ酔い加減で暮れなずむ山々を眺めているとロマンチックな気分になり、「暮れなずむ山影紅く輝きて、佇む我に吹く風寒し」と又一句詠んでしまった。イカンイカンこれじゃ詩人になっちまいそうだ。

 寝袋に潜りそのままの体制でテントから顔だけ出して夜空を見上げると、天頂に大きく羽ばたく白鳥座を天の川の白き流れが貫いて見える。何と豪勢な眺めであろうかと一瞬感極まった。

コメント
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